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ちゅら星(131)
見慣れた洞窟風の室内、ここは今まで通りの『✞女神の占い洞窟』だ。
「どういうこと?」いつも通りの女神が僕らを見て言う。
「それはこっちの台詞よ。」ユニヴァは言って、手前の椅子に腰掛けた。
「だって、いつもとはだいぶ違う周波数の扉が開いたけど・・・」女神がいぶかしげに僕を見た。
「今、何て・・・?」ユニヴァが言う。
僕も聞き逃さなかった。
「違う周波数の扉ってことは、もしかして・・・ここはいつもの女神の部屋ってこと?」僕が訊く。
女神はいぶかしげな顔のまま、うなずいた。
「ふぅ~っっ。」ユニヴァから安堵のため息が聞こえた。
「タイムトラベルでもしたのかしら?」女神が冗談めかして言う。
「その通り!」
「どうやって?」驚いたように女神が言う。
「ユニヴァが変なフズリナを見つけてね・・・。」
「試してみたら、火を噴いて進むロケットの時代に来ちゃったのよ。」ユニヴァが照れ笑いをして言う。
「へぇ・・・でもそれは大発見ね。」女神は水晶玉にベールをかけてから、こちらのテーブルに来た。
「でも簡単に戻ることができて助かったわ。」
ユニヴァの言葉に、女神が困ったように僕を見た。
「まさか、あなた達ここから未来へ移動できると思っているの?」
ユニヴァがキョトンと丸い目をする。
「ダメなの?」ユニヴァと僕が同時に言った。
「無理よ、この部屋と私は多次元体だけれど・・・あなた達は周波数を固定している存在だもの・・・その扉を通れば元の世界に戻るだけよ。」
沈黙の時間が流れる。
「その珍しいフズリナで戻ることは・・・」女神が言い切る前に、ユニヴァが首を横にふった。
そんなユニヴァを見て僕は思い付いた。
「メェエエエ~!は使えないかな・・・。」
静かに女神が首をふる。
「あれではそんなに大きな時間移動はできないのよ。」
また沈黙の時間が過ぎる。
「とにかくなにか手段がないか考えてみましょう、しばらくはこの奥の部屋を自由に使ってかまわないから。」
そう言うと、女神は水晶玉の前に戻って行った。
僕らは奥の部屋のソファアに力なく体を投げ出した。
5分もしないうちに、ユニヴァが突然起き上がって言う。
「キャニオンドームよ!」
それだけ言うと、立ち上がって外に向かった。
当然、僕もユニヴァを追う。
女神の洞窟を出ると、ユニヴァはすでに巨大真珠に乗り込んでいた。
「ユニヴァ、キャニオンドームに何があるって言うの?」
「そりゃあポータルに決まってるじゃない。」
そして到着したキャニオンドームは、相変わらずの赤茶けた岩山が連なる雄大な風景だ。
「オオワシでもいてくれるといいんだけど・・・。」僕がつぶやく。
「オオワシが言ってたでしょ、彼ら達にしか知られていないポータルがたくさんあるんだって。」ユニヴァが言う。
ユニヴァはキャニオンドームを奥へ奥へと移動していく。
「見てよ、あれ!」
ユニヴァが言ったので見ると、カラフルな岩岩が見えてきた。
ここはこの前に来た、裏ちゅら星へ抜けるポータルがある場所だ。
ユニヴァはさらに奥へと進んで行く。
僕らにははじめてのエリアだ。
聳え立つ大きな岩山を越えると開けた場所に出た。
平地には小さな川がミミズのようにくねっていて、所々に植物も見える。
そして、さらに向こうには荒々しいビュートがいくつもそびえている。
「カッコいい岩山ね。」ユニヴァが言う。
「ビュートって言うんだ。」僕が言った。
ユニヴァ一は一つのビュートの麓に巨大真珠を着地させた。
「ユニヴァ、手がかりはあるの?」僕が言う。
「探すだけ。」
僕はため息をついた。
やみくもに歩き回るユニヴァに僕はついていくだけだ。
「ピーちゃん、洞窟があるわ!」
僕らは慎重に奥に進む。
「キィィーイっっ!!」頭上のものすごい鳴き声にドキッとする。
ビュートの真上を白いオオワシが旋回している。
僕らは洞窟から離れ、見通しのよい場所に出て白いオオワシの様子を見守った。
白いオオワシはしばらく大きく旋回すると、ゆっくりと僕らの方に降りてきた。
そして大きく翼を広げ、僕らの目前に迫ってきたので、僕らは瞬時にその場に身を伏せた。
バフッという羽音と風を感じたあと、僕らは顔をあげてみた。
長い白髪を三つ編みし、白地に赤い幾何学模様の入った服装の女性がそこにいた。
髪には白いオオワシの羽かざりが差してある。
「こんなキャニオンの果てに・・・旅のものか?」吸い込まれそうな瞳で語りかける。
「ポータルを探しているの。」ユニヴァが言う。
