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ちゅら星(117)
「ああっ!忘れてた!!」ユニヴァが叫んだ。
「なんだよ、優雅な食事中に。」クーさんがぼやく。
「ニャントロちゃん目覚めさせるのに、花いるのよね?」ユニヴァが言う。
そう言えば、氷詰めのGackNtの時には、花を探して氷の惑星を探索したのた。
「花?」モニターにGackNtのハテナな顔が映った。
「どうなのあの星、植物反応あるんでしょ?」すっかり満腹なクーさんが言う。
「そうね、また現地で調達すればいいわ。」ユニヴァはまたおにぎりを食べ始めた。
「ああ、ユニヴァは生体振動のことを言いたかったんだね。」
「何よそれ、ニャントロはあの時氷詰めのアンタに花の滴をかけたのよ。」
「今日はこれがある。」
モニターのGackNtが何かを顔の前に掲げた。
「水晶だ。」
先の尖ったくもり一つ無い透明な水晶柱、中央に小さく入ったキズが虹色に反射しているのがわかる。
「ニャントロを目覚めさせるということは、静止させた振動を再開させるということだが、できれば最初に与える振動は純粋で清らかなものを選びたい、だから花などを使っているんだ。」
「へぇ~。」ユニヴァとクーさんの声が同時に聞こえた。
「ユニヴァ、そろそろ降りる用意を。」視界がカビ色の惑星一色になってきたので、僕は言った。
「毒ガスなのかしら、このカビ色?」ユニヴァがモニターをチェックした。
「本当にジェミニーはこんな所にいるの?だってこのガス地表まで達してるじゃない。」
毒ではないにしても、むやみに飛び込んでも視界もままならない状態らしい。
「いくつもの発達した地下洞窟があるんだ。今ニャントロのいる大まかな座標を入れる。」
GackNtがパネルを操作している。
「わぁあ!」
瞬間、緑に輝く明るい世界に出た。
「すっごく明るい!すっごく綺麗!」ユニヴァはそう言って茫然と辺りを眺めている。
「ここは、ほぼ氷でできている洞窟だ。透明度が高いので深部の光源が漏れ出して明るいんだ。」
「深部の光源って?」僕が訊いた。
「太陽のようなものだ。」
「じぁあ、氷解けってっちゃうじゃない。」ユニヴァが言う。
「中央部は解けているんじゃないか?」面倒くさそうにGackNtが言う。
「でも、だったら太陽の火が消えちゃうじゃないよ。」しつこくユニヴァが言う。
「ここの太陽が火で出来ているとは限らないだろう、僕には太陽のような光源があるということしか分からない。」GackNtが少しトゲトゲしてきた。
「それより、先に進もう。」クーさんがそう言うと、ユニヴァは慌てて我に返った。
「ああ~っ、すぐいきまぁすニャントロちゃあ~んっ。」
洞窟の突き当たりは左に折れていた。
そして、すぐにまた右に折れた。
「どこよ?」ユニヴァが呟く。
「その先の壁、軽く突っ込んで。」GackNtが軽く言う。
「ああっ?突っ込むって??」
目の前は通路同様の緑色の透明な氷の壁だ。
「衝突すればいいんだ。」GackNtが言う。
ドソッ!
鈍い音を立てて壁が崩れ落ちた。
「ああ、ニャントロちゃん!」
崩れた壁の奥には、やはり緑の氷に囲まれた広いスペースがあった。
そして、その中央に天井ギリギリの高さに達する透明のピラミッドが設置されている。
そこで僕らは巨大真珠を降りて、浮遊惑星の地を踏んだ。
「氷で出来てるの?」僕が言った。
「うん。」GackNtが答えた。
ピラミッドの中で気持ちよさそうにニャントロが横たわっている。
GackNtがさっきの水晶を取り出すと、ピラミッドの一辺の適当な場所に先端をあてた。
すると小さく鋭い光が発光し、光の線が波打つように全部の辺に伝わっていった。
そして三角形の全ての面が翻る様に輝くと、次の瞬間ピラミッドが一気に崩れ堕ちた。
「ちょっと、うわあっっ!」ユニヴァが叫んだ。
僕も、瞬間ニャントロの安否を心配した。
しかしニャントロはさらに四角い透明の氷に包まれていた。
そしてピラミッドの今の衝撃で、その四角い氷にもたくさんのひびが入っている。
「それから?」ユニヴァがGackNtを見た。
GackNtは黙ってニャントロを見守っている。
ザラーッッ。
静かな音を立ててニャントロを包む氷が砕け落ちた。
僕らは静かに様子を見ているだけだ。
ニャントロの胸のあたりがかすかに上下しているのが分かる、呼吸をしている。
そして、まつ毛がかすかに動いて、ニャントロが目を開けた。
「・・・っふぅ。」ニャントロは小さく息を吐いて、僕らに視線を向けた。
それからGackNtは近づいていって、起き上がるのを手伝った。
「もういいのか?」ニャントロが起き上がりながら言う。
「ああ。」GackNtは短く答えて、ニャントロに背中に乗るように促した。
ニャントロは疲れたというように、GackNtの背中にドサリと持たれた。
「さて、すぐそこに440惑星が迫っている、すぐに退去だ。」そう言うと、GackNtは一度体をゆすって背中の荷物を安定させた。
「じゃあ、アンタら二人は小さいので帰ってよ。」ユニヴァが言った。
巨大真珠は4人乗りだから帰りは一人オーバーになる。
ユニヴァの巨大真珠にはGackNtとニャントロが乗るから、僕とクーさんは小型の二人乗りで・・・。
「ピーちゃんも持ってないの?」クーさんがポケットを探っている僕に言う。
「う~んっ、ってクーさんも?」
「灯台でテーブルの上に置いたままだ。」クーさんが気まずそうに言う。
「ああっ僕もだ!」
そうだ、クーさんに僕の巨大真珠を見せてくれって言われて・・・。
「ちょっと!何マヌケた事言ってんのよ!」ユニヴァの声が飛び込んできた。
「だって・・・ユニヴァがあんまり突然に行動開始するからじゃないか。」クーさんが言い訳がましく抵抗した。
「ギュウギュウ詰めで行く?」僕が提案してみた。
「定員オーバーだと動かないわよ!コレ。」冷たくユニヴァがつき返す。
「はぁぁっ。」
440惑星のポータルがすぐそこに迫っているというのに、僕にはため息をつくことしかできなかった。
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【2015/06/02 15:38】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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