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ちゅら星(88)
恐竜料理で満腹になった僕らは、街を散歩して歩いた。
「うわぁあ、これちょっと素敵じゃない?」ユニヴァが何か見つけたらしい。
「ソレハ、コガタクビナガリュウノセボネヨ。」
ユニヴァが手にとって見ていると、店の女性がユニヴァの首にそれを巻きつけてくれた。
「コウスルノ。」店の人はそう言って、ユニヴァを鏡の前に立たせた。
「似合うね。ちょっと厳ついけど・・・。」クーさんが言った。
「いいね、いかにも今食べて来ましたって感じで・・・。」GackNtが言った。
ユニヴァはそれを無視して店の奥に進んで行った。
「ねぇ、これも売ってるの?」
「エエ、モチロン。」
20センチくらいの小さなラプトル系の恐竜だ。
透明ケースの中で恐竜フードみたいなものを食べている。
「育てて食うの?」クーさんが訊いた。
僕らは一斉にクーさんに白い視線を送った。
「ペットトシテニンキナノ、トオイホシカラモカイニクルノヨ。」
「もうちょっとライトな感じのネックレスは無いの?」ユニヴァはまた恐竜アクセサリーの棚に戻っていた。
「コンナノハドウ?」
差し出されたのは、10センチ程度の湾曲した白い牙のネックレス。
ちょうどユニヴァの襟元に沿うように湾曲している。
透明のワイヤーが通っているので、ぱっと見たところは牙だけがそこに浮いているように見えるのだ。
「じゃあこれにする。」
「いいお土産を見つけたね。」僕が言うと、ユニヴァは満足そうに笑った。
僕らは牙のネックレスを付けたユニヴァと共に、更に街を散歩して歩いた。
僕らはそれぞれに珍しい恐竜グッズを物色して回った。
僕は軟らかいスポンジ素材でできた色鮮やかな恐竜を見つけた。
「これは何に使うものですか?」そばにいた店の人に訊くと、彼はきょとんとした顔で僕を見ている。
それでも彼はすぐに気を取り直して、その恐竜をちぎって食べる仕草をして見せた。
どうやらマシュマロのようなお菓子らしい。
いつの間にかGackNtとニャントロは近くの店の軒先に腰かけて、飲み物を飲んでくつろいでいた。
二人に呼ばれて、僕も甘いヒスイ色の飲み物を飲んだ。
それからユニヴァと恐竜のおもちゃを小脇に抱えたクーさんも加わった。
「みんなはどんな星の言葉も流暢に使えるんだね。」僕が言った。
僕以外のみんなは流暢に店の人と会話しているのに、なぜか僕の言葉は通じなかったようだ。
「こういう時には『エスペラ』でしょ、普通・・・。」ユニヴァが言った。
「レモン星の人は多分知らないかもね。」クーさんは言った。
「『エスペラ』?・・・それ何?」僕には聞き覚えのない言葉だった。
その時、GackNtとユニヴァが同時に説明し始めた。
「譲るわよっ。」ユニヴァがGackNtに言った。
「いや、どうぞ。」GackNtもユニヴァに譲る。
どうもこの二人は勝ち合いやすい。
そしてユニヴァが説明し始めた。
「図形よ、図形を張るの。エスペラの図形を目の前に張ると、相手の想念が言語化されておなじみの言葉で聞こえるようになるの。そしてこっちの言葉は想念として図形に読み込まれて相手の言語で伝わるというわけ。分かった?」
「へぇ、便利なものだね。エスペラの図形を僕にも教えてよ。」僕は今すぐ知りたいと思った。
「ちゅら星に無事帰れたらね。」ユニヴァが冷たく言った。
「図形を覚えるのには、ちょっと複雑な工程がいるんだよ。」GackNtが付け加えた。
「何か欲しいものがあるなら、付き合うぜ。」クーさんが言ってくれた。
それから僕はクーさんを連れだって、また店を回って歩いた。
結局特に欲しいものも見つからなかったので、恐竜のマシュマロを全色25種類買ったみた。
ユニヴァには呆れた顔をされた。
ニャントロは黄色い恐竜が気に入ったようなので、プレゼントしてあげるとすぐにちぎって食べていた。
「さて、そろそろ行こうか?」GackNtが言った。
「ユニヴァ、ノドの調子は大丈夫か?」ニャントロがユニヴァを気遣って言った。
最初に行った公園に戻ると、ユニヴァは少し発声練習をすると言って声を出し始めた。
GackNtも小型に乗り込んでピラミッドの調整をしている。
僕とクーさんとニャントロは公園のベンチに並んで座った。
「黄色い恐竜は美味しかった。感謝する。」ニャントロが僕に言った。
「ニャントロも『エスペラ』使えばもっと流暢に会話できるんじゃないの?」何気なく僕が言った。
「我の場合は・・・それ以前に言語と言うものに慣れていないのだ。」そう言ってニャントロはうつむいた。
ピラミッドの調整を終えて、GackNtがいつの間にか隣のベンチに座っていた。
「ニャントロが他次元世界に旅したのは君達のちゅら星が初めてだ、それまで彼女はテレパシーによる想念伝授でしか会話をしてこなかったのだ。」GackNtが言った。
「でも、だいぶ上手になったよね・・・ニャントロの会話・・・。」クーさんがフォローするように言った。
ニャントロは小さくため息をついた。
その時、向こうからユニヴァの声が聞こえてきた。
「オッケー!絶好調!!。」
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2012/01/17 14:57】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ


れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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