FC2ブログ
ちゅら星(110)
「ほら、見てよ。」
追いついた僕とクーさんに、ユニヴァが大きな泥の塊を見せた。
僕もクーさんも黙ってただそれを見た。
「ほら、この渦巻。」ユニヴァは泥の塊を更に僕らに近づけて見せた。
「フズリナだ。」GackNtが言った。
ユニヴァが地層の山肌から掘り出したのだ。
「使えるの?」クーさんがGackNtに言う。
「掘りたてのフズリナなら充分充電済みだ、すぐに使える。」
そう言ってGackNtはニャントロを見た。
ニャントロはユニヴァにの持っているフズリナをなでるようにした。
「かなりの大きさだ、これならミンタカまでも充分だろう。」
「やったぁ!」ユニヴァが泥だらけのフズリナをぎゅっと抱きしめた。
「ユニヴァ、顔も胸も泥だらけだよ。」僕はユニヴァを見て笑って言った。
その後、GackNtが小さめのフズリナを2つ見つけた。
海岸に降りて来るとユニヴァが波打ち際に走って行く。
どうやらフリズナの泥を海水で洗い流そうとしているようだ。
僕もユニヴァの方へ寄って行った。
「ダメだわ、岩みたいにこびりついてる。」
泥水が滴り落ちているが、あまり形状に変化がないようだ。
「前にちゅら星のキャニオンドームで掘り出した時も、岩の固まり状態だったよね。」僕はニャントロと始めって出会ったあの時を思い出して言った。
「あの時は、ユニヴァの応接間でガッシャリ落としたショックできれいに取り出せたんだったよな。」クーさんが僕のすぐ後ろで言った。
「それだわ!」
ユニヴァはそう言うと辺りをきょろきょろと見回した。
そして、手近にあった平らな一枚岩めがけて持っていたフズリナを叩きつけた。
「あ・・・。」
僕らは茫然として一枚岩を見つめた。
「こんなとこで・・・渦・・・出ちゃった。」ユニヴァの微かなつぶやきが聞こえた。
それからの行動は速かった。
出してしまった渦を無駄にするわけにはいかない、適当に開放してしまった渦をニャントロがミンタカへと座標を調整してくれた。
そして別れのあいさつもそこそこに、GackNtとニャントロに飛行機の返却を託して、急いで巨大真珠に乗り込むと、僕らは一気に渦に飛び込んだ。
「ああちょうどいいところに・・・。」
僕らが到着したのは、ちゅら星へのポータルにも近い丘の中腹だった。
「お昼ごろかしらね?」太陽が真上から燦々と降り注いでいる。
「海岸へ出て、サンドウィッチでも頼みましょうか?」
僕らはホシマルちゃんのその提案に賛成した。
丘を降りたところにちょうどペリカンが一羽いたので、サンドウィッチの注文を済ませた。
そして木陰に並んで腰かけると、海を眺めてペリカンの帰りを待った。
「そうだ、ちょっと見てくる。」ユニヴァはそう言うと、丘の中腹の方へ戻って行った。
しばらくして、戻って来たユニヴァはフズリナを持っていた。
「やっぱり、もう渦閉まってた。」
ユニヴァは渦の痕から回収してきたフズリナを大事そうに膝の上に置いた。
「これ、充電すればまた使えるのよね。」ユニヴァが僕を見て言う。
僕は黙って頷いた。
サンドウィッチを食べていると、ホシマルちゃんが急に立ち上がった。
「+?¥*・・・。」
あの幻覚遊園地のヒツジ人間のことだ。
ホシマルちゃんは彼の無事を確かめたいと言った。
僕らはその件についてはホシマルちゃんに任せることにして、ここでホシマルちゃんと別れることにした。
そして、ポータルを抜けて久しぶりにちゅら星へと戻って来たのだ。
「まったく、あのトリニタス星人のおかげでとんだ目にあったよ。」クーさんが言った。
「そう?楽しかったじゃないの。」ユニヴァが言う。
「まぁ、ニャントロやGackNtの星にも行けたしね。」僕はとりあえずユニヴァをフォローした。
ちゅら星は朝一番の時間帯だった。
「おうっ、おはよう!」ちょうど灯台の入り口から出てきたのは、小さな動物だった。
「おはよう!ただいま。」僕らも答えて言った。
「ええっっ???」
うっかりあいさつを済ませたが、今はいるはずのない小さな動物がいる。
「アンタ・・・どうして?」ユニヴァがたどたどしく言った。
「ううん、ちょっとトラブルがあってね。」
小さな動物はそう言うと、中に入る様に僕らを促した。
テーブルにはピンクの髪の姿があった。
「あら、おはよう。」
僕らは適当にテーブルを囲んで席に着いた。
「ええと、全部で何人?」そう言って奥から声をかけたのは大きな男だった。
「トリちゃんは?」ユニヴァがピンクの髪に訊く。
するとピンクの髪は豊かな胸の谷間から小さな瓶を取り出して見せた。
「それで、一体何が起ったのよ?」ユニヴァがそう言うと、小さな動物も席に着いた。
スポンサーサイト



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2013/12/01 13:34】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
| ホーム |
WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ


れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

プロフィール

れもんちゅら

Author:れもんちゅら
こにちわ~!
Contact whiteuniva@gmail.com

teddybearSHOP:lemonchura

☆ちゅら星ヴィジュアル見に来て。

記事map

*ちゅら星*を途中から読まれるのに便利です。↓↓↓

全ての記事を表示する

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

category

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索

RSSフィード