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ちゅら星(147)
洞窟の下から照りつける光が急に弱まった。
下には比較的広々とした空間が広がっているのが分かる。
ユニヴァの「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」は続いている。
そして、僕は巨大真珠を空間中央付近で静止させた。
ユニヴァの声も止んだ。
声が止むと同時に洞窟の壁面がまた光を放ち始めた。
そして巨大真珠はゆらゆらと揺れながら広い空間を浮遊し始めた。
巨大真珠が大きく揺れて、制御できない。
「鳥だ!」クーさんが言った。
「あれ?・・・何だ?」瞬間白い大きな鳥から緑色の小型の鳥に変わった。
「何だコレは?」僕は呆然として、次から次へと姿を変える鳥を眺めた。
キーッキキ・・・ギャーギャー・・・ピヨッ・・・クククッ・・・。
コーケコッコー!
「いたぞ!」クーさんが叫んだ。
コーケコッコー・・・ピピピッ・・・キューピーッ・・・チュチュッ・・・。
「ん?・・・消えたぞ。」クーさんが言う。
巨大真珠は光の中を浮遊し続けている。
「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」
ユニヴァの声とともに巨大真珠の動きが止まり、光が弱まった。
「行けそうね。」ユニヴァの目が光った。
僕は頷いた。
やはり、ユニヴァの声で洞窟内の次元が安定するようだ。
「次に鳥が現れたら、だな!」クーさんが言う。
僕らは浮遊状態で鳥の出現を待った。
ユニヴァはキャンディーを口に入れた。
しばらく立ったが、思うように鳥が現れてくれない。
「・・・って事は・・・、ここはちゅら星のキャニオンドームにつながるポータルって事か?」クーさんがぼそりと言う。
「ふん、・・・かもよね。」ユニヴァが言う。
「ここはそれほど眩しくないよね、僕らは光源の中に入っちゃってるのかなぁ?」僕が言う。
「ふん、・・・かもよね。」ユニヴァがさっきと同じ回答をした。
確かに僕らを包む何かの外では、眩しい光が洞窟を埋め尽くしているのが分かる。
「来ないわね、せっかくスタンバイして待ってるのに。」ユニヴァはもう一つキャンディーを口に入れた。
巨大真珠は浮遊し続けている。
そして周波数はめちゃくちゃに変化し続けている。
キャキャッ!
「来たぞ!」
「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」
キャッキャ・・・キャッキャッ!
光沢のあるグレーの羽をした20センチほどの鳥だ。
「よし!ホールドできたな。」クーさんが言う。
「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」
光は消え、周波数が安定した。
グレーの鳥は羽ばたいて上昇していく、洞窟の外へと向かったようだ。
「救出成功って事だよね。」僕が言う。
「でもニワトリは?」クーさんが言う。
「めえぇぇ・・・。」
ユニヴァの声がやんだ。
するとまた壁が輝き始め、巨大真珠は揺れ始めた。
「一羽は救出成功ね!」ユニヴァが言う。
「・・・なんか気が遠くなってきたな。」クーさんため息をついた。
クゥォオオ・・・。
「よし!まただ。」クーさんが言う。
「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」
今度は真っ白な鳥だ。
「あれ?この鳥・・・。」僕が言う。
この白い鳥は、雲に乗っていたあの鳥たちにそっくりな気がする。
周波数が安定して洞窟内が暗くなると、白い鳥は微かに光が漏れる洞窟の外へ向かって羽ばたいていく。
「あの白い鳥たちの仲間かな?」クーさんが白い鳥を見送りながら言う。
僕は、急にそれを確かめたい衝動に駆られた。
ユニヴァは「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」を続けている。
僕は巨大真珠を起動した。
そして、白い鳥の後を追って洞窟の外へと向かう。
ユニヴァは僕を横目で見ながら「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」を続けた。
洞窟の縦穴を抜けたところで、ユニヴァの「めえぇぇぇぇぇ~~~~~~・・・」が止んだ。
