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ちゅら星(116)
47.眠れるニャントロ
「ニャントロがどうかしたの?」ユニヴァがGackNtに冷たい視線を投げた。
「今、彼女はその浮遊惑星にいる・・・。」GackNtが言う。
「・・・。」
「ジェミニーを閉じ込めているシールドをしばらくの間維持する必要がある。」
「あの氷の惑星の時のアンタみたいにってこと?」ユニヴァが冷静に聞く。
「うん、ピラミッドの中で眠っているだけだ。」
「何でアンタじゃなくてニャントロなの?」ユニヴァから冷静さが消えていく。
「それより・・・」僕はそこで口をはさんだ。
「救出できるの?ニャントロを・・・。」僕より先に小さな動物が言った。
GackNtはしばらくの沈黙の後言った。
「そろそろ連れ戻す時だ・・・。」
ユニヴァが呆れたように溜息を吐き捨てる。
それからGackNtは聞いてもいないのに、弁解でもするかのように浮遊惑星について語り始めた。
ジェミニーの狙いは進化型浮遊惑星を手に入れることだった。
ある時、奴らはこの地下の奈落のことをかぎつけ、それを利用して浮遊惑星へ乗り移るつもりでここへ来た。
「この地下はポータルの交差点だからね・・・。」そう言ってGackNtはちょっと僕らを見回してから話を続けた。
進化型浮遊惑星とは、近くにポータルが迫ると周波数を自在に変化させて次元をまたいで宇宙を徘徊し、その行き先は予想することすらできない。
奴らはその浮遊惑星を船代わりにして、更に高次元的宇宙へ侵入し、自慢の幻影技術を駆使して適応できる体を乗っ取ることが目的だったはずだ。
「なんで、そんなことまでして高次元存在になりたいのかしら?」ユニヴァが口を挟む。
「ふっ、よくあることだが、高次へ行けば自由で幸せな人生が手に入るとか、そんなつまらぬ妄想からだろうよ。」GackNtは面倒そうに短く答えて話を続けた。
しかし、残念だがその夢は刈り取らせてもらった。
浮遊惑星の回転速度を制限した。
それと、奴らが移動できないように、惑星にシールドを張って閉じ込めた。
エネルギーを維持するために、ニャントロの生体エネルギーを使っている。
「アンタがピラミッドでお休みするって手はなかったの?」ユニヴァが言う。
「ニャントロは特別だ、あらゆる周波数に対応できる。」
「で、今どのあたりを浮遊してんのよ?」クーさんが心配そうに訊く。
「うん、こと座に向かっている・・・。」そう言って、GackNtはしばらく宙を眺めていた。
「ここの地下に現れる可能性もなくはないが・・・440惑星の次元ポータルに入る前には何とかしないとならない。」
「可能性とか言ってる場合じゃないわよ!直ぐに行かなきゃ。」ユニヴァはとっさに立ちあがって、外に向かった。
GackNtがすぐに後を追う。
僕が小さな動物達に目をやると、大きな男とピンクの髪が無言でうなずいた。
僕とクーさんはユニヴァの後を追って外に出た。
海岸に降りたユニヴァが、巨大真珠に手をかけて僕らが行くのを待っているのが見える。
そして、4人乗りのユニヴァの巨大真珠に僕とクーさんとGackNtが乗り込んだ。
ユニヴァが言った「座標設定・・・440惑星だったわね。」
その時、ピンクの髪が海岸に降りてきた。
「ニャントロちゃん帰ってきたらパーティーよ!山ブドウのワインが飲みごろに仕上がってんの!」
それから小さな動物を肩に載せた大きな男もやって来た。
「あり合わせだけど、道中の腹の足しにね。」
そう言って袋を差し出したので、僕は巨大真珠から手を出して受け取った。
「パーティー楽しみ!それじゃ座標設定したから一気に行くわよ。」
ユニヴァがそう言った次の瞬間、僕らは宇宙空間でマゼンタ色の惑星の前にいた。
「派手ね。」ユニヴァがボソリと440惑星について感想を言った。
マゼンタと黒がマーブリングしたような色合いの星だ。
「さて、どうすればいいの?」ユニヴァがGackNtに言う。
「向こうに見える緑がかった星、あれがニャントロのいる浮遊惑星だ。」
「OK、標的マーク!」ユニヴァはモニター上で浮遊惑星をロックした。
巨大真珠は標的に向かって走行する。
「さてと、標的につく前に腹ごしらえでもしますか?」
クーさんがさっきもらった食べものを出すように僕を促した。
「結構重いんだ。」僕はそう言って袋の中身を覗いてみた。
「でかっ。」思わず叫ぶほど大きいおにぎりが4つと、お茶のミニポットも4つ。
それとクッキーの箱が1つ入っていた。
「ん?焼鳥。」クーさんがおにぎりを齧って言う。
「お?胡瓜の漬物。」続けてクーさんがまた言った。
「あ、卵焼きもだ。」またクーさんが言った。
「さすが、大きな男は気が利いてるな。」GackNtが具だくさんの大きなおにぎりに感心して言う。
「アンタのカレーも美味しかったわよ。」珍しくユニヴァがGackNtを褒めて言った。
目の前にはカビたおにぎりのような浮遊惑星が迫っていた。
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【2015/04/15 15:55】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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