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ちゅら星(125)
それからGackNtは、巨大真珠に乗り込むとすぐにネックレスを分解し始めた。
そして間もなく、僕らの巨大真珠はビルの屋上に戻った。
GackNtは巨大真珠を飛び降りると、ニャントロの周りに宝石を配置し始めた。
ニャントロの右にエメラルドを、それから左側にも。
そして、ひと際大きいエメラルドを後ろ側に置いた。
やや小ぶりだが七色に輝くダイヤを正面に配置し、それらの宝石の間をつなぐようにアメシストを配置した。
「こんなので一万倍になるの?」不審そうにユニヴァが言った。
GackNtは黙って宝石の配置を調整している。
しっぽは、オオワシにがっしりと捕まれている。
そして、ニャントロはしっぽを見つめて集中を開始したようだ。
それからGackNtはしゃがみ込んでいるニャントロの背後に回り、ニャントロをまたぐようにして残っていたダイヤモンドをニャントロの頭上にかざして目を閉じた。
しばらくすると、ニャントロ達の周りにピラミッドが形成されているのが分かった。
GackNtがかざしているダイヤから、それぞれの宝石に向かって電光のようなものが走って、そこにうっすらと光るピラミッドが浮かび上がっていた。
電光はチラチラと点滅するように光を放っている。
僕らは、誰一人身動きせずにそれを見守った。
ニャントロがオオワシに小さくうなずくと、オオワシはしっぽから足をそっと除けた。
しっぽは小さくピクリと2回動いただけだ。
GackNtは大きく一度、息を吸い込んだ。
そして次の瞬間、僕らは息をのんだ。
一瞬、ピラミッド全体が真っ白に発光して、中のニャントロとGackNtの姿も見えなくなったのだ。
すぐに発光は収まって、ニャントロ達の無事が確認できた。
「しっぽ、消えたの?」僕が言う。
「見てよ、これ。」ユニヴァがしっぽのあった場所に近寄った。
確かに、そこには青い小さな石ころがあった。
そこにトリニタスの少年がゆっくりと近づいて行く。
「やっと本来の形に戻れたんだね。」小さな動物がポツリと言った。
「はい・・・。」少年はそう答えて、青い石を拾い上げた。
「本来の形?」ユニヴァが言った。
「熟成できずに失敗した身体は、結晶化して石になってしまうんだ。」小さな動物が言った。
僕らは黙って少年の石を見つめた。
「でも、よかった。皆さんありがとうございました。」少年はそう言って、僕を見た。
僕は少年のホッとしたような笑顔に、ただうなずいた。
「一件落着・・・だな。」オオワシが言った。
「ところで、あのジェミニーは今頃どうしてるのかしらね?」ユニヴァが言う。
「あの勢いで振動数が下がっているからには、アァ・・・。」ニャントロがため息をついた。
「ブラックホールにでも飲み込まれてるんだろうよ。」GackNtが言う。
「なんだか、かわいそうね・・・。」ユニヴァがつぶやいた。
僕もあのジェミニーのこととはいえ、少しだけかわいそうに思った。
「心配するな、いずれこの宇宙の秩序に則っているんだからよ。」オオワシが言う。
「ああ、どんなモクヅになろうとも、この狭い宇宙の中を循環するだけさ。」そう言ってGackNtは宝石を拾い集めた。
「さて、あの二人も待ちくたびれただろう、下に降りよう。」小さな動物が巨大真珠を取り出した。
長い騒動も終わったのだ、僕も巨大真珠を取り出した。
「ああ・・・ちょっと待ってくれ。」GackNtが座り込んでいる。
宝石を並べて考え込んでいる様子だ。
「ピーちゃん、こんな感じだったろうか?」
「う~ん、ダイヤはアメシストに挟まれていたと思うんだけど・・・。」
「ああっ、慌てて解体したから元の形が思い出せないぞ・・・。」
このまま下に降りて、ピンクの髪に会うわけにはいかない。
しかもこれは、ビーズのおもちゃとは大違いの高価な宝石なのだ。
「あ~あっ、こうでもない!」GackNtが頭をかきむしった。
「それ、僕が預かるよ!」僕は思いついてそう言った。
貝殻細工とはいえ、僕はアクセサリーを作る作業には慣れているし、家に帰れば道具もそろっているのだ。
案の定、下に降りるとピンクの髪が騒ぎ出した。
「ヤダもうバラバラじゃないの!元に戻して!戻してよ~ぅ!!」
「数日中に元に戻して、届けるよ。元のよりもいい感じにするからっ!」僕はそう言って、やけに派手な笑顔を作って見せた。
「別に・・・元通りにしてくれればいいのよぉ。」ちょっと不審そうにピンクの髪が僕を見た。
「それじゃあ、また近いうちに!」GackNtが見慣れない笑顔を作って言う。
「我らはこれで行く!」ニャントロがフズリナを取り出した。
「ああそうだ!近いうちにと言えば、今度『惑星の音楽のコンサート』で、アタシ『ちゅら星の歌』を歌うの。」ユニヴァが早口に言った。
「惑星の歌・・・。」ニャントロが物思い気に言う。
「興味あるなら、フズリナもいっぱいあることだし見にきてよね!」ユニヴァが自慢げに言った。
「ああ、考えておこう!」ニャントロは言って、ビルの壁にフズリナを投げつけた。
そして、GackNtとニャントロは渦の中へと消えて行ってしまった。
僕にも久しぶりに静かな時間が戻ってきそうだ。
「じゃぁ、そのネックレス急いでね!」
ピンクの髪の声とともに、3台の巨大真珠も飛び立って行った。
残されたのは、レモン星在住の僕とトリニタスの少年だ。
「その石もネックレスに加工しようか?」僕は少年の手の中に光る青い石を見て言った。
「いえ、この石のエッセンスから、また新しい身体が作れますから・・・。」少年は手の中の青い石を見つめて言った。

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【2016/07/25 15:59】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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