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ちゅら星(153)
「なんか・・・緑色な感じぃ・・・。」突然、黄色いクチバシが言う。
ユニヴァは一瞬黄色いクチバシを見て、またロールケーキを口に入れた。
「何が緑色なの?」僕が訊く。
「なんかそんな感じがしたのぉ?」黄色いクチバシはそう言うと、またロールケーキに戻った。
僕もロールケーキを食べる。
「青いクチバシからの連絡なんじゃない?」ユニヴァが言う。
「まぁ、そんな感じぃ。」
僕はロールケーキの最後の一かけを口に入れて、ふと思った。
その時、ユニヴァが言った。
「緑の水晶柱ね!」
そうだ、緑の水晶柱だ。
僕はユニヴァに頷いた。
それからゆっくりとお茶を楽しんだ後、僕らは早速あの巨大フズリナの洞窟のある島へと向かった。
ここへ来る時は、ブルーの水晶柱を使った。
持っているのは、ピンクとグリーンとブルーの透明な石。
僕らが次に試すのは、グリーンの水晶柱だ。
「クーちゃんも楽しませてくれるわよね!」ユニヴァはフフと笑って、スピードアップした。
島の洞窟の奥で、壁に埋まった巨大なフズリナ達は静かに僕らを待っていてくれた。
ユニヴァはアームにグリーンの水晶柱をセットした。
「セット完了!」
ユニヴァの声に、僕はアームを照明の前へ移動する。
そして高度をマックスにすれば・・・。
フズリナが光を吸収し始めた。
次第にフズリナは緑色の光を帯びて脈動し始める。
「これ、キレイぃ。」黄色いクチバシがうるうるした瞳で言う。
そして光が一気にバーストする。
「わあぁぁぁぁぁぁ・・・。」
光は止み、辺りは元の暗い洞窟となった。
「あら?出口がないけど・・・。」ユニヴァが言う。
入って来た時の穴は、岩で閉ざされたようになっている。
照明を明るくしてみる。
「ユニヴァ、下を見て。」
「流れがある・・・。」
水の流れはさらに洞窟の奥へと続いている。
僕らは巨大真珠を着水させて、流れに乗って細い水路を進んだ。
水路は次第に幅を広げていく。
しばらくして10メーターほどの幅になると、洞窟の天井も高くなり、流れの速度もゆるくなった。
「外に出られるのかしらね?」ユニヴァがちょっと不安そうに言う。
鳥の声でも聞こえないかと耳を澄ましてみる。
「もうすぐ滝かもぉ・・・。」黄色いクチバシが言う。
しかし、流れは緩やかだし、音も聞こえない。
ゴポンッ!
「何?」ユニヴァが僕を見る。
「ねぇ。」黄色いクチバシが嬉しそうに言う。
僕とユニヴァは顔を見合わせた。
辺りは静まりかえっている。
ゴポ・・・
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
落とし穴にでも入ったように、巨大真珠はどんどん落ちていく。
そして水しぶきにグシャグシャにもまれたかと思うと、やっと静かな流れに出た。
「見てよ、明るい。」
ようやく外へ出られそうだ。
光が差して、僕らを運んでいる水流の透明度が分かる。
緑がかった透明な水だ。
「海かしら?」
洞窟の外は、広大な水が広がっている。
「太陽、緑ね・・・。」ユニヴァが見上げて言う。
エメラルドグリーンの太陽が、まるでカットされた宝石のように輝いている。
「この感じよぉ・・・緑な感じぃ・・・。」黄色いクチバシが言う。
どうやら、緑の水晶柱でドンピシャ大正解だったようだ。
ユニヴァは巨大真珠の高度を上げた。
「海じゃないわ、これ湖ね・・・。」
「いいね、ポニョだか何だかがいそうだもの。」僕が言う。
ユニヴァはさらに高度を上げる。
「ウワッ、湖だらけ・・・。」
まるで雨上がりの水たまりのように、大小の湖が無数に点在している。
「ここは水玉模様な星ねぇ。」黄色いクチバシが嬉しそうに眼下をのぞき込む。
そして、その水玉模様はどこまでも果てしなく続いているように見える。
「どこから探す?」ユニヴァが巨大真珠の速度を落として言う。
僕は黄色いクチバシを見る。
「街ね・・・楽しそうな感じぃ。」黄色いクチバシが言う。
クーさんと青いクチバシが、この水玉模様の惑星で楽しんでいるとでも言うのだろうか。
「街なんかあるの?・・・湖だらけで・・・。」ユニヴァがぶつぶつ言う。
僕らはとにかく、湖だらけを見渡して闇雲に進む。
「あれ、何かしら?」ユニヴァが言う。
ひときわ目立つ、とんがり山のようなものが見えてきた。
「山かな?」
「ピラミッドぽくない?」
そう言われてみれば、ちょっと人工的な感じにも見える。
とにかく巨大真珠で、とんがり山へ向かう。
「やっぱりピラミッドだわ。」
それは白い半透明の幾何学模様を配した、小山ほどもある巨大なピラミッドのような建造物だ。
近づくと街であることが分かる。
ピラミッドを中心にチューブのような通路が四方に張り巡らされているのが見える。
チューブの所々にあるドームが、街の機能をしている拠点かも知れない。
僕らがかなり高い上空から眺めていると、どこからかやって来た宇宙船がピラミッドの後方に近づいていくのが見えた。
そして、ピラミッドの後方でしばらく留まった後、スッと消えてしまった。
「あそこが街への入り口ね。」ユニヴァはそう言うと、巨大真珠の高度を下げながらピラミッドに向かった。
ピラミッドの後方には、図形が描かれた場所があった。
「ここか。」ユニヴァは巨大真珠を図形の場所へ移動した。
「出身地情報を読み取ります。」突然機械的な音声が言った。
光でスキャンされたようだ。
「生体を使って挨拶の言葉を発して下さい。」挨拶を要請された。
「こんにちは。」ユニヴァが言う。
「承認しました、移動します。」
そして、巨大真珠はピラミッドの中へ移動されたようで、薄グレーの広い部屋に到着していた。
前方には大きな透明のガラス扉がある。
巨大真珠を進めると、ガラス扉がスライドして開いた。
通路は左右と前方に伸びていて、左右は事務的な通路だが、前方は薄暗い照明のエントランスホールに続いているようだ。
僕らはエントランスホールへ進む。
エントランスホールに出ると、そこは広々とした筒状の形状で、丁度ピラミッドの中心部分を下から上まで貫いたような場所のようだ。
壁面は紺色の縞模様で、金色の小さな光が星のようにちりばめられてある。
シックで高級感を感じる。
縞模様の縞の部分はガラス張りで、上下するエレベーターのようなものが見える。
ユニヴァはこの街の案内図をダウンロードした。
「まずは、美味しいものでも頂きたいわよね。」
ユニヴァなら言いそうなことだ。
「最上階のがいいんじゃないぃ?」黄色いクチバシも乗り気だ。
とにかく僕は、予想外とはいえ、いい場所にたどり着いたことで少し安堵した。
しかし目的は、クーさんと青いクチバシの救助なのだ。

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【2019/11/23 16:46】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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コメント
えっ?
・・・どれを
・・・何に
【2019/11/24 15:03】 URL | lemonchura #-[ 編集]
参考にします!
【2019/11/23 16:46】 URL | GRL2 #GWMyNl/.[ 編集]
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