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ちゅら星(115)
しかししっぽはつかんだとはいっても、何の手がかりもないまま数日がたった。
そんなある日、僕がレモン星の自宅で過ごしていると久しぶりにクーさんが現れた。
「しっぽがどうとかいって、ユニヴァから招集がかかった。」面倒臭そうにクーさんが言う。
僕は簡単にしっぽについてクーさんに説明した。
「予想以上に面倒な話だな。」クーさんは目の前に迫るちゅら星を見つめて言った。
僕らは灯台へ向かった。
僕らが灯台へ到着するや否やユニヴァが窓際を指差した。
頑丈な鍵つきの檻。
なかで暴れていのはあのしっぽだ。
「あれ、色が・・・。」
青色のしっぽがくすんだ紫色に変化している。
「しかも、暴れるのよ!」ピンクの髮が目を背けるようにして言った。
「奴が闇を下降し続けている証拠だ。」小さな動物が言う。
「闇?」僕は意味が解らなかった。
「地獄に堕ちてってるんじゃないの?」ユニヴァが言った。
「地獄かどうかは知らないが、奴が元いた場所に戻って行くだけさ。」小さな動物が言った。
「以外にも素直に堕ちていってるようだね。」大きな男が言う。
それから、大きな男が僕らにお茶を勧めたので、僕とクーさんはテーブルに着いた。
「面倒そうな話だと思ったけど、これで一件落着だな。」クーさんはホッとしたようにお茶をすすった。
「そもそもねぇ、あの人が悪いのよ!」ユニヴァが言って、お茶をすすった。
「そう言えばGackNt、この件のこと何か対策考えてるのかなぁ?」ユニヴァの言うあの人とはGackNtのことだ。
大きな男がフカフカに湯気のたったお饅頭を運んできた。
「うわっ。」ユニヴァが直ぐに一つ取った。
「GackNt無しでも一件落着したんだから、いんじゃないの?」クーさんも饅頭に手を伸ばした。
そして僕も饅頭を一つ取った。
「こし餡がいいね。」クーさんが言う。
小さな動物には大きすぎる饅頭を、大きな男が小さくカットしてあげている。
「最初からもっと小さく作ればいいのに。」小さな動物が不満そうに言う。
「いくつも作るのは面倒だからね!」大きな男が笑って言った。
「あらん?」ピンクの髮が小指をピンと立てて饅頭を取った手を止めた。
僕らはピンクの髮の視線の先を見た。
「色・・・戻った?」
紫がかっていたしっぽの色が、少し青に戻っているように見える。
僕らは嫌な気配を感じて顔を見合わせた。
その時、外でゴトンと音が聞こえた。
みんなの顔に緊張が走る。
「・・・ってて。」と言って顔を出したのは、今しがた噂のGackNtだった。
みんな無言で入り口で膝をさすっているGackNtを見つめていた。
「・・・っお、旨そうだね。」照れ隠しのようにそう言って、GackNtが入ってくる。
どうやら足をどこかにひどくぶつけたらしい、やや右足をかばった歩き方だ。
「高次宇宙の猫人間には、ちゅら星の重力は重いのかしらね?」ユニヴァが皮肉っぽく言う。
GackNtは無視してテーブルに着くと、饅頭を一口食べた。
「お茶をいれるよ。」大きな男がキッチンに行った。
僕が饅頭を食べているGackNtを見ていると、彼と目があった。
「・・・どうやってここに?」
「フゥ・・・。」GackNtはため息だけで答えた。
「いいフズリナでも掘り当てたんじゃないの?」ユニヴァが言った。
大きな男がお茶を差し出すと、GackNtは直ぐに口をつけた。
「ッチ!!」
「猫舌。」ユニヴァが一言つぶやく。
ピンクの髮が笑いをこらえて笑っている。
「猫人間って、こんなに落ち着きなかったかしらね?」ピンクの髮は爆笑して言った。
GackNtはお茶のカップをおいて、ため息をついた。
「途中まではフズリナを使って、それからここの地下の顕微鏡を遠隔で・・・」
GackNtがそこまで言うと、小さな動物が口をはさんだ。
「無許可は困るな。」
「すまなかった・・・。」GackNtは小さな動物に詫びて、話を閉じた。
「顕微鏡を移動に使ったの?」ピンクの髮がポットからお茶をそそいで言った。
「それってどうやるのよ?」ユニヴァがスイッチが入ったようにのりだした。
「こし餡がいいよね。」クーさんがユニヴァを無視してGackNtに言う。
「うん。」GackNtがクーさんに答えて二つ目の饅頭を手に取った。
「アレが使えたら、あたしたちどこにでも行けちゃうんじゃない?」ユニヴァは浮き足だって僕に言う。
僕は何となく受け流した。
「ちょっと!早く教えなさいよ。」ユニヴァがGackNtに詰め寄った。
「顕微鏡は移動に使った訳じゃない。」
「あん?」ユニヴァは力尽きたようにテーブルに倒れ込んだ。
「僕はミンタカを経由してきた。」
「なんだ、そこから来たの。」ユニヴァはつまんなそうにそう言った。
「ああ、ホシマルちゃんが友達に無事再開できたことを伝えてくれと言っていた。」
身体を乗っ取られたホシマルちゃんの友達は無事だったようだ。
僕とユニヴァは握手をした。
「それから、いつでもまた遊びに来るようにとも言っていた。」
僕らは無言で頷いた。
「で、顕微鏡は?」ピンクの髮がGackNtのカップにお茶をつぎたして聞く。
「ジェミニー捕獲に使わせてもらった。」
「やだ、まさかこの地下にいるって言うの?」ピンクの髮はとっさに立ち上がった。
「浮遊惑星に閉じ込める際に使っただけだ。」
ピンクの髮は額の汗を脱ぐってゆっくり椅子に戻った。
「浮遊惑星?」小さな動物が興味深げに言った。
「浮遊惑星と言っても、次元をまたいだ軌道を描くものを探したんだ。」
僕がふとしっぽの檻を見てみると、またしっぽの色がくすんだ紫色に変化していた。
「これからあの惑星は次第に低い次元へのポータルをいくつも抜けて、更にはジェミニーのいた次元より低い低い世界へと入って行くんだ。」
「オリジナルの次元より低いところに行くとどうなるの?」ユニヴァが聞く。
「消滅。」
「じゃあ、その時あのしっぽも消えるのね。」ピンクの髮が言う。
GackNtはコクリと首をたてにふった。
ピンクの髮はホッとため息を漏らした。
「それより・・・、ニャントロを何とかしないと。」思いついたようにGackNtが言った。

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【2014/12/31 16:28】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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