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ちゅら星(127)
「この前採った、あのフズリナで来たの?」僕は、僕らのテーブルの一番端にいたGackNtに声をかけた。
「うん、お陰様でね。」GackNtが笑って答えた。
いつの間にか、テーブルの中央の冷たい飲み物は消えていた。
突然、光が差し込んだ。
通路のドアが開いたのだ。
「あらっ?増えたわね。」ピンクの髪がお化粧室から戻って来た。
そして、空いていた僕のすぐわきに腰かけた。
「どーおっ?ネックレスの具合は・・・。」
僕は持ってきたネックレスの包みを差し出した。
「わあっ!なんかすごいプレゼントみたいじゃない。」ピンクの髪は、嬉しそうにそう言って包みを開けていく。
僕はちょっとドキドキして、それからGackNtの方を見た。
数秒、僕とGackNtの不安な視線が絡みついた。
「わおっ!うそでしょ!」ピンクの髪は大きなルビーが追加されたネックレスを手に取ると、目を丸くして僕を見た。
「さすがだ。」GackNtの声が聞こえた。
「ちょっと待ってよ!これは?」興奮も冷めやらぬまま、ピンクの髪はブレスレットの存在にも気が付いたようだ。
ピンクの髪は箱の中のブレスレットを見つめたまま、持っていたネッレスを慌てて首に取り付けた。
その時また光が差し込んだ。
オオワシが散歩から戻って来たのだ。
「おおっ、増えたな。」
オオワシはそう言って、空いているGackNtの隣に座った。
「どうかな?」僕はオオワシに言った。
オオワシは何の事かと言った顔で僕を見た。
それからようやくピンクの髪に気が付くと、腕を組んでネックレスを眺めた。
「いいねぇ~!ピンクのルビーがネェちゃんにぴったりだ。」
ピンクの髪が満足そうに微笑んで見せた。
「そのルビー、オオワシさんから頂いたんだよ。」僕が言った。
「キャニオンドームにゃ、そんなもんいくらでもあるぜっ。」オオワシはそう言うと、照れ隠しにか飲み物を取って、一気に飲み干した。
いつの間にか透明の飲み物が6つ現れていた。
それから僕も一つ飲み物を取った。
そしてネックレスの件にホッとしたかのように、GackNtも飲み物を取ると、軽く僕に乾杯するかのようにしてそれを飲んだ。
ピンクの髪はブレスレットをつけるのに手こずっているようだったので、少し僕が手伝った。
それからピンクの髪は奥の席に行って、他の皆にもネックレスとブレスレットを披露した。
会場はいよいよ席が埋まってきて、ザワザワした人の声が充満していた。
テーブルの中央には、今度はエビのカクテルグラスが6つ現れた。
クーさんはそれを一つずつ取って、僕とオオワシとGackNtの前に置いてくれた。
もう一つの席には、小さな動物と大きな男、それからニャントロと女神とピンクの髪がいるので、僕らの席よりおしゃべりが弾んでいる様子だ。
「それにしても、たくさんフズリナが取れる場所が見つかったから、いつでもGackNtやニャントロに会えるようになったよね。」僕が言った。
「うん・・・ただ今日ここに来たのは、ニャントロが『惑星の音楽』というものに何か興味を持ったようで・・・。」GackNtが奥の席で談笑しているニャントロの方を見て言う。
「んっ!このエビ美味い。」クーさんが言った。
「この前の件からまだ日も浅いことだし、見送ろうかとも思ったのだがニャントロがどうしてもというので来た。」GackNtが言った。
その時、耳にすべり込むかのようにオーケストラの静かな音が聞こえ始めた。
そしてホールの照明が落ちていき、透けたカーテンの奥のステージが明るくなっていく。
中央のスポットライトには体格のいい男性がいるのが分かる。
カーテンが開き始めると同時に、男性の低い歌声が響き渡る。
「ああ、これは『木星の音楽』よね。」いつの間にか僕の隣に戻って来たピンクの髪が言った。
僕らは、その会場を包み込むような低音に聞き入った。
「エビ美味いぞ。」クーさんが小声で僕に言う。
そして、現れた琥珀色の飲み物を一つ取って、飲み終わったグラスをその場所に戻した。
テーブルの飲み物は、時々現れては、また消えていった。
僕は、カクテルグラスに盛られたエビを一口食べた。
やがて『木星の音楽』が終わった。
舞台の照明がブルーに変わっていく。
そしてコンガが軽快に聞こえてきた。
「あっ、お寿司よ!」ピンクの髪が言った。
ウニの軍艦巻きといくらの軍艦巻き、それにカッパ巻きと四角い卵焼きが添えられた小さな皿が6つ現れた。
また、クーさんが僕ら銘々にそれを取ってくれた。
「次はお酒が来るな。」クーさんが言った。
「お茶がいいわ。」ピンクの髪が言った。
すると、すぐにお茶が6つ出現した。
「言えば来るのか・・・。」クーさんが呟いた。
しばらくすると錫製のグラスが6つ現れて、そこに冷酒というブルーの文字が浮き上がった。
「偶然かもね・・・。」僕は言って、冷酒を一つ取った。
しかし、コンガで始まったテンポのいい曲は、明らかにテキーラに合う感じだ。
そのあと、テーブルにはテキーラやタコスサラダも現れた。
カラフルなカクテル、それからパフェ、ビーフステーキ、茶わん蒸し・・・。
音楽は素晴らしいが、どれがどの惑星の音楽なのかを覚えているのは至難だ。
『海王星の音楽』だけは、雰囲気が伝わったのでよく覚えている。
「では、7曲目は『ちゅら星』からです。」アナウンスが聞こえた。
「来たぞ、ユニヴァだ!」クーさんが言った。
流れるようなマリンバの音で始まった。
ユニヴァの姿がまだ見えない。
マリンバの旋律は、ちゅら星の海に浮かぶカラフルな数々のドームの景色を思い出させる。
ユニヴァの姿は見えないが、どこからか声が聞こえてきた。
「おおっ!」クーさんの声とともに、ユニヴァが舞台の天空からブランコに乗って降りてくる。
「これは・・・解るか?」GackNtが呟いた。
ユニヴァの歌っている言葉が解らないのだ。
「どこの言葉だ?」クーさんが言う。
後ろの方から小さな動物の声がした。
「ちゅら星の古代の言語だ。」
意味は解らないが、心地よい響きだ。
「そうか、言葉か・・・。」ニャントロの声が呟いたのが聞こえた。
それから僕らは、静かにユニヴァの歌声を聞いた。
歌が終わると、ユニヴァは丁度下まで降りきったブランコから飛び降りて挨拶をした。
それから舞台のそでに小走りに消えて言った。
ユニヴァの声にぴったりの曲だった。

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【2016/10/14 15:38】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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