FC2ブログ
ちゅら星(155)
僕らはオレンジ色の飲み物で、運命の出会いとやらを乾杯した。
「それで、どうしてここに?」一口飲んでユニヴァが言う。
「ここのピラミッドの設計に携わっているんでね、ちょっとしたメンテナンスで来ているんだ。」
「それより、気になるのは・・・」ニャントロが言う。
「あぁアタシ達のことね、クーさんの捜索なの。」ユニヴァが答える。
「クーさんがどうかしたの?」GackNtが心配そうな目で僕を見る。
グラスを置いて、ユニヴァが成り行きを語る。
「とにかく、姫を探すとか言って森に入ったはいいけど、出てきたのは姫どころか魔女みたいなダイヤモンドトゥースばばぁで、ポニョとニョロはとんだ人食い恐竜ときたわけ、それでニワトリにもらった水晶が使えると思って試してみたら滝壺に吸い込まれてここにやって来たって訳よ!」
ユニヴァが話し終えると、GackNtがもう一度僕を見た。
「とにかく言ってる意味は分からないけど、クーさんを探しに来たんだね。」GackNtが言う。
僕は頷いた。
「それより、気になるのは・・・」また、ニャントロがさっきと同じ事をもう一度言う。
GackNtも含めた全員がニャントロに注目する。
「そちらの・・・お鳥様は?」ニャントロが少し戸惑ったように言った。
「・・・何たらリゾートでお世話になってる鳥よ。」ユニヴァが答える。
「何たらリゾート?」GackNtがまた僕を見る。
「むしろ大変なのはこの相方の青いクチバシの方で、そのポニョだかニョロだかに食べられそうになったところをクーさんが助けようとして、そのまま見知らぬポータルに入って行ってしまったんだ。」僕が説明を加えた。
「ふぅん、何となく話が見えてきたよ。(ホントか?)」GackNtが言った。
「それで、手がかりはあるのか?」ニャントロが訊く。
「はいぃ、温泉みたいなぁ?・・・温かい湖って言うかぁ・・・。」黄色いクチバシが言う。
「だから、明日は温泉な湖を探してみようと思ってるの。」ユニヴァがオレンジ色の飲み物を飲み干した。
「温泉ぽい湖に心当たりはある?」僕がニャントロとGackNtに訊く。
「残念だけど、ここの水玉は全て一定の温度だから、温泉は考えられないな。」
「えっ・・・簡単に見つかると思ってたのに・・・。」ユニヴァはがっかりとため息をついた。
僕と黄色いクチバシも思わずため息をついた。
暗雲を取り払うようにGackNtが飲み物とフルーツのフリッターを注文する。
それからGackNtはテーブルにセットされている@マークに触れた。
目の前にインフォメーションが立ち上がった。
「近くの温泉」GackNtが言う。
地図が現れたかと思うと、ギューンと縮小されて宇宙空間になった、それから宇宙空間がグルンと回って薄黄色い惑星のところで止まった。
それから薄黄色い惑星がドワッと拡大されて座標が表示された。
「岩と木しか見えないけど・・・、温泉がありそうな場所よね。」ユニヴァが言う。
「ネクスト」またGackNtが言う。
今度はギューンとどころかギュギュギュギュギューンと地図が縮小した。
それから少し上に移動したところに緑色の惑星が現れた。
「これは、遠すぎるね。」GackNtが言った。
「最初の座標の所に明日行くわ。」ユニヴァが画面を薄黄色い惑星に戻した。
飲み物とフルーツのフリッターがやって来た。
丁度その惑星と同じような薄黄色い飲み物は、グラスの縁が塩の粉で飾られている。
「我らもお伴したいが・・・かまわぬか?」ニャントロが言う。
「ピラミッドのメンテナンスはいいの?」僕が訊く。
「完了したところだ。」とGackNt。
「じゃ、明日この座標で!」ユニヴァは言って、薄黄色い飲み物のグラスにそっと口を寄せた。
翌朝、外を眺めると水玉模様が朝の光に輝いてミラーボールのようになっていた。
「きれいぃ!」黄色いクチバシが感嘆する。
次の瞬間、巨大真珠はワープした。
目の前には、薄黄色い霧が漂っている。
「うん、明らかに温泉みたいね。」ユニヴァが言う。
僕らは森の上空にいるのだが、下の方にはモクモクと煙がたなびいているのが分かる。
巨大真珠は煙が濃い方へと進む。
木々が少なくなり、下の岩場が見えてきた。
「川だね。」僕が言う。
「あったかそうな川ぁ。」黄色いクチバシが言う。
巨大真珠は川をさかのぼるように進んで行く。
さらに煙が濃くなる。
「よく見えないけど、この音って滝でしょ?」ユニヴァが言う。
巨大真珠は少し上昇してみる。
煙から抜けると、やはりそこは滝だ。
滝へ落ち込む川をさらにさかのぼる。
遠くに険しい山脈が見える。
「見てぇ、池がいっぱいぃ・・・。」
川が枝分かれして、その途中に池のように丸いたまりができている。
「これが温泉なのかな・・・。」
近づくと人影が見えた。
手を振っている。
「なんだ、ニャントロとGackNtよ。」
巨大真珠は、二人の立つすぐわきに着陸する。
「あの遠くに見える山に源泉があるんだ。」GackNtが言う。
「硫黄温泉だが、そんなに強くはない。」ニャントロが言う。
ユニヴァが丸池のお湯に手を漬けてみる。
