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ちゅら星(149)
53.封印された色
ニワトリの件がとりあえず片付いたので、僕らは各々帰路についた。
僕も巨大真珠で一人レモン星へ向かっていると、モニターにユニヴァが現れた。
「これ・・・鍵よね・・・。」
ユニヴァはさっき渡された三色の水晶柱のようなものを手の中で鳴らした。
「使い方分かるの?」僕が言う。
画面のユニヴァは小さく首を横に振る。
「今日とか明日は勘弁してよ。」クーさんがユニヴァの頭の中を見透かして言う。
「でも近いうちにね!」ユニヴァはそう言うと通信を切った。
僕はレモン星の自宅へスピードアップした。
それから数日はタイタンへの誘いがいつ来るのかと落ち着かなかったのだが、ユニヴァからの連絡も無いままだいぶ時間が過ぎた。
僕は久しぶりに港近くのマーケットに向かった。
貝細工に使うワイヤーなどの買い物を済ませると、新しくできたジューススタンドへ寄ってみることにした。
マンゴージュースとバナナジュースと迷っている間に、二人の女の子が来てベリーミックスとトロピカルミックスを注文した。
女の子達の後に、結局僕はグァバジュースを注文した。
「へぇ、買い物?」
声に振り向くとユニヴァがいた。
驚いている僕をよそに、ユニヴァはスイカジュースを注文した。
「タイタンへ行くんだよね。」僕はグァバジュースを一口飲んで言った。
「今行ってきたんだけど・・・、ダメだった。」ユニヴァはスイカジュースを受け取りながら言う。
「ダメって?」
「鍵穴らしきものも見つからなかったし、使い方が分からないって事・・・。」
僕らは、港の公園の方へ移動した。
「そこらにGackNtなんかウロウロしてないかしらね~。」ユニヴァは公園を見回して言う。
「確かに鉱物の扱いには、彼詳しそうだからね。」
「調子に乗りそうだから、あんまり頼りたくないっていうのもあるけど・・・。」ユニヴァはそう言って、あの三色の水晶柱のような石を取り出した。
三つの石は午後の日差しをキラキラと反射する。
「ピーちゃんなら、いいネックレスにしてくれるんじゃない?」ユニヴァは冗談らしきこと言って、また石をしまい込んだ。
「しっぽの時は、石を並べたよね・・・。」僕が言う。
ユニヴァは考えるように宙を見る。
そして、何か思いついたように僕を見た。
「ねぇ、あのジェミニを閉じ込めた惑星・・・。」
「400だか440惑星だったっけ?」
「氷詰めのニャントロの眠りを覚ます時、水晶柱使ったわよねアイツ・・・。」
そう言えば、あの時GackNtはニャントロが眠る氷のピラミッドに水晶の先端を当てたのを思い出した。
気がつくとユニヴァはもう巨大真珠を用意している。
「行くわよ、タイタン。」
僕は慌ててユニヴァの巨大真珠に飛び乗った。
「クーさんはどうする?」
「今連絡したから、現地!」
巨大真珠はレモン星を飛び出すと、一気にタイタンへワープした。
「わぁぁっ!」
到着した直ぐ脇に、巨大なティタノサウルスだ。
「ぐわぁぁああ!」
直ぐ近くで誰かの絶叫が走った。
クーさんの巨大真珠も到着した。
それから恐竜のいない場所に移動して、クーさんも僕らの巨大真珠に乗り換えると、縮小した巨大真珠はあの洞窟に侵入した。
奥まで来たが、強烈な光は見えない。
僕らは縦穴を降りて行き、中央で停止した。
「あのフズリナにこの先端を当ててみるしかないわよね?」ユニヴァが僕を見た。
僕はクーさんを見た。
「まずは、やってみよう・・・。」
クーさんがそう言うと、ユニヴァは一番大きな渦の見えるフズリナに巨大真珠を寄せた。
それから青い水晶柱を持った手を外に突き出した。
そして、そっとフズリナに先端で触れる。
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
何も起こらない。
「あの時はニャントロを目覚めさせるために、水晶の振動を使ったのよね・・・。」
ユニヴァは目を閉じて記憶をたどっている。
「そしてニャントロの場合は、GackNtを目覚めさせるために花の滴を使った・・・これも振動・・・。」
「振動か・・・。」僕も記憶をたどる。
「音じゃないか・・・振動だろ?」クーさんが言う。
ユニヴァは指で水晶柱を弾いた。
コツと鈍い音がしただけだ。
ユニヴァは水晶柱を持った手を外に突き出すと、コツと指で弾いた後フズリナに押し当てた。
「・・・。」
やはりダメなようだ。
「音かも知れないけど、どう使えばいいのかが分からないんじゃダメよね。」
最初の頃のワクワク感が完全に失せてきている。
「じゃあ、光は。」クーさんが言う。
ユニヴァは水晶柱を巨大真珠のアームに持たせた。
