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ちゅら星(126)
49.ユニヴァの歌
しっぽの件が解決して、やっと僕にも静かレモン星での日々が帰ってきた。
とは言っても、ネックレスを修理しなければならない大役が残っている。
さて、デザインボードに宝石を並べてみた。
他に無いくらいに、いい感じだ。
「でも、なんか違うな・・・。」僕は独りつぶやいた。
ピンクの髪が「こんなんじゃないわよぉお!」という声が聞こえた。
僕はそのままデザインボードを引き出しにしまって、海岸へ散歩に出かけた。
風も無く静かな海には、海水浴を楽しむ数人の子供がいる。
僕は小さな貝殻を拾いながら、波打ち際をのんびりと散歩した。
片手いっぱいになった貝殻を、ポケットにあった袋に入れた。
のどが渇いたので、クーさんのアイスキャンディ屋でもあればと、海岸の上のガードレールを眺めてみたが、クーさんがいるはずも無かった。
家に着くとポストに分厚い手紙があった。
「ユニヴァからだ。」
冷たい水を飲んで、早速手紙の封を切ってみた。
さらにクッションの入った封筒が出てきた。
『ピーちゃんへ、これはオオワシさんからよ!ユニヴァより。』
そう書かれた封筒を開けてみる。
『ネックレスの修理ご苦労さん。キャニオンドームは宝石の宝庫だが、そう簡単にいいものが出てくるわけじゃねえ。前にいくつか掘り当てたモンを研磨してみたから、ピンクのネェちゃんのご機嫌直しにでも使うといい。』
封筒の中には、まん丸に磨き上げられたピンク色の水晶が8つとキラキラにカットされた濃いピンク色のルビーの大粒が一つ入っていた。
僕はすぐに引き出しからさっきのデザインボードを取り出すと、並べられた宝石の中央に大粒のルビーを置いた。
「いいねぇ~。」思わずつぶやいた。
それから、ビーズのストックからロードクロサイトを取り出して、8つのピンク水晶と交互に並べてブレスレットにしてみた。
「完成!」
元通りとはいかないが、ピンクの髪もこれならきっと満足してくれるに違いない。
これでやっと、本当の平安が僕にもやって来たのだ。
そして僕はまた、冷たい水を一杯飲んだ。
それからの日々は、せっせと海岸で貝を集め、新しいアクセサリーをいくつも作った。
しばらくたったある日、またユニヴァから手紙が届いた。
『ご案内 「惑星の音楽のコンサート」開催日:1544 場所:鍾乳ドーム』
そう言えば、この前ニャントロたちと分かれる時に、そんなことを言っていた。
僕は予定表に「惑星の音楽」と書き込んで、それからピンクの髪のネックレスとブレスレットを箱に詰めて丁寧に包装した。
そして惑星の音楽のコンサートの日、僕は久しぶりに巨大真珠でちゅら星に向かった。
そうは言っても、開催地の鍾乳ドームについては全く知らない。
とにかくユニヴァのところへ行ってみるしかない。
しかし、思った通りユニヴァはもう出かけていなかった。
誰かに聞いてみるしかない、ちゅら星の住人なら分かるはずだ。
辺りに人影はなかったが、すぐそこに知り合いがいることを思い出した。
そして僕は『✞女神の占い洞窟』のドアをノックした。
ドアを引いてみると開いたので、僕はそのまま奥に進んだ。
「ようこそっ。」静かな女神の声が響いた。
天井の低い薄暗い室内。
部屋の奥のテーブルにいた女神は、水晶玉にフワリと布をかけた。
「さて、出かけましょう。」女神はそう言って立ち上がった。
「久しぶり・・・。」僕はあいさつ代わりにそう言ってみた。
女神はにっこり笑って、僕に左手を差し出した。
僕はその手の意味が分からなかったので、女神の顔を見た。
「捕まって!」
僕は女神の掌に、右手を乗せた。
女神は僕の手をやさしく包むと、軽く息を吸い込んだ。
「めぇぇぇぇぇぇぇえええええええ~~~・・・・」力強い女神の声が響き渡る。
次第に目の前が白くかすんでいく。
真っ白な光の状態になり、また少し景色が戻り始めた。
「えええぇぇぇ・・・。」女神の声が小さくなっていく。
目の前には川が流れている。
岩場の多い、川の上流だろうか。
辺りには木々が生い茂っているが、手すりや階段が整備され、管理された森林公園と言ったところだ。
「中に入るわよ!」ぼーっと景色を眺めていたら、女神の声がした。
女神は川にかかる透明なチューブの入り口にいる。
僕は小走りに女神のところへ急いだ。
「案内状は?」女神に言われて、ポケットから取り出した。
案内係が、僕の案内状の隅にあるメタリックなブルーの鍵盤マークを機械に読み込ませた。
「お連れ様も同じコーナーですので、ご一緒のカートでかまいませんでしょうか?」
女神は軽くうなずいて、透明のカートに乗り込んだ。
僕も続いて乗り込む。
「ここが鍾乳ドーム?」
「そうよ、この岩山の内部に鍾乳洞があるの。」
僕らの乗ったカートは、音もなく透明なチューブに吸い込まれるように川を渡っていく。
川幅は60メートルくらいだろうか、その先には岩山にぽっかり空いた洞窟があり、チューブもその中へと続いている。
洞窟に入ると一瞬暗く感じたが、その奥は照明に照らし出された真っ白な鍾乳洞の細い通路が続いた。
通路の左側には10メートルおきくらいに、人工的な扉が設置してある。
僕らが進む鍾乳洞の通路はどこまでも左カーブが続き、左側に大きな内部構造を連想させる。
「ここがコンサートホールなんだね。」僕がつぶやくと、女神がうなずいた。
しばらくすると、カートが緩やかに静止した。
そして、そのすぐわきの人工的な扉が開く。
扉の内部は薄暗い大きなホールだ。
真っ白の通路のせいで、ホールの暗さに目が慣れない。
「おおっ、珍しい組み合わせの登場だなっ。」クーさんだ。
それから、ニャントロとGackNt、小さな動物と大きな男の姿があった。
ここは5メートル四方の枡席で、同じ枡席がホールいっぱいに広がっている。
一つの枡席には円形のテーブルが2つあり、テーブルには2つのソファアがハの字型に設置されている。
女神はみんなに促されて奥の席に行ったので、僕は空いていたクーさんの隣に座った。
「ピンクの髪は?」肝心のネックレスの主の姿が見えない。
「トイレに行ったよ。」小さな動物が言った。
「お化粧室に行ってくるって言ってたぞ。」クーさんが言う。
「同じことだ。」大きな男が言った。
会場はそんなおしゃべりでザワザワとしている。
ユニヴァは歌のスタンバイをしているのだろうか、ここには姿がなかった。
「オオワシは?」
「外に散歩に行った。」クーさんが言った。
するとテーブルの中央が緑色に光りだした。
フゥォンという軽い音とともに、冷たい飲み物が6つ現れた。

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【2016/08/31 11:39】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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