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ちゅら星(122)
そして結局、僕らは海中を抜ける方法で表のちゅら星へ戻ることになった。
もちろんガイドは緑の髪の女の子3人だ。
女の子達は勢いよく波打ち際に走っていくと、優雅に波に身体を伸ばした。
僕らが波打ち際まで来ると、彼女達はすっかりイルカの姿に変わっていて、メタリックな緑色をメロウに輝かせていた。
イルカを挟んで僕とクーさんが両わきから軽くヒレに手をかけた。
他のイルカにも同じようにしてユニヴァとオオワシ、そしてニャントロとGackNtがついた。
3頭のイルカは尾ビレをパシャリと打って一気に泳ぎだした。
遠浅がどこまでも続く。
「みんな、深くなる前に十分に息を吸って!!」ユニヴァの声。
しばらくするとイルカが速度を落とした。
下を覗くと、海草の茂みが見える。
「ここから潜るぞぉ!」僕はみんなに息を吸うように促した。
それからイルカは海草の森に猛スピードで潜り込んでいく。
僕はギュッと目を閉じた。
体にバサバサと大ぶりの海草が絡まりつく。
少し水温が冷たい。
まだだろうか、不安がよぎりはじめる。
いつの間にか海草の森を抜けたようだ。
もうすぐだ、ほら浮上している。
目を開けると、明るい陽射しが海面を揺らしているのがわかる。
でも、苦しい早くしてくれ・・・。
プハァアッ。
すぐそばでも、クーさんの荒い呼吸が聞こえている。
「お疲れさまね。」頭上でユニヴァの涼しい声がした。
巨大真珠だ。
「途中でこれに乗った方がいいんじゃないかって気がついて、縮小化してくわえてきてもらっちゃった。ハハッ。」
僕とクーさんの哀れ感がさらに増したところで、ふと気がつくと底に足が着くことがわかった。
三頭のイルカは、僕とクーさんの周りをグルグルと何度か回ると、レモン星の振動で「また着てね!」と僕にテレパシーを投げた、そして一気に水中を滑るように去っていってしまった。
僕は島影一つ見つからない海の真ん中にポツンと突っ立ていた。
「お礼くらい伝えてくれた?」ユニヴァの声がした。
僕は首を横にふった。
それから僕とクーさんも巨大真珠に乗った。
少し移動するとすぐに陸地が見えてきた。
しかもありがたいことに、僕の住んでいるエリアだ。
「町に行ってなにか食べよう!」ユニヴァの声が言う。
そう言えばかなり腹ペコなことに気が付いた。
「大、賛成ェ~!」僕が答えるより先にクーさんの声が響いた。
僕らは港の公園で巨大真珠を降りると、この前トリニタスの少年に出会った店の前を通って、さらに町の中心部へと進んだ。
「レモン星っていうのは、一昔前のスタイルの惑星なんだなぁ・・・。」物珍しそうに辺りを眺めていたオオワシが言う。
「特に我々みたいな猫人間は注目の的になる。」GackNt がため息混じりに言った。
「惑星外に出る手段が少ないので、まだ宇宙旅行が一般化されてないんだ。」僕が言った。
少し先を歩いていたユニヴァとニャントロが足を止めたようだ。
『タンタン狸の担々麺~完全ベジタリアンフード(狸の肉は使用していません)』
「ピーちゃん、ここ美味しい?」ユニヴァが僕に訊く。
僕はこんな店があったことすら知らなかった。
「ああ、ここでいいよ!」腹ペコなクーさんが言って、僕らはその店に入ることにした。
いきなりの狸メイクなお姉ちゃんにビックリする。
「こちらへどうぞォ。」と振り返ったお尻にはフッサフサのシッポが揺れている。
と、その時、店の外から声がした。
「ああ、皆さん!」
なんと、あのトリニタスの少年だ。
僕らは入りかけた店の軒先で、その後のジェミニーについて少し彼に説明をした。
「その話、もっとよく聞きたいから移動しましょう。」少年は口早にそう言うと、半ば強引にユニヴァの手を引っ張ったので、仕方なく僕らは店の外に出た。
「でも担々麺食べたいのに・・・。」ユニヴァも戸惑っている。
それから少年はユニヴァの背中をポンポンと強く叩いた。
そして言う「見てください。」
なんと、さっきまでの『タンタン狸の担々麺』の店が・・・。


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【2016/02/09 14:57】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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