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ちゅら星(141)
それからずいぶん時間がたった。
それでもポータルはまだ現れない。
「そうだ!」ユニヴァは何かゴソゴソと探し始めた。
床下の物入れを探しているようだ。
「あった!皆に回して。」
ユニヴァから手渡されたのは、古びたキャンディーの袋だ。
「ちょっとくっついちゃってるかも知れないけど大丈夫よ。」
僕はピンクの粒を口に入れて、クーさんに回した。
巨大真珠に甘い香りが充満した。
それでもポータルは現れなかった。
「めぇぇぇぇ~・・・・」
いきなりユニヴァの声が響いた。
あっけにとられていると、目の前が白っぽく霞み始めた。
「めぇぇぇぇ~・・・・」ユニヴァの声は続いている。
しばらくすると視界が開けてきた。
「ど、どこだ?」クーさんが言う。
黄色い花が一面に咲き乱れている。
そして、目の前の崖からはエメラルドグリーンの海が見下ろせる。
きれいなところだ。
「ふぅう。」一仕事終えたユニヴァから、ため息が聞こえた。
「どういうこと?」僕はユニヴァに訊いた。
「もうみんな、待ちくたびれたでしょう?・・・だから適当にニワトリをイメージしてやってみたんだけど・・・。」
「ええ?」クーさんから戸惑いの声が聞こえた。
「あれは・・・、鳥じゃよ!」おじさんが叫んだ。
僕は辺りを見回した。
「ほら、雲の上じゃ。」
不思議なことに、海上に浮かぶモコモコ雲の上に鳥がとまっている。
「あっちの雲にもじゃ。」
僕は雲の上の鳥に、何か見覚えがあるような気がした。
「あの白い鳥・・・LUME星で見たのと似ている気がする・・・。」
「ええ?」ユニヴァが僕を見た。
「僕はあの鳥そっくりの白い鳥になって、マチとLUME星を旅したんだ。」
「ん?・・・座標が出ない、領域を超えているみたいだ。」パネルを見ていたクーさんが言った。
「あれを見てみるんじゃ!ブルーの太陽じゃよ。」
モコモコの雲のさらに頭上高くで、みずみずしいブルーの太陽が白く柔らかい光のフィラメントをゆらゆらと揺らしながら輝いている。
「まさか、ここ・・・」ユニヴァがつぶやいた。
でも、僕はLUME星でこんなブルーの太陽を見ただろうか?
「だいたい、いくら何でもユニヴァの『めぇぇぇ』であのLUME星に来れるか?」クーさんが言う。
「ずいぶんバカにしてくれるじゃない?」ユニヴァが不満そうに言う。
「そのLUME星じゃが、土星ではデネブと呼んどるが、どこかの星じゃ青い太陽とか言うとも聞くがのう。」
クーさんと僕が顔を見合わせた。
「ありゃあ、LUME星なんじゃなかろうかのう?」おじさんが感慨深げに言う。
僕らはしばらく青い太陽を神々しく仰いだ。
「で・・・ここはいったい何処なのかしらね?」ユニヴァが現実的な質問をした。
「る、LUME星の近くの惑星なんじゃないの?」クーさんが適当に答える。
気がつくと、海上のモコモコの雲がだいぶ崖の方に寄ってきている。
「あの雲、どんどんこっちに近づいてきてるね。」僕は雲を観察した。
見かけは雲にしか見えないが、海面近くのかなり低い位置にも浮かんでいて、妙な感じだ。
雲の上の鳥は、どの雲にも2羽づつ乗っていて、それぞれにクチバシの色が少し違っている。
鳥たちは飛び立つ様子もない。
次第に雲は崖の近くにまで流れてきて、さらには低めの雲は僕らの直ぐ脇を通ってゆく。
「土星からですか?」誰かが声をかけた。
声の方を振り返ると、雲に乗った白い鳥がこちらをじっと見ている。
「あんた、今なんか喋った?」ユニヴァが鳥に向かって言う。
「ええ、だから土星から来たんでしょう?」黄色いクチバシの白い鳥が言う。
「喋れるんだ。」クーさんが小声で言う。
「なんで土星からだと分かる?」おじさんは、ためらうことなく鳥に話しかけた。
「そこ、土星からの出口だから。」黄色いクチバシが答える。
どうやら僕らは知らず知らずに、この星につながるポータルに入ってしまっていたようだ。
「いいのに乗ってるな。」もう一羽の青いクチバシが巨大真珠を見回して言う。
「それじゃあ聞くが・・・ここは何処じゃな?」
「ええっとぉ・・・アルビレオとかアブイレオとか言うらしいよな?」傍らの相棒に黄色いクチバシが言う。
「エグゼクティブスーパーバードランドリゾートだろ?」傍らの青いクチバシがが言う。
どうやら一筋縄でいくような鳥ではなさそうだ。
「バードランドとか言うなら、ニワトリもいるの?」ユニヴァが気が利いた質問をした。
「そりゃあいるよ!」青いクチバシがニワトリを探すように、辺りに漂う雲を振り返る。
「ああ、アイツじゃん。」黄色クチバシが、向こうの雲の鳥を見る。
同じような白い鳥だ。
というよりは、どの雲にも同じ種類の白い鳥しかいない。
僕らは、この一筋縄でいかない奴らといつまでもふざけている暇など無いのだ。
「これからどうする?」ユニヴァが鳥たちを無視してつぶやく。
「『めぇぇぇ』で帰るか?」クーさんが言う。
「出口があるなら、入り口もあるんじゃなかろか?」おじさんは土星のポータルがあるのではと言う。
「あるよ!」青いクチバシが口を挟んだ。
「ここはポータルいっぱいあるからぁ。」黄色いクチバシが言う。
「もうスーパーラグジュアリーポータルリゾートだよな。」青いのが言う。
そして雲の上からドヤ顔で僕らを見下ろしている。
しばらく黙っていたが、黄色いクチバシが言った。
「じゃ、ついて来て!」
そう言うと、雲がまるで鳥たちの思い通りになるかのように進み始めた。
「何処行くのよ?」ユニヴァが慌てて訊く。
「スーパーなんちゃら土星ポータル。」青いクチバシが振り返りもせずに言う。
2羽を乗せた雲はどんどん遠ざかって行く。
ユニヴァは巨大真珠を起動した。

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【2018/05/23 16:31】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ


れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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