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ちゅら星(106)
それから僕らは、このレストランでまた会うことを約束して席を立った。
そして一度ミンタカに戻るために、あのエレベーターの場所に戻ってきた。
「このエレベーターってどうやって動くの?」
ユニヴァがシートに座ってシートベルトを閉めてみた。
・・・
それから僕は思いついて、あのパンフレットのページをめくった。
「お帰りの際はもう一人のあなたをハグしてください・・・。」
どうやら分身を捕まえない限りここから出ることはできないようだ。
「マジかよっ。」クーさんがエレベーターのシートに吐き捨てて言った。
「捕まえなきゃ・・・とにかく・・・。」ユニヴァが顔を上げた。
僕らはとにかく人気の多いところに向かった。
長蛇の列が8本も出来ている、最新アトラクションのコーナーだ。
「おや、あそこ。」クーさんが言う。
ユニヴァ似のアイツだ。
銀色のドームを取り巻く列に並んでいる。
「急ごう!」
僕らはユニヴァ似のアイツを目指して急いだ。
と、その時だ。
「何?今の光・・・。」
一瞬、衝撃を感じるほどの強い閃光が走った。
「ちょっと待って、どう言うことだ。」クーさんが叫んだ。
僕は辺りの状況の急変に息を飲んだ。
「どこ行っちゃったのよ・・・みんな・・・。」ユニヴァが僕を見た。
僕はただ首を横に振った。
長蛇の列は一瞬のうちに消え失せた。
一瞬の光が瞬いた後、僕らを除くすべての人気が消え失せたのだ。
「あの羊人間たち、どうしたかしら。」ユニヴァがホシマルちゃんを見て言う。
「我々がまだここにいるということは、消えたのは分身だけと言うことかもしれませんな。」ホシマルちゃんが宙を見つめて言った。
次の瞬間、また閃光が走った。
「どうなっちゃうのよコレ!」ユニヴァがヒステリックに叫んだ。
僕らは見たこともない場所に立っていた。
「す、水中なのか?」クーさんが手で周りの大気をかきまわすようにして言う。
水中なのかどうかはよくわからないのだが、妙に大気が身体にまとわりつく。
遠くに建物と林が見える。
反対方向には、遥か彼方の山脈が見える。
「ここ、どこだ?」あらためてクーさんが言った。
「そうだ。」ユニヴァが言って、巨大真珠を放り投げた。
僕らは巨大真珠に乗り込み、ユニヴァの操作するモニターに目を凝らした。
「ずいぶん遠いな。」クーさんが言う。
僕らは驚くほど遠い場所に来てしまったようだ。
しばらくはなす術もなく落胆していた僕らだが、ホシマルちゃんの提案で見えている建物に向かうことにした。
建物は白一色の正方形をしていて、帯を巻くように細い窓が横に通っている。
ユニヴァは巨大真珠をギリギリまで建物に近づけると、その細い窓から中の様子をうかがった。
「ああっ?ピラミッドがある。」ユニヴァが言う。
カツゥン!
何かが巨大真珠の側面に当たった。
「何?」
僕らはキョロキョロと辺りを見回したが何もない。
カツゥン!
下からだ。
「ね、猫人間・・・。」
巨大真珠の真下でGackNt似の猫人間がこちらを見上げている。
「つーか、GackNt じゃん。」クーさんが言った。
ユニヴァは巨大真珠をゆっくり着地させた。
「久しぶり・・・でもないか・・・。」GackNtが笑顔で言う。
「それより、何でGackNtがこんなところに?」クーさんが訊く。
「それはこっちの台詞だ。」GackNtはユニヴァを見た。
「光がパァーンと来たのよね。」ユニヴァは僕に同意を求めるように言った。
GackNtが驚きの表情を見せた。
「まさか君たちはあの場所にいたのか?」
「知ってるの?あの面倒な遊園地。」ユニヴァがため息混じりに言う。
しかし、GackNt は地面を見つめたまま黙っている。
僕らはしばらくただGackNtを見つめていた。
「ねぇ、GackNt?・・・」クーさんが小さく声をかけた。
「頼みがある・・・。」GackNtが下を見たまま地面に言う。
僕らはただ、次の言葉を待った。
「この事は、ニャントロには黙っていて欲しい。」
GackNtが上目使いに僕らを見た。
「こ、この事って?」クーさんが言って、僕らは顔を見合わせた。
僕らの混乱状態は、さらに混沌としてきた。
それから僕らは、さっきの閃光が何なのかも、いったいここが何処なのかも、何故GackNtがここにいるのかもわからないままだったが、とにかく建物のなかに案内された。
「うわぁ、きれいなピラミッド。」ユニヴァが室内にそびえ立つ純白のピラミッドを見上げて言った。
「こっちだ。」
GackNtの呼ぶ方を見ると、ピラミッドのそちらの側面が大きく開いた。
内部は白一色で何もなく、三角錐の先細りの天井が高い。
今度は別の側面が開いた。
その先には全く別の空間が広がっている。
広々しているが、赤いソファアあるリビングのような部屋だ。
僕らがボーッと突っ立っていると、GackNt が座るように促した。
そして落ち着かないようすで、僕らの目の前に座った。
「こんなことになるとは迂闊だった。」
僕らは意味がわからないので、黙ってGackNtを見つめた。
GackNtは長い間何かを考えているようだったが、ふと我にかえったように僕らを見つめて言った。
「・・・で、何で君たちがここに?」
ユニヴァは呆れたようにため息をついて、僕らの事のなり行きをトリニタス星人の三位一体のところから話し始めた。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2013/07/27 16:34】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(1) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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