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ちゅら星(120)
「ちょっと待って。」GackNtの声がした。
見ると入り口でニャントロが引っ掛かっているようだ。
「きのうのピザめっちゃおいしかったもんね・・・。」ユニヴァが呟いた。
僕は洞窟の内部側からニャントロの上半身を支えた。
そしてGackNtが外からニャントロの足を抱え上げた。
洞窟の入り口は上部の方が少し広くなっていたので、僕らはニャントロを持ち上げるようにして移動させた。
「すまない、面倒をかけた。」ニャントロが恥ずかしそうに言って、乱れた毛を繕った。
「そいじゃ行くぜ、すぐ下り坂になるから気をつけて。」オオワシの声に従った。
ゆるい下り坂が50メートルほど続いた。
どこかで水の流れる音が聞こえる。
「さぁ~てと。」オオワシが言って、歩みを止めた。
「ここからポータルに入るんだが・・・譲ちゃん、懐中電灯をよこしてみな。」
「2回振ると点くわ。」ユニヴァが言って、オオワシに巨大真珠を手渡したようだ。
オオワシとユニヴァの顔が照らし出されて、ごつごつした洞窟の壁もライトアップされたのだが、その先が見えない。
「この先の真っ暗闇がポータルなの?」ユニヴァが訊く。
「ああ、この先ばかりは灯りをつけても何も写らねえ奇妙な場所だ。」
「ちょっと怖いね。」僕が言った。
一瞬、沈黙が流れた。
「んじゃ、俺から行くが・・・出た先は海ん中だ。」オオワシが言う。
引き続き沈黙の中、小さくクーさんのため息が聞こえた。
「しかし浅瀬だ、足が着く。慌てないように・・・。」
それだけ言うと、巨大真珠をユニヴァの手に戻してオオワシは一気にポータルの暗闇へとダイブした。
「濡れるの嫌だし、乗ってく?」ユニヴァが巨大真珠で僕とクーさんを照らし出して言う。
僕はその意見に賛成して、僕の巨大真珠にクーさんも同乗させてオオワシに続いてダイブした。
僕らは渦を巻くように何かに吸い込まれて行くようだ。
水の音が次第に大きくなってきた。
「ん?・・・明るくなってきた。」クーさんが言った。
それから一瞬で真っ白に明るくなり。
僕らの巨大真珠は水面に飛び出して、ポカリと浮かんだ。
あっけに取られていると、すぐ脇に一回り大きいユニヴァの巨大真珠も飛び出してきた。
辺りは高い岩肌の崖で覆われた場所だ。
「そいつぁあ便利だな。」頭上でオオワシの声がした。
「慌てて行かなきゃ、あんたも乗せてあげたのに。」ユニヴァがオオワシに言った。
「向こうに回ると、小さな海岸がある。」オオワシはそう言うと海岸の方へ飛び立っていった。
僕らも巨大真珠で海岸へ向かった。
崖を回ると、入り江に小さな海岸があった。
「凄いだろ。」オオワシが辺りを眺めて言う。
見ると、海岸を囲む崖にはびっしりと立派なフズリナが埋まっている。
ニャントロが崖に歩み寄って、埋め込まれたフズリナに触れてみた。
「んで、どんな考古学の研究なんだ?」オオワシが言った。
「考古学なわけないじゃない。」ユニヴァが鼻で笑った。
「んじゃ、ポータル開いてご旅行ですかね?」
オオワシも、この貝の化石でポータルを開けるってことは知っているようだ。
「こんな立派なフズリナがこんなにたくさんあるなんて・・・。」GackNtが言う。
ニャントロは、今度は崖から少し離れて、フズリナがびっしり詰まった岩肌を見上げた。
「他にこの場所を知る者はいないのか?」ニャントロがオオワシに訊いた
「ああ・・・ちゅら星じゃあキャニオンドームの鳥類だけだろうよ。」
「本当にここがレモン星なの?」僕はどうにも信じられないでいた。
「裏のな・・・。」オオワシが言う。
「裏なんてないって言ってたじゃない。」ユニヴァが言った。
「時間や次元が違うとか?」クーさんが言った。
「いやぁ、いつものレモン星だ。」
僕は本当にこのままどこまでも行ったら、僕の家につくのだろかと考えたりした。
「だけどな、表からこの場所に来てもここには大海原があるだけだ。」オオワシが言う。
「どういう事?」ユニヴァの声。
「どういう事だ?」GackNtも同時に言った。
「ここはレモン星の魚人達のエリアだ、特殊なドームで覆われていてカモフラージュされている。」
「ああ・・・え~っと何て言ったっけ、あのイルカちゃん・・・。」ユニヴァが僕を見て言う。
「月ちゃんと虹ちゃん・・・。」
僕の友達のイルカだ、彼らの島ではヒューマノイドになる。
「なるほど、あの時僕らは海底を通って特殊なドームのエリアに入ってたんだ。」
「ふぅ~ん、行ったな・・・。」クーさんも思い出したらしい。
「ところで・・・採ってもいいのか?このフズリナは・・・。」GackNtが僕らの思い出を遮って言った。
「ああ、いくらでも・・・ただ、帰りに今来たポータルを使うとな・・・。」オオワシが言いかけて、僕らを眺めた。
「まあ、その玉っころがあるから大丈夫か・・・。」
「ポータルを使うと何なのよ。」ユニヴァがまどろっこしいオオワシの言い回しに突っ込む。
「ポータルを使うとフリズナのエネルギーがほぼなくなる。」
「おっかしいわね?・・・なんで?」ユニヴァが不審をぶつける。
「さてな?・・・あの暗黒がなんか問題なんじゃないのかねぇ・・・。」オオワシがいい加減に答えた。
「俺達、なんか変なポータル通ってきちゃって大丈夫かな?」クーさんが不安そうに言う。
「おらぁガキのころから何度も通ってるが、特に変わったことはないぞ。」
「あたし達、鳥人間になっちゃうんじゃない?」ユニヴァが愉快そうに言う。
オオワシはバカだねぇっという風に首を振った。
「手伝ってくれ。」GackNtが僕らの話に見切りをつけて、フズリナの採取に取りかかった。
崖の壁はかなり固いのに、フズリナの化石が採ってくれとばかりに浮きだしていて、さほど時間がかからずに最初の一つが採れた。
「一通り採ってもな、一年もすると岩肌の表面が流されて、またフズリナが浮き出して来るんだ。」
「10個採った、今日はこのくらいにしておこう。」GackNtが言った。
僕らは採った大きめのフズリナを、ユニヴァの巨大真珠に運んだ。
「んで、何処から出ればいいの?・・・表のレモン星へ。」ユニヴァがオオワシを見た。
「残念だが、知らない。」
オオワシはポータルの移動しか経験がないという。
さて問題は、どうすればこの魚人のドームを出られるかだ。
「・・・かわいい人魚ちゃんにでも訊いてみる?」クーさんが言った。
「虹ちゃん達、ここにいるのかな?」僕が呟いた。
「そうだ、行ってみよう!」ユニヴァがいきなりやる気を出した。
それから、ユニヴァの巨大真珠にニャントロとGackNtが乗り、僕はオオワシを同乗させて、クーさんはクーさんの巨大真珠に乗った。
まずはこの場所を把握するため、一気に崖の上空まで上昇してみた。
崖の向こうには扇状に広がる、明るい平野が見えた。
「いそうだな、かわいい人魚ちゃん。」クーさんの声が聞こえた。

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【2015/09/24 15:16】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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