白いオオワシであろう彼女は、黙ってユニヴァを見つめる。
「それもただのポータルじゃなくて、時間を越えられるヤツよ!」ユニヴァが言う。
白いオオワシであろう彼女は、ただ黙ってユニヴァを見つめる。
僕とユニヴァは気まずい気持ちになって顔を見合わせた。
その時、白いオオワシであろう彼女が言った。
「ついて来い。」
僕とユニヴァは大きく息を吸い込んで、黙って彼女の後に従った。
赤い大地を行くと、低木の林が見えてきた。
ゴソガサと木々をかきわけて林の中に入ると、獣道のような細い道筋があった。
僕らはその秘密の小道を進んで行く。
くねくねと迷路のような小道を行くと、突然岩だらけの場所に出た。
白いオオワシであろう彼女は岩と岩の間を縫うように進んで行く。
僕らは彼女を見失わないように必死だ。
人一人が通れるほどの岩と岩の隙間の前に来ると、彼女はこちらを振りかえって僕らを一度確認した。
そしてその岩の隙間へと入って行った。
岩の内部は直ぐには暗く感じたが、奥には天井から日が入る場所があり、明るく壁面のマーブル模様を照らし出していた。
天井の明かりとりからは、時々砂時計の砂のようにサラサラと光輝く地上の砂が降り注いだ。
その先に続く薄暗い通路をしばらく進むと、また先にも日の入る場合が見えてきた。
そして、その日溜まりに着くと白いオオワシであろう彼女は立ち止まってこちらを振り向いた。
「ここで待っていろ。」
彼女がそう言うと突然強風が煽り、気がつくと上空へと白いオオワシが飛び立って行った。
そして、さらに奥の方には小さな洞穴がポッカリと口を開けているのが見えている。
「あれがポータルなのかしら?」ユニヴァが歩み出た。
僕はユニヴァを引っ張って、おとなしく待つように勧めた。
美しい日差しの光景を眺めていると、頭上で木々を分ける音がして白いオオワシが戻ってきた。
クチバシにくわえていた植物を地面に落とすと、三つ編みの女性へと姿を変えた。
「時間を超えたいと言っていたが、上昇方向で間違いないか?」白いオオワシであろう彼女が言う。
「・・・ええ、未来方向よ!」ユニヴァが言う。
「では、この白い実を食べろ。」
僕とユニヴァは顔を見合わせた。
少し不安を感じたが、ここまで来て断るわけにもいかない気がした。
僕はユニヴァにうなずくと、枝から一粒の白い木の実を採った。
それを見たユニヴァも枝に手を伸ばした。
白いオオワシであろう彼女を見ると、吸い込まれそうな瞳で静かにうなずいて見せた。
そして僕らは、一か八かの気持ちで白い木の実を口に放り込んだ。
「ではよく訊け、この先の洞穴の奥にポータルがある、この洞穴に果ては無い、そなた達はただどこまでもこの洞穴の奥へと進み続ければいい、望む出口は必ずある。」
そう言うと、また強風が煽った。
気がつくと彼女の姿はなく、上空の空に白い翼が飛び立っていくのが見えた。
ユニヴァが僕を見た。
「行くしかないよ。」僕は言った。
僕らは洞穴の入り口に向かった。
洞穴は少し頭を下げなければならないほどの高さで、ちょうど独りで進んでいける程度の大きさだ。
まず僕が先を行った。
中は真っ暗だ、手探りでゆっくり進む。
「怖い。」僕が言う。
「止める?」ユニヴァが言う。
「でも、この機会を逃したら帰れなくなるかも・・・。」
「女神がなんとかしてくれるわよ。」ユニヴァがのんきなことを言う。
結局僕らは数メーター進んだところで後ずさりして洞穴を出た。
「さっき食べた木の実、何の意味があるの?」ユニヴァが言う。
僕はしばらく考えてみた。
「でもなんか意味ありそうだよね・・・。」
しばらくボーッとして過ごした。
「なんか暑くない?」ユニヴァが言う。
「日も陰ってきたのにねぇ・・・。」
「まさか、さっきの木の実のせいじゃ・・・。」
日も陰ってきたというのに、僕らは変に汗ばみ始めた。
「ユニヴァ、やっぱり洞穴を行こう。もう行くしか無いのかもしれない。」
僕は、あの木の実を食べたからには洞穴に入らないと、何かヤバイことになりそうな予感がしてきた。
「どういうことよ?」ユニヴァが言う。
僕は直ぐにユニヴァの手を取ると、真っ暗な洞穴を進み始めた。

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【2017/03/29 14:58】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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