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ちゅら星(129)
50.火を噴いて進むロケットの時代
惑星の音楽会からしばらくたった南風のそよぐ日、僕は小さな巻貝の一つ一つに小さな穴をあける作業をしていた。
「ねぇ、こんなの見つけたんだけど・・・。」
いつの間に入ってきていたのか、ユニヴァが目の前に突っ立っている。
手に持っているのは、通常のフズリナの一回り・・・否、二回り三回りは大きいフズリナだ。
「ずいぶん大きいね・・・、どこで拾ったの?」
僕は、突然現れたユニヴァにさほど驚くこともなく、会話を続けた。
「たぶん、この前行った方じゃない方の人魚の島・・・。」ユニヴァはフズリナを見つめて言う。
「イルカにでも連れて行ってもらったの?」
「『めぇぇぇ~~』でね、フリズナのたくさんある場所をイメージしてみたのよ。」
「なるほどね。だけどユニヴァそれを言うならフリズナじゃなくてフズリナでしょ。」僕は几帳面にユニヴァの間違いを指摘してみた。
「どっちだっていいわよ。」ユニヴァは笑って、大きなフズリナを僕の作業机の端に置いた。
惑星の音楽界のための発声練習で、声の調子が断然良くなったユニヴァは『めぇぇぇ~~』での移動で散歩を楽しんでいるらしい。
「僕も『めぇぇぇ~~』の使い方覚えようかな。」
声一つでどこへでも行けるなんて羨ましいと思った。
「女性や子供の声が向いてるって女神は言ってたけどね・・・。」
僕は仕事の道具をしまって、お茶の用意を始めた。
ユニヴァは僕の作業部屋を楽しそうに眺めて回っている。
「あらっ?」ユニヴァが何かに気付いたようだ。
「これ、この前の大量採集した時のフズリナでしょ。」
「うん。」
僕は軽く答えて、お茶とマドレーヌをテーブルに置いた。
ユニヴァは慌てたように作業机に行き、さっき持ってきた大きなフズリナを手に取った。
「逆巻きよ!」叫ぶようにユニヴァが言う。
「裏返せば同じことだよ。」僕はソファアに腰を下ろして、カップにお茶を注いだ。
ユニヴァはフズリナを元の場所においてから、ソファアに座った。
「ずいぶん大きいけど、種類が違うのかな?」僕はお茶をすすった。
ユニヴァは黙ってマドレーヌを口に入れて、お茶もすすった。
「さすがピーちゃん、面白いこと言うわね。」
ユニヴァの目が輝いた。
僕はなんだかもう何かに巻き込まれている気がしてきた。
「どこに行く?・・・使ってみましょう、このデカいの!」
僕はユニヴァを見つめて、鼻でため息をついた。
ユニヴァは出かける合図とでも言うように、飲み干したカップをカチャンと皿に置いた。

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【2016/12/28 16:21】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(1) |
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コメント
拍手した君へ!
ありがとーっっv-237
【2017/02/24 20:04】 URL | Lemonchura #-[ 編集]
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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