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ちゅら星(103)
「あの女の人、クーちゃんに似てる・・・。」その時ユニヴァが言った。
どうやらポップコーンマシーンの人は、クーさん似の別人だったようだ。
そして、確かにクーさんは僕の横にいる。
そう言えば、さっきメリーゴーラウンドで見かけた子も、ユニヴァにそっくりだった。
「あれ?・・・あの羊・・・。」そう言ってクーさんがホシマルちゃんを振り返って見た。
「そっくりさんが多いところですな。」ホシマルちゃんがクーさんに言う。
「・・・ここを抜けたら双子になるって、しかも男女の・・・。」
パンフレットを見ていたユニヴァが言う。
「ええっ!」僕とクーさんは顔を見合わせた。
思いついたように、ユニヴァが僕の顔を見て言った。
「これって、ゲームじゃない?」
みんな黙ってユニヴァを見た。
「そっくりさんを捕まえるのよ!」
瞬間僕は少し慌てて、一番近くのクーさん似の女性の方へと歩き出した。
すると彼女はポップコーンマシーンを離れ、すぐに見えなくなってしまった。
そして、他のそっくりな彼らの姿もどこかへと消え失せていた。
「まずはそのメリーゴーラウンドね。」そう言ってユニヴァは歩き出した。
「メリーゴーラウンドにはもう誰もいないよ。」僕は先を行くユニヴァに言った。
「人探しは遊んでからっ!」
ユニヴァはそう言って、先程ユニヴァにそっくりの子が乗った黄色いイルカにまたがった。
そしてクーさんは人魚にまたがり、僕はタツノオトシゴに、ホシマルちゃんはクラゲにまたがった。
メリーゴーラウンドが180度移動すると、向こうにカラフルなキノコの家がたくさん見えてきた。
「ミラクルマッシュルーム」クーさんが看板を読み上げた。
「次はアレね!ピンクのがいいわ。」ユニヴァが言う。
「おや、青いキノコのところ!」クーさんが叫んだ。
僕だ、僕に似た女の子だ。
メリーゴーラウンドが移動するとともに、僕似の人は青いキノコの中へと入って行った。
僕はメリーゴーラウンドが止まると、急いであの青いキノコの家へと向かった。
入り口はぽっかりと開いていて、カラフルな光が見える。
中に何があるのかは分からない、ただカラフルな光が激しく動いているのだ。
「行こう!」ユニヴァの声がした。
僕はユニヴァにつられて、そのカラフルな光の中に飛び込んで行った。
「ようこそ、ここは昆虫の部屋!」何処からともなく声が聞こえた。
「さぁ、用意はいい?」
すると何処からともなく、一匹、二匹と蝶が現れて、すぐに僕とユニヴァの周りをたくさんの蝶が舞い始めた。
セミがうるさく鳴いているし、すぐ脇の木の模型には黒光りするカブトムシだ。
「残り時間は後3分。」声が言う。
「このアミとカゴ・・・。」ユニヴァはテーブルの上の網とかごに手をかけた。
「残り時間は10・・・9・・・8・・・」
僕のかごにはカブトムシと青い蝶が2匹、ユニヴァはバッタと黄色い蝶が4匹入った。
「たくさんとれたかなぁ~。」
次の瞬間、部屋は白一色の何もないからっぽの部屋になった。
持っていた網とかごも消えてしまった。
僕とユニヴァは外に出た。
「そう言えば、僕のそっくりさんいなかったなぁ。」僕は当初の目的を思い出して言った。
黄色いキノコからホシマルちゃんとクーさんが出てきた。
「あ~重力重い~、宇宙遊泳の部屋だったぁ~。」へたれた様子のクーさんが言った。
「いい運動になります。」ホシマルちゃんはケロリとして言う。
「ユニヴァ、見て。」僕はホシマルちゃん達が出てきた黄色いキノコに、ユニヴァのそっくりさんが入って行くのを見て言った。
ユニヴァは一目散に、黄色いキノコに向かった。
残りの僕らも、ユニヴァに続いて黄色いキノコの中に飛び込んだ。
「ようこそ、ここは幽体離脱の部屋!」声が言う。
「あれ?さっきと違う、宇宙遊泳だったはずなのに・・・。」クーさんが言う。
「これはこれは、久々のダブルブッキング!」鳴り物入りで、さっきとは違う声が響いた。
その時、ユニヴァのそっくりさんが僕らの方に振りむいた。
「ユニヴァ・・・だね、僕もユニヴァだ。」その男の子が笑って言う。
ユニヴァが一歩、男の子のユニヴァに近づいた。
「君が僕に触れたら、ゲームオーバーだよ!君はフクロウのエレベータールームに戻される。」男の子は一歩後ずさりしながら言う。
「さぁ!準備はいいかい?」声が言う。
気がつくと僕ら全員の身体がハタリと床に倒れ込んでいて、僕はそれを少し上から見下ろしていた。
辺りを見回すと、モワッとしたクーさんやユニヴァやホシマルちゃんが見えた。
それから、ユニヴァの男の子版もモワッと見えていた。
「どこでも好きなところへ行って来て下さい。ただしカウントが聞こえたら1を数えるまでに戻らないと・・・大変なことになりますよぉ~。」
僕はとりあえず、部屋の壁を抜けてみた。
なんの抵抗もなくキノコの部屋の外に出た。
何処に行こうかと少し考えて見たが、思いつかないのでレモン星の自分の家のことを思った。
次の瞬間自分の部屋にいた。
「そうだ!」とひらめいて、LUME星のことを思ってみた。
次の瞬間、あのマチと過ごした、白い鳥達がいた海岸に僕はいた。
僕はマチに会いに行こうと思った。
「残り時間10・・・9・・・8・・・。」
僕はチェッ!と舌打ちした、もう時間がない。
僕は黄色いキノコの部屋を思った。
次の瞬間、目の前で双子のバトルが繰り広げられていた。
「ふざけないでよ!アタシはアタシよ!!」ユニヴァがぶち切れている。
と言うのも、あの男の子ユニヴァがユニヴァの身体に入ろうとしているからなのだ。
「君の世界を見て見たいんだ。」男の子が言う。
僕とクーさんとホシマルちゃんは身体に戻ったが、二人はユニヴァの体を掴んで引っ張り合っている。
「じゃあここでアタシはどうなるのよ!!」
「またいつか、ここで入れ替わればいい。」
「あんたが戻ってくる保証がないわ!」
カウントが聞こえて僕とクーさんは、男の子に飛びかかった。
「3・・・2・・・」
「今だ!ユニヴァ。」
僕とクーさんは、男の子を男の子の身体に叩きつけた。
男の子は、ため息をついて自分の身体を見回している。
「妙な噂の原因はコレかもしれませんな。」ホシマルちゃんがボソリと言った。
「ゲームを続けよう!」男の子はそう言うと、走ってキノコを出て行った。
「双子の相方を捕まえるとゲームオーバーなのね。」ユニヴァが疲れたように言った。
僕らは白一色になった部屋を出た。
「さてと、ゲーム―オーバーには早すぎるわよ。」ユニヴァはそう言って、辺りを見回した。
遠くにツタの絡まるお城が見える。
クーさんがポップコーンを調達してきたので、僕らはそれを食べながらお城の方へと歩き出した。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2013/04/26 15:52】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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