それから照明をフズリナの渦の中央に当たるようにセットする。
アームをライトの正面へと移動させる。
水晶柱の向きを調整すると、ちょうど尖った先端に光が集中した。
「いいわねっ。」ユニヴァが言う。
そして照明の光度をマックスへ・・・。
すると洞窟内がスッと暗くなる。
「何だ?」クーさんの声。
「見てよ、フズリナが光を吸収しているみたい。」
青い水晶柱の先端から注がれる光が、渦の中央に吸い込まれていくように見える。
大きなフズリナ全体がうっすらと光を帯びて脈動している。
「静止した振動を再開させる・・・、あの時そんなようなことGackNtは言っていた気がする。」ユニヴァがつぶやく。
「だとしたら・・・。」クーさんが言う。
「化石が生気を取り戻すって事かな?」僕が言う。
強大なフズリナはさらに輝きを増す。
「うわぁぁぁ!」
衝撃的な強い光に包まれた。
直ぐに光は消え、気がつくと巨大フズリナも光を失い、元の化石としてそこに埋まっている。
「何があったの?」ユニヴァが言った。
僕らは辺りを見回したが、特に何も変わったところはないように感じる。
「見て、出口の穴の形・・・。」ユニヴァが言う。
僕らが入って来たときの穴は丸みがあったのだが、いびつにギザギザとして大きさも大きくなっている。
ユニヴァが僕とクーさんを交互に見た。
そして巨大真珠を上昇させて、出口へと向かった。
縦穴を抜けると、洞窟内は明らかに入って来たタイタンのものとは別のものになっていた。
「やっぱり、あの光でワープしたんだな。」クーさんが言う。
「うん。」ユニヴァが力強く答える。
くねくねした狭い通路が続く。
「あれ、ここ?」僕が思いついて言う。
このくねくねとした通路は、このまえ白い鳥のところへ行った、あの島の洞窟に似ている。
出口の光が見えてきた。
間違いないようだ、鳥の声と・・・そして波の音も微かに聞こえている。
巨大真珠は洞窟を抜け出した。
「おおっ、あのブルーの太陽だ。」クーさんが言う。
どうやら僕らは水晶柱を上手く使って、白い鳥の星へ移動できたのだ。
「よしっ!大成功ね。」ユニヴァが嬉しそうに僕を見た。
しばらくすると陸地の海岸線が見えてきた。
海岸線に雲らしきものは見えない。
「今日は一つも雲見えないねぇ。」僕が言う。
「あっ、そうだよ!」突然クーさんが叫ぶ。
クーさんを見ると妙にニヤニヤしている。
「何よ?」不審そうにユニヴァが訊く。
「森・・・。」ニヤついた顔でクーさんが言う。
「ふぅん・・・いいわねっ。」ユニヴァの目に光が走る。
ユニヴァは最初に白い鳥に案内されたときのコースをたどって、巨大真珠を進める。
草原のゆるい坂に沿って進む。
「ああ、あの木だね。」クーさんが言う。
「キラキラしてないってことは、彼ら在宅中てことかしら・・・。」ユニヴァはそう言って、木の手前で巨大真珠を停止させた。
「おや!君たち。」雲の中から声がした。
そして雲の中から、黄色いクチバシと青いクチバシが同時に顔を出した。
「島のポータル、上手く使えるようになったんだ。」僕が言った。
「ちょっとした鍵が必要なんだけどね・・・。」ユニヴァが付け加える。
それから僕らは木の中に招かれて、お茶をごちそうになった。
「それじゃあ、これからはちょくちょく来れるね。」黄色いクチバシが言う。
「そうねっ。」ユニヴァはあっさりと答えた。
「この後、我々は集会があるんだけど・・・君たちどうする?」青いクチバシが言う。
「ここでゆっくりしていてかまわないけど。」黄色いクチバシが言う。
「あの森に探検に行こうと思ってるんだよね・・・。」クーさんが言う。
「あの森?」青いクチバシがつぶやく。
「あのビビットカラーの池がある森のことだよ。」僕が言う。
「ああ、帰りのポータルに使った・・・。」青いクチバシが言う。
「一緒に行ってあげたいけど・・・明日まで待てる?」黄色いクチバシが言う。
「大丈夫、ルートは分かってるから!」ユニヴァは言って、お茶を飲み干した。
青いクチバシと黄色いクチバシは、直ぐそばにある最初に入るポータルまで送ってくれた。
「今度来たときには、いろいろ案内するから。」青いクチバシが言う。
「それじゃね!」ユニヴァのさりげない挨拶とともに、巨大真珠は地面に黒く渦巻くポータルに飛び込んだ。

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【2019/06/03 14:43】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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