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ちゅら星(134)
「飲み物は?」ユニヴァが小声で言う。
僕は指でOKのサインを作って答えた。
「今、マチを呼び出してるの。」ユニヴァがまた言う。
「マチ?・・・LUME星の?」
ユニヴァは小さく頷いた。
小さな鈴の音が、周りの水晶に反響しているように感じる。
音のシールドで包まれてしまっている感じだ。
中央でマスターが小声でぶつぶつ言っているのが微かに聞こえる。
「まだかな?」ユニヴァが小さくつぶやく。
するとその時マスターがこちらに体を向けた。
「ああ、この様にして皆に会えるとは!」
いつものマスターとは違う声のトーンに、僕らはポカンとしてマスターを見つめた。
「ピーちゃん、私はマチ・・・覚えている?」
「・・・LUME星の?」突然の事に、僕はとりあえずその一言を言った。
「懐かしい、楽しかったあのひととき・・・。」
マスターはまるで別人のようにというか、マチの用に振る舞っている。
「・・・鳥になって滝へ行ったり・・・。」僕はLUME星でのことを思い出して言った。
「アタシ、ピーちゃんからフズリナっていうか・・・あの渦巻き貝を受け取ったわ。」ユニヴァが言った。
「あぁ、あれには頻繁にサインを送っているわ。」
「サインを?」ユニヴァが僕を見た。
僕はすっかりマチっぽいマスターを見た。
「気がつかないでしょうけれど・・・いずれ分かる時も来ます。」
「じゃあ、大事にしておくわ。」ユニヴァは言った。
「この白いオオワシは私の重要なパートナー、LUME星へのポータルを開く時には彼女の助けが必要です。」
「それはいつなの?・・・もうすぐ?」ユニヴァが訊く。
「さぁ、私に時を計ることはできないけれど・・・。」
「あの、かき氷のあの人は元気ですか?」僕は何かマチに質問をしたくて言ってみた。
「少し待って・・・・。」マチはそう言った。
「うわぁ、元気ぃ?」突然マスターがおネェぽく言う。
「・・・あっ、ああ、かき氷屋さん?」マスターの変化にちょっと慌てた。
「ウソウソ~っ、アイスキャンディー屋もいるじゃない!」マスターがおネェぽくはしゃいで言う。
「・・・っえ?・・・俺のこと?」クーさんが僕とユニヴァを交互に見る。
「うん、クーさんの生みの親とも言えるLUME星人なんだよ。」と僕は言った。
「さて、・・・」また声のトーンが変わった、どうやらマチに戻ったようだ。
「そろそろ私は白いオオワシと話がしたい、ではちゅら星の皆とはまた!」
マチなマスターはそう言うと、僕らに背を向けた。
「では、我々は母屋の方へ先に戻っていましょう。」オオワシの少年が立ち上がって言った。
僕らは静かにストーンサークルの場を後にした。
そしてまた何度かトンネルを抜けて、僕らは少年の後に従って岩場を進んだ。
「さっきマチの後、少しだけ変なのに変わったよね・・・。」クーさんが僕の脇に来てボソッと言う。
「ああ、かき氷屋さんね。」
「なんかこの僕と関係あるみたいに言っていたけど・・・。」
「上手く説明できないけど、生みの親みたいなもんだって・・・。」僕はそう答えた。
「・・・。」クーさんは何か言いたげに考えている。
「そう言えば、なんかオカマっぽいの出てきたわよね。」ユニヴァが言った。
「・・・。」クーさんが恨めしそうな目で僕を見た。
「LUME星人って性別あるのかさえ僕知らないから・・・。」僕はそう言って、クーさんの気持ちも分からないでもない気がした。
「つーか、クーちゃんのことアイスキャンディ屋って言ってたわね。」ユニヴァがまた言う。
「何なんだ、アイツ?」クーさんがむくれていう。
「だから、生みの親だってば。」
しばらくすると見慣れた洞窟の入り口が見えた。
そして僕らはマスターのリビングに通されて、適当な場所に座った。
「そう言えば、オオワシは?」
「リーダーはマスターを手伝ってから後で来ます。」
「ふぅん、リーダーなの。」ユニヴァが言った。
「僕らは通常は単独で動きますが、チームで行動する時にはリーダーが必要です。」
少年はニコニコしているが、僕らを前に居心地悪そうにしているのがわかる。
「それで、タイムトラベルはどうだった?」僕がユニヴァに訊いた。
「フズリナのサイズによって行く先の時代が変わるみたいなの、この前よりも少し古い時代だったわ。」
そう言うとユニヴァは思いついたように小さめに巨大真珠を出した。
そして腕を突っ込んで、中から荷物を取り出した。
「昔の世界のお土産!これでパーティーしようと思って・・・・。」
「さすがに昔のゴディ星は収穫物も豊富だったよ。」クーさんが言う。
パンとチーズと卵みたいなものもあるし、葉に包まれた穀物のケーキのようなもの、お菓子みたいなものもある。
「そうだ、ピーちゃん!飲み物は?」ユニヴァがテーブルにお土産を並べて言う。
そこで僕も例の『清水のシャンパン』をうやうやしく取り出した。
「おうっ!なんかすごいな。」クーさんが四角い箱を僕から受け取る。
「女神に奉納されたものを、分けてもらってきた。」僕は自慢げに言った。
「奉納?」クーさんが箱を眺めて言う。
「ピクニックドームの妖精達から奉納されたって。」
「さすが、ありがたいわね女神は。」ユニヴァが合掌のポーズで言った。
それから少年の勧めで、僕らは外のテラスになっている岩場にパーティーの用意をした。
ユニヴァのお土産を切り分けてみると、パンのようなものの中には沢山の野菜や肉が詰まっていた。
チーズかと思ったものはどうやら卵を焼いたもので、卵かと思ったものがチーズらしい。
葉に包まれたフルーツケーキはケーキではなくて、具材と炊き込んだ米だ。
お菓子みたいなものはいろいろあるけれど、食べてみないと分からないものばかりだ。
「まだかな?」ユニヴァが言う。
「あっ!」少年が遠くを見て言った。
二羽のオオワシがこちらに急接近して来る。
そして間もなく、僕らの目の前にマスターとリーダーが降り立った。
「すっげぇ料理だな。」オオワシが言う。
「こんな賑やかなのは何千年ぶりかしら。」そう言ってマスターは、いつもと違う感じの白と金の着ているドレスを見回した。
それからマスターは急ぎ足で奥の部屋へと入っていった。
「急ぎ足のマスターを見るのも何千年ぶりだな。」オオワシがマスターを横目で見送りながら言った。

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【2017/08/02 13:53】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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