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ちゅら星(148)
島の洞窟に戻ってきた僕らは、再び光の中へ突入した。
制御できない巨大真珠はゆらゆらと揺れている。
チュピッ・・・
赤い鳥が現れた。
すぐさまユニヴァは『めえぇぇぇぇぇ』を開始した。
光が弱まると、赤い鳥は洞窟を出て行った。
「早く小さい恐竜出て来~い!」クーさんが言う。
ユニヴァの声が止んで、巨大真珠はまた浮遊する。
それからしばらく鳥の姿は現れなかった。
「何でもいいから出て来~い!」クーさんがまた言う。
「そうだ!」ユニヴァは突然言うと、キャンディーを一つ口に放り込んだ。
「小さい恐竜っぽいのをイメージしながら・・・めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」ユニヴァの声がまた響き始めた。
光が徐々に弱まっていく。
ケッケッ・・・
「ユニヴァ、やったぞ!」クーさんが叫んだ。
羽毛の生えた小さなラプトルが現れた。
「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」ユニヴァの声が冴える。
僕は小さなラプトルを追いかけるように、巨大真珠を発進した。
小さなラプトルを道案内に、僕はくねくねした洞窟を進んで行く。
「おっ、もう外だ。」クーさんが言う。
通路は少し広くなり、前方に光が見えた。
そして、小さなラプトルは洞窟を抜け出していく。
「やっぱりここだわね。」ユニヴァが言った。
そして、そこには旧型の巨大真珠の姿があった。
「無事で良かった。」小さな動物が言った。
「今、そこから何か出てきおったぞ。」おじさんが言う。
さっきのラプトルは少し先の岩場で毛繕いをしている。
「アレが探していたニワトリよ!・・・たぶんね。」ユニヴァが言う。
「ニワトリ?」おじさんが岩場のラプトルを見る。
すると旧型巨大真珠が縮小化した。
「ちょっとそのおかしなポータルを見てくる。」小さな動物はそう言うと、洞窟へ入って行く。
「行ってみる?」ユニヴァが僕とクーさんに言う。
僕らは旧型巨大真珠の後を追った。
小さな動物たちは光の手前で停止していた。
「先に入って『めえぇぇぇぇぇ』で安定させるわ。」ユニヴァはそう言って巨大真珠を進めた。
再び光の中に突入する。
ユニヴァの声とともに光は弱まり、磁場は安定した。
上からゆっくりと旧型がこちらに降りてきた。
「おや?」小さな動物が下の方を見て言う。
なにやらガラクタのようなものがたまっているのが見える。
ユニヴァの『めえぇぇぇぇぇ』は続いている。
「アレを採取できる?」小さな動物が言う。
巨大真珠に搭載されている小さなシャベルで半分くらいならいけそうだ。
僕は慎重にシャベルを操作した。
何だか分からないがとりあえずすくったので、そのまま巨大真珠を上昇させた。
「ユニヴァも疲れてる、外へ急ごう。」小さな動物が言った。
光の部屋を抜けるとユニヴァの声が止んだ。
「はぁあっ!」ユニヴァが大きく息を吐く。
「なんかコレ回転しているよ。」僕はシャベルに乗ったものを見て言う。
「磁場を作るときのヤツだな。」小さな動物が言う。
「その赤いのは靴かのう?」おじさんが言う。
「うん、どう見ても長靴だね。」クーさんが言う。
「あ、ボールペンみたいなのもある。」
「体温計じゃないか?」
「動物が巣作りのために持ち込んだのかも・・・。」小さな動物が言う。
ユニヴァが落ち着くのを待ってから、残りのガラクタ採集に向かった。
これでほぼ全部をすくい取ることができた。
僕はシャベルのものを落とさないように慎重に進んだ。
縦穴を出て、ユニヴァの『めえぇぇぇぇぇ』が止んだ。
「あれっ?」
ユニヴァの『めえぇぇぇぇぇ』が止んでも、洞窟の下からあの強烈な光が照りつけていない。
僕は巨大真珠を少し戻して、縦穴を覗いてみた。
巨大真珠の照明を強くしてみる。
何でも無い薄暗い洞窟がぽっかりと空いていて、底には取り残したいくつかのガラクタのかけらが見える。
「シャベルの中、もう一つ装置があるよ。」小さな動物が言う。
回転はしていないが、さっきの装置と似たようなものがある。
「それに磁気が強そうな石もあるね。」僕が言う。
「その三角の、GackNtが作る増幅ピラミッドぽくなぁい?」ユニヴァが言う。
「これだけであんなにポータルがおかしくなるかどうかは分からないけど・・・コレが干渉していたことは確かだね。」小さな動物が考えながら言う。
「まだ、中になんかあるんじゃない。」クーさんが言う。
「埋まってるのかも知れんぞ、土の中にじゃ。」おじさんが言う。
「かもね。」小さな動物が言う。
「そうね・・・。」ユニヴァの目がキラリとした。
そして、ただの空洞になった縦穴にもう一度降りてみる。
「妙な地層だな。」クーさんが言う。
壁面の層は渦を巻いている。
「渦ってところが怪しいね。」小さな動物が言う。
「ポータルを連想させるわね。」ユニヴァが言う。
僕は照明をさらに強くしてみた。
「ちょっとコレ・・・。」僕は一瞬息を呑んだ。
その渦巻き状の地層は、地層なんかじゃなく巨大なフズリナではないか。
