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ちゅら星(86)
それから二日後にはGackNtのピラミッドが完成した。
僕とユニヴァは出発の前に時間の経過を確認しようと、またネズミの星を偵察に訪れた。
白ネズミのお城があった場所に、今度はキラキラと窓ガラスが光る巨大なビルディングがそびえ建っていた。
そればかりか星を取り巻く移動用のチューブは倍以上に太くなり、碁石みたいな街もそれぞれに大きさを増しているのが分かった。
「やっハり100年くらいはヘイカしていフみハいタっハ。」コウモリの星に戻るとユニヴァはみんなに告げた。
「ケホッ、ケホッッ。カキヒのせいかな・・・。」ユニヴァが2つ咳をした。
「焚火の煙か?」ピラミッドに納まった水晶玉をセットし終えたGackNtが小型巨大真珠から出てきてユニヴァを見た。
「こりゃまずいな・・・。」僕はため息とともに小さく言った。
「まさかユニヴァ、お前その声じゃ・・・。」クーさんが慌ててユニヴァに駆け寄った。
「フヒかも・・・。」
「無理ってユニヴァ・・・。」クーさんの絶望的っぽい声が響いた。
「今、炎症は沈めたから回復を待つだけだ。なに、直ぐによくなる・・・。」ニャントロはそう言って茂みの中に消えて行った。
僕らは焚火の火を完全に消して、巨大真珠の中で過ごすことにした。
ユニヴァは眠っていた。
クーさんはピラミッドの中の水晶玉を見つめていた。
GackNtも眠った。
「ところで次の目的地をどう設定する?」僕はふと思いついて言った。
『メェ~~』を使うに当たっては、その際に行きたい場所のイメージというものが重要なハンドルさばきの代わりになるからだ。
「次など考える必要はない、最終目的地さえ決めておけば少しずつでもそこに近づく。」眠っていたGackNtが答えた。
「なるほど・・・。」
「シゅら星にするわ・・・。」眠っていたユニヴァが言った。
僕も『ちゅら星』でいいと思った、ユニヴァが一番イメージしやすい場所だからだ。
それからまたユニヴァは眠った。
気がつくと、GackNtが小型真珠に乗り込んでジャングルに入って行く。
「ニャントロを迎えに行ったのかな・・・。」
いつの間にかクーさんも眠っていた。
GackNtはニャントロのもとへと、川の上流へ向かっていた。
川の上流は大きな岩が多く、開けていたので直ぐにニャントロの姿を発見した。
そして黒く大きな物体も・・・。
岩場に腰を下ろしたニャントロの傍らにその黒い物体は横たわっていた。
「コウモリ人間か?」
ニャントロは笑って頷いた。
「あの乗り物でここに来たようだ。」ニャントロが遠くの茂みに見える、黒っぽい鉄の塊に目をやった。
「コウモリ人間がシールドの外に・・・ハイキングにでも?」GackNtも腰を下ろした。
「不審な焚火の調査らしい。それと・・・。」
「どのくらい眠らせた?」GackNtが横たわるコウモリ人間を見て言った。
「とりあえず2日・・・。」
「それと・・・?」
「それと彼らが過去にタイムワープを望む理由をスキャンしてみた・・・。」ニャントロが言った。
いつの間にか僕も少し眠っていたようだ。
「GackNtは?」クーさんが言った。
「小型で出かけて行った・・・ニャントロ、遅いね・・・。」
辺りが暗くなりかけたころ、二人が乗った小型巨大真珠が草むらから姿を現した。
暗がりのせいか二人の乗った巨大真珠は光り輝き、僕は何か神々しいものを感じた。
「猫人間が二人乗っていると、巨大真珠が輝いて見えるね。」お帰りの代わりに僕が言った。
「それは我らが片割れ同士だからだ。」ニャントロがまた意味不明な答えを言った。
「我らは元々一つの存在だ。いずれまた一つとなる。・・・そして更に一つとなり・・・更にまた・・・。」GackNtが更に意味不明な説明を付け加えた。
「でもそれって、僕がLUME星でマチから聞いた宇宙の姿にちょっと似てる気がするよ。」僕はそう思った。
GackNtはややうんざりムードの中、頼まれもしない説明を更に続けた。
「まず片割れ同士が一つになり完全な存在になると、アッパーヤードにはそんな完全な存在がたくさんいる。その中からまた片割れに当たる存在を見つけ一つとなり、次のアッパーヤードでも、更に次のヤードでも同じことが繰り返されていく。そして一なる宇宙へ行き着くと、さらに一なる宇宙がたくさんあり、また一なるものへと融合して行く、それは終わりなく無限に続く。一なるものの一なるものへと、それに終わりは無く果てしなく続く・・・。」
「ハんたの話もムケンにツツきそうね。」かすれながらもユニヴァがカチッっと言った。
「もう一つ話がある、コウモリ人間に気付かれたようだ。」いきなりGackNtがそう言ったので、僕とクーさんはうろたえた。
「1日くらいなら猶予がある。」ニャントロはそう言って、ミントティーをユニヴァに差し出した。
ニャントロがミントの葉を捜しに川に出ると、厳めしい偵察機が頭の上でウザく旋回するので、目からビームを出して落としたということだ。
「ハんたのヒーム、飛行機も落とヒちゃうの?」ユニヴァがかすれた声で驚きを見せた。
「操縦士を眠らせただけだ。」
「すごい目力・・・。」
それから僕らもミントティーを飲んで、ユニヴァの回復を待った。
翌朝ユニヴァの声はだいぶ回復したようで、朝一番からユニヴァは発声練習を繰り返していた。
クーさんも朝早くからユニヴァの早期回復を願って、鍋をグツグツやっている。
「はい、ミントティーのフルーツ果汁割!」
ユニヴァはクーさんの特製フルーツミントティーをコクリと飲んだ。
「効くね、もう大丈夫。」ユニヴァはそう言って笑った。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2011/11/20 16:02】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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