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ちゅら星(113)
「物々交換が犯罪のわけないじゃない。こっちの手間を考えたら猫帽子ぐらい頂かないと・・・。」そう言うと、ユニヴァは袋からピンクの猫帽子を取り出して被って見せた。
それから僕とユニヴァは近くの公園に行き、海を眺めながらお菓子を開けて食べた。
「ねえユニヴァ、何であの店に偶然にもトリニタスの人がいたんだろうか?」
「コンパス使ったんだから当たり前でしょ。」
僕は腑に落ちなかったが、ユニヴァならこんなものなのかなと、とりあえず納得した。
「ああっっと!」ユニヴァは叫んだ。
キャンディー包みのマカロンを開けようとして落としたのだ。
ユニヴァは地面に落ちたパステルグリーンのマカロンを拾うと、チラリと僕の方を見てから口に入れた。
それから海を眺めたまま言った。「来たわ。」
さっきの少年だ。
「ビンの中身について聞きたい。」僕らの前に立った少年は唐突に尋ねた。
ユニヴァはマカロンをモグモグしながら少年を見つめた。
「犯人が使っちゃったわ。」
「君たちが・・・その犯人なのでは?」
「ガラス瓶届けてあげた恩人に何言うのよぉ。」
ユニヴァは説明するのをやめたと言うように、今度はクッキーサンドの袋を開けた。
そんなユニヴァを見つめ続けている少年に、僕が説明をした。
「僕らもだまされた口なんだ。彼らを本物のトリニタス星人だと思ってしまった。彼らがビンの中身を使うのは目撃した。現れたのは紺色の髪の男だったよ。でも僕らが知らないうちにその男は消滅してしまったんだ。そして詳細はまだ分からない。・・・。」僕は箇条書きのように説明した。
「消滅・・・し・・・た・・・。」少年は持っていたガラス瓶を見つめて呆然としていた。
ユニヴァはお菓子を袋にしまうと、突然巨大真珠を出して見せた。
「ちょっと少年、乗りなさいよ。」
少年は突然現れた巨大真珠を、ぎょっとしたように見た。
「知り合いにあんたと同じトリニタスの人がいるのよ。」
少年は上目遣いにユニヴァを見つめて静かにうなずいた。
そして僕とユニヴァは少年を連れて、小さな動物達の灯台へとやって来たのだ。
「ここは?」
「ちゅら星よ。」
「ちゅら星・・・。」少年は灯台を見上げた。
扉は開いていたものの、灯台には人の気配はなかった。
僕らはとりあえず、いつものようにテーブルに着いた。
「何か飲みましょう。」
ユニヴァがそう言うので、僕は冷蔵庫のアップルタイザーの瓶とグラスを3つ持って来た。
しばらく静かに過ごしていると、アップルタイザーのはじける音がサワサワと聞こえた。
物音一つしない静かな午後、彼らはどこに言ったのだろうか。
「そう言えばユニヴァ、小さな動物達は忙しいんだって言ってたよね?」
「うん・・・、結構大変なのかも・・・?」
「何が?」
「当然、犯人探し!」
「どこを?」
僕の質問にユニヴァは下を指さした。
「たぶん・・・でしょ?」ユニヴァはそう言ってグラスのサイダーを飲んだ。
犯人の行先は、あの奈落の底なのだろうか?
しばらくすると、外から足音が聞こえてきた。
「帰ってきたみたいね。」
大きな男とその肩に乗った小さな動物の姿が現れた。
「やあ、来てたの。」小さな動物が軽く言った。
「何かわかった?」
「いい帽子かぶってるじゃない。」ピンクの髪がユニヴァの猫帽子を褒めた。
そして僕の隣に座り込むと、僕のグラスで残っていたアップルタイザーを飲んだ。
「しっぽはつかんだって言いたいとこだけど、しっぽのようなものを見つけただけよ。」
「何よ、そのしっぽのようなものって・・・。」
ユニヴァがそう言うと、ピンクの髪が持っていた袋から何やら物体を取り出した。
「確かに、しっぽね・・・。」僕らはそれを見つめた。
それは紺色のふさふさの毛をまとったしっぽだった。
「こ、これはまさか・・・。」少年が小さく呟いた。
「この子、何よ?」我に返ったようにピンクの髪が少年を見つめた。
「レモン星にいたトリニタスの人。」僕が答えた。
「ああ、せっかく創った身体を盗まれちゃったっていうお間抜けちゃんがアンタなの?」
少年はピンクの髪の言葉にコクリと首を縦に振った。
「僕、この紺色の髪に憧れてたんだ・・・。」
「ちょっと待ってよ。」僕が割り込んで言った。
「しっぽって・・・あの時の紺色の髪の男にしっぽなんか着いてたっけ?」
今ここにいる中であの時の変容に居合わせたのは、僕とユニヴァだけだ。
僕はユニヴァを見た。
「着いてなかったわよ!」ユニヴァが言いきった。
「じゃあ何のしっぽよ?」ピンクの髪が顔色を変えて訊いた。
「幽霊のしっぽ・・・。」小さな動物が言う。
「幽霊ってのはくだらな過ぎるわよ。」ユニヴァがつまらなそうに言い捨てた。
「嫌だ。獣化してんじゃないの?」ピンクの髪が持っていた紺色のしっぽをテーブルに投げ出した。
「獣化?」小さな動物は眉間にしわを寄せた。
その時、大きな男が大ザルを抱えてやって来た。
「あ~ぁ、そんなものは何処かに片付けて。」
ユニヴァは気持ち悪そうに、しっぽを親指と人差し指で挟むと、窓際のヘリにそれを放り投げた。
そして大きな男がテーブルの中央に置いたのは、カラフルなそうめんが盛られた大ザルだ。
慌てたようにユニヴァとピンクの髪は手を洗いに出て行った。

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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2014/10/26 16:03】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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