「スゴいな・・・。」ため息のように誰かが言った。
しばらく静寂の中、巨大なフズリナに圧倒される。
「これがさっきのガラクタでパワーを増幅されてたんじゃな。」おじさんが言う。
「そうだね・・・。」小さな動物がつぶやく。
「ねえ、そっちの壁・・・」ユニヴァが言う。
よく見ると、キレイに渦巻きを見せているのはコレ一つなのだが、かなり大きいフズリナがあちこちに埋まっているのが見える。
「小さいのも数えたら相当な数だな。」小さな動物が言う。
ユニヴァが壁に近寄って観察する。
渦巻きを見せていないものは、丸みがあるのでフズリナと分かるが、ごつごつとした肌で一見岩にしか見えない。
「このごつごつ感・・・いつものフズリナと違う種類なのかな?」クーさんが言う。
「これは化石じゃのう。」おじさんが言う。
「え?」ユニヴァの声がした。
そうだ、僕はあの過去の世界に行ける大きなフズリナも少しざらざらしていたことに今気がついた。
「ポータルにもならないただの洞窟じゃあつまらないなぁ。」クーさんがポツリと言う。
それから、僕らは巨大なフズリナの化石を後に洞窟を出た。
そして、とにかく土星に戻り一息つくことにした。
土星ブラックとホワイトチーズケーキで、僕らは午後のティータイムをくつろいだ。
「速報です!突然大量のニワトリがあふれ出しました。」広場の大スクリーンで、突然ニュースキャスターが緊迫した様子で告げた。
「開発地域に開いたシンクホールから、大量のニワトリが・・・」
僕らは顔を見合わせた。
「間違いなく、アタシ達の仕業ね・・・。」そう言って、ユニヴァは土星ブラックをすすった。
「後でキャニオンドームのマスターのところに行ってみよう。」僕が言う。
「OK!」そう言うとユニヴァはホワイトチーズケーキに手を付けた。
翌日のキャニオンドームに、僕とクーさんとユニヴァは各々の巨大真珠で集合した。
そしてユニヴァの巨大真珠に乗り換えるとすぐにマスターの元へ出発した。
途中、僕らに気がついたオオワシがやって来た。
「ニワトリが帰ってきたってよ。」オオワシが言う。
カラフルな岩のエリアを横目に見て、聳え立つ岩山を超える。
いつものコースだ。
ビュートが見える平原に出た。
すぐに見えてきたのが、ポータルのある岩場だ。
するともう一羽オオワシがどこからともなく現れた。
この淡い色合いは、あの少年に違いない。
マスターの住む岩場が見えた。
「こっちです。」少年のオオワシが言う。
僕らは岩場を超えて、少年の案内する方へと着いていく。
黒っぽい岩場が見えてきた。
少年は谷間へと降りて行く。
谷間には緑が茂り、小さなオアシスのようだ。
「川がある。」僕が言う。
「ほら、あの先には滝だ。」巨大真珠の隣でオオワシが言う。
少年のオオワシはどんどん谷へと下降していく。
そして、河原の岩に白いオオワシを発見した。
その傍らにもう一羽白い鳥が見える。
「お手柄お手柄、さすがポータルマスター。」白いオオワシの姿をしたマスターが僕らを迎えて言う。
「ポータルマスター?」ユニヴァが言う。
「LUME星のマチはそう言っていましたよ。」マスターが言う。
「じゃあアタシ達、マスター同士ね!」ユニヴァがちゃっかり言う。
「ええ、この度は助かりました、お礼を言います。」マスターがふわっと羽を動かす。
「アナタがポータルマスターのユニヴァ、助けてくれてありがとう。そして皆さんにも。」マスターの傍らの白い鳥が言う。
「まさか・・・ニワトリ?」ユニヴァが白い鳥を指さして言う。
「ポータルに捕らわれていた間抜けなニワトリ・・・。」白い鳥が羽をバサバサさせて言う。
「あんまりニワトリっぽくないわね。」ユニヴァが言う。
白い鳥はニワトリと言うよりは鳳凰のような大ぶりの派手な出で立ちで、確かに顔周りにはトサカだ何だがあるのだが、とにかく全身真っ白なのだ。
「あのポータルは、これから自由に使っていいんですよ。」マスターが言う。
「残念!」クーさんが言う。
「もうポータルでも何でも無いただの洞窟になっちゃったのよ。」ユニヴァが言う。
すると少年が何か差し出した。
先のとがった水晶柱のようなものだ。
色違いで三つある。
どれも透明で、ピンクとグリーンとブルー。
「キレイね。」ユニヴァが言う。
「ポータルマスターなら、使い方はお分かりになるでしょう。」マスターが言う。
ユニヴァはマスターを見て首を大きく横に振った。
「大丈夫、分かります。」マスターはただそう言った。
それから、マスターとニワトリは用があるからと飛び立って行ってしまった。
「お菓子を用意してあるってよ。」オオワシが言う。
「帰って、お茶にしましょう。」少年のオオワシが僕らを促す。
僕らはマスターの岩場の家に行き、少年の入れたお茶とマスターが焼いたパウンドケーキをごちそうになった。
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【2019/04/27 16:16】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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