「ピーちゃんやるわね、面白そうじゃない。」ユニヴァが言った。
数十メートルのくねくねとした狭い通路の先に突然光が見えた。
「外だ!」クーさんが言う。
「波の音が聞こえる。」ユニヴァが言った。
洞窟を出ると、辺りは草木が茂るジャングルのような場所だった。
まずは、上昇して見ることにした。
どうやらここは海に浮かぶ小さな島のようだ。
島は小山のように比較的標高があり、その頂上付近の洞窟から出てきたことになる。
「やっぱりだ、ほらアレ!」クーさんが空を見上げる。
あの、みずみずしいブルーの太陽だ。
僕は陸地を探して巨大真珠を移動する。
「あの白いの雲じゃない?」ユニヴァが言う。
確かに一般的な雲にしてはかなり低い位置に白い塊が見える。
僕は白い塊に向けてスピードアップする。
確かに白い鳥を乗せた雲が無数に集まっている。
僕は白い雲から少し距離を取って、巨大真珠を停止した。
「なんか喋ってるわね。」
ものすごい鳥のさえずりのラッシュだ。
「さっきのアイツが洞窟から帰還したからじゃないの?」クーさんが言う。
「なるほど・・・。」ユニヴァが頷く。
一つの雲が、塊から離れた。
巨大真珠に近づいてくるようだ。
「こっちに向けってくる雲、黄色いクチバシと青いクチバシ・・・よね?」
確かにあの時の2羽のようだ。
「やあ、久しぶり。」黄色いクチバシが言う。
「ちょっと今、大騒ぎの最中なんだ。」青いクチバシが言う。
「ずっと行方不明だった雄鳥が帰ってきたんだよ。」黄色いクチバシが言う。
「雄鳥って、ニワトリのこと?」ユニヴァが訊く。
「そうだよ。」青いクチバシが言う。
ユニヴァが僕をチラリと見た。
それから、僕らがここに来たいきさつを彼らに説明した。
「おかしなポータル・・・。」黄色いクチバシが言って、青いクチバシを見た。
「ふぅん・・・。」青いクチバシは短く言って、視線をそらした。
何か考えているようだ。
僕らは青いクチバシが何か言うのを黙って待つ。
「いろんな鳥が次々出てくるのよね。」ユニヴァが静寂を遮るように言う。
青いクチバシがチラッとユニヴァを見た。
「周波数を変えてチャンネルを合わせると、あの洞窟から解放できることは分かったんだけど・・・全部の鳥を解放できるかしらね・・・キャンディーも足りなくなりそうだし・・・。」
ユニヴァが珍しく弱音を吐いた。
「ちょっと待ってて!」青いクチバシが言った。
そして2羽を乗せた雲は、また向こうの雲の塊へと戻っていく。
しばらくすると、また塊から離れてこちらに来る雲が見えた。
「雲が二つね。」ユニヴァがつぶやく。
「白いクチバシと黒いクチバシのも来るぞ。」クーさんが言う。
近くまで来ると、青いクチバシが白いクチバシと黒いクチバシを僕らに紹介した。
「コレがニワトリ。」青いクチバシが言う。
白いクチバシの方がさっき洞窟から出た鳥だから、雄鳥のはずだ。
「ご先祖がね・・・問題なんだよ。」雄鳥が言う。
「ご先祖?」僕ら3人が同時に言う。
「ああ、まあ恐竜だよね・・・。」
「恐竜?」また僕らが声をそろえる。
「そうそう!さっきは助けてくれて感謝だ。」雄鳥は思い出したように付け加えた。
「君ら、ポータルに捕らわれた鳥たちを解放できるんだったらさ、最初のニワトリさえ解放すれば全て解放されると思うけど?」青いクチバシがもったいぶった目をして言う。
「最初のニワトリ?」また声を合わせてしまった。
「仲いいのね。」黄色いクチバシがさりげなくつぶやく。
「そう、恐竜よ・・・ちっちゃなね。」黒いクチバシの雌鳥が言う。
「ちっちゃな恐竜・・・。」僕が小さくつぶやいた。
「よし、分かったわ!」僕の横でユニヴァは言うと、直ぐに巨大真珠を起動した。
鳥たちは僕らに頷いた。
巨大真珠は高度を少しあげる。
「おーい!」その時、また青い鳥の声がした。
「あの島のポータル、上手く調整したら使えるかもな!」
「調整したら、また来るわ!」ユニヴァはそう言い捨てると、一気にさっきの島へ向かって速度を上げた。

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【2019/03/23 15:12】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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