「43℃だ。」ニャントロが言う。
それにしても辺りには、僕らの他に人影も無い。
「少し先にステーションがある。」GackNtが言う。
どうやらこの惑星の居住地は地下にあるらしく、ステーションから地下都市に入るようになっているようだ。
僕らはステーションを目指した。
巨大真珠を上昇させると、少し先の別の丸池で、水浴をしている数人が見えた。
「やっぱり温泉に入るのね。」ユニヴァが言う。
「僕らも後で入ってみようか?」僕が言う。
「見て、あれだわ。」
行く先に透明ドームが見えてきた。
ドームに入ると、GackNtとニャントロはロビーのソファアにいた。
「ところで、何かクーさんの手がかりは?」GackNtが言う。
僕らは黙って顔を見合わせた。
「温泉見たいなぁ・・・」黄色いクチバシが困ったように小さい声で言った。
サービスロボットが来たので、僕らは好きな飲み物をそれぞれ取った。
僕とユニヴァとニャントロは緑茶で、黄色いクチバシはカモミールティ、GackNtはオレンジジュースだ。
「ムニャだかメニョだかに食われそうになったと言っていたよね。」GackNtが言う。
「ポニョとニョロよ。」ユニヴァが訂正する。
「怪我はしていないの?」
「クーさんが手を少しやられたみたい。」僕が言う。
「人食い恐竜かぁ・・・。」GackNtが小さくつぶやく。
「ポンポンポンポォ~ン!ヒーリングセンターへのゲートがオープンしました。ヒーリングセンターへのゲートがオープンしました。」
「ヒーリングセンター?」ユニヴァがインフォメーションにつぶやく。
「温泉地だから、湯治場みたいなもんだろう。」GackNtが言う。
「ねぇ、クーさんもそこで手を治療してるんじゃ・・・」僕が言った。
僕らは飲み物もそこそこに、ヒーリングセンターのゲートへ急いだ。
大きな丸い穴から光が溢れている。
「こちらのチューブは、ヒーリングセンターへ到着します。」案内のロボットが言う。
巨大真珠が通路に入ると、少し吸い込まれるようにゲートへ近づいた。
「動力をオフにして下さい。」ロボットが言う。
すると一気に光の穴へと吸い込まれる。
真っ白な光とホワイトノイズが数秒続いた後、ふんわりと前方に景色が見えてきた。
スポッとチューブから押し出される。
「こちらはヒーリングセンターです。」案内の声が聞こえて、巨大真珠は誘導されていく。
ここのステーションは、四方に受付カウンターがたくさんある。
GackNtとニャントロも到着した。
「ちょっと訊いてみるわ。」ユニヴァは巨大真珠を降りて、近くの受付に行く。
僕らも後を追う。
受付カウンターは無人がほとんどだが、いくつかには案内のロボットがいる。
「ちょっと人を探してるんだけど・・・。」ユニヴァが言う。
案内のロボットがビックリしたように両手を挙げる。
「人食い恐竜に手を噛まれて、ここで治療してるんじゃないかと思うんだけど・・・。」
「その手の外傷ですと22番か26番のお湯が考えられます。」
「周波数はクーなんだけど・・・。」ユニヴァが言う。
ロボットは一度目を閉じた。
「26番のお湯にクー様と確認できましたが、只今この近くにはいらっしゃらないようですので、後ほどご連絡差し上げるようにいたします。」
「頼んだわ。」
「ここのお茶は、温泉水で入れているんだよ。」GackNtが後ろから声をかける。
「毛艶が良くなる。」ニャントロが猫人間らしいことを言う。
僕らはソファアのあるロビーへ行き、先ほどのお茶の続きでクーさんの連絡を待った。

スポンサーサイト



【2020/02/05 15:29】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
<<きょうも WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ に来てくれてありがとねンっ。 | ホーム | ちゅら星(154)>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://univa.blog86.fc2.com/tb.php/179-14542280
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ


れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

プロフィール

れもんちゅら

Author:れもんちゅら
こにちわ~!
Contact whiteuniva@gmail.com

teddybearSHOP:lemonchura

☆ちゅら星ヴィジュアル見に来て。

記事map

*ちゅら星*を途中から読まれるのに便利です。↓↓↓

全ての記事を表示する

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

category

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索

RSSフィード