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ちゅら星(84)
「ニャントロ、次に渦が出現する予定は・・・?」GackNtがモニターのニャントロに言った。
ニャントロはそれから短い時間集中して、瞳を開くと言った。
「ここからは大分離れた場所だが・・・4千年後に出現する。」
モニターには4千年に唖然とするクーさんの間抜け顔が見える。
「この宇宙域にはワームホールの毛細血管の先でさえ、まれにしか届いていないのだ。」
「どう言うこと?ニャントロちゃん。」ユニヴァの眉間にしわを寄せた顔が言う。
「普通でさえめったに現れない渦が、ここじゃあ更にもっと全然現れないってことでしょ。」クーさんがニャントロの代わりに答えた。
「ねぇ、GackNt!ピラミッドとか作ってワープとか出来ちゃうんじゃないの?」イラついたユニヴァが言う。
「無理だ。」
GackNtは静かにそう言っただけだった。
「とにかく、どこか落ちつける星を探そうよ。」僕がそう言うと、背後でユニヴァが睨んだような気がした。
しばらくすると、ニャントロがこちらの巨大真珠に座標を送って来た。
「とにかく行こう。」ニャントロはクーさんにそう言って、小型巨大真珠を起動させた。
そして僕らの巨大真珠もそれに従った。
ユニヴァは飲み物を飲むと、少し気を取り直したのか機嫌が良くなって、さっきの白ネズミの経緯を、広場で待機していた僕らに話始めた。
「ところでGackNt、あの時アメジストの洞窟があるなんてよく分かったわね?」
「即席で造った。」
「造ったの?」ユニヴァがハテナな顔をしている。
「あの手の惑星の深部には大小の水晶洞窟がある、小さいものをテレポートしたのだ。」
GackNtの説明にユニヴァは「ふぅ~ん。」と答えて窓の外を見ていた。
しばらくたってからクーさんが言った。
「だけどGackNtが造ったのは、水晶じゃなくてアメジストの洞窟じゃなかった?」
「水晶じゃ珍しくもないから、イオンを少しいじってアメジストに変化させただけだ。」GackNtは面倒臭そうにそう説明を加えた。
「出来るね、アンタ。」ユニヴァが生意気そうにGackNtを褒めた。
その時ニャントロが何かに反応した様子で、目をぱちくりさせた。
「どうしたのよ、ニャントロちゃん。」
「水晶・・・。」
ニャントロはそのまま少し集中した。
僕らは黙って、ニャントロが何か言うのを待った。
「女神・・・だ!」ニャントロが低く叫んだ。
「女神がどうかしたのか?」クーさんが慌てて訊く。
「あのネズミの惑星の海に女神の水晶が落ちた。」
ニャントロが言うには、閉じて行く渦に向かって女神の水晶が投げ込まれたというのだ。
「でもそれが、何か役に立つの?」ユニヴァが言う。
「分からないが、彼女の水晶はただの水晶ではないことだけは分かる・・・。」ニャントロが弱気に言う。
そして僕らは、目的の安全な惑星で作戦タイムをとってから、女神の水晶探しをすることに決めた。
「あれだ。」ニャントロが言った。
前方に僕らの目的の星が青く光っていた。
「念のためスキャンしたけど、大気は安全って言うか、すごくいい感じ。」ユニヴァがパネルの数値を僕らにも見るように促した。
青緑色の海に大きめの島がまばらに点在しているのが見える。
「とりあえず、そこの白い砂浜に降りて見よう。」
GackNtがそう言って、僕らは近場の島に向かって高度を下げていった。
「止まれっ!ぶつかる!」ニャントロが叫んだ。
2台の巨大真珠は慌てて急停止した。
「シールドされている。」
「シールド?」
ニャントロが目を閉じて島の様子をスキャンしている。
その時、突然クーさんが叫んだ。
「何あれ?」
巨大な鳥が巨大真珠のすぐ下を通り過ぎて行った。
「巨大鳥。」僕が言う。
「コウモリだ。」すぐにGackNtが訂正した。
そしていつの間にか目を開けていたニャントロが、この星について説明した。
コウモリだらけの星だと言うのだ。
もちろん知的生命体も少数だが存在して、形体はコウモリに似たヒューマノイド、好戦的で吸血も好むそうだ。
シールドはこの星の知的生命体が、巨大コウモリや吸血コウモリから身を守るために造ったものだ。
説明を聞き終えるとGackNtは、シールドがない島を捜すようにニャントロに言った。
「ちょっと、他の星を探した方がいいんじゃないの。」クーさんが早口に言った。
「だったら磁気嵐が荒れ狂う星とドライアイスの星とどちらがいい?」ニャントロが意地悪く言った。
「磁気嵐。」僕が言うと、ユニヴァが「いや、ドライアイスの方。」と言った。
結局僕らが降り立ったのは、さっきのシールドされた島から二つ先の島で、鬱蒼としたジャングルの島だった。
「やったぁ!渦が出た。」ユニヴァが上空を見上げて叫んだ。
「小型のコウモリだ。」GackNtが見上げずに答えた。
黒煙のように渦巻いて見えるが、確かにコウモリの大群のようだ。
僕らがコウモリの大群に気をとられているうちに、GackNtの姿が見えなくなっていた。
ニャントロはそれに気を止める事もなく、僕らのオーラに振動数を与えて、害虫が寄り付かないようにしてくれた。
「でも、吸血コウモリと蛇には注意するように。」ニャントロが言った。
辺りには巨大コウモリの姿もなく、僕らはフルーツでも見つけようと近くを散策して回った。
やっとこ見つけた小さな柑橘類をとっていると、クーさんが僕の腕をつかんだ。
ジャングルの木々がゴソガサと不自然に動いている。
何かをズルズルと引きずる音が聞こえる。
「巨大アメーバーじゃ・・・。」クーさんが震えあがった。
「なんだ、GackNt!」ユニヴァが言った。
何かをズルズルと引きずりながらGackNtが姿を現した。
「ええっ、バナナっ、大きいっ。」
「ピラルクでも釣って来たのかと思った。」ユニヴァがその大きさにそう言った。
「ピラルクも釣った、誰か運ぶのを手伝ってくれ。」GackNtはそう言って、ピラルクほどの大きさのバナナを僕らの前に放り出した。
それから僕とクーさんはピラルク運びを手伝った。
そして焚火の中にピラルクを放り込んでしまうと、安全のため巨大真珠に乗り込んで、女神の水晶玉について考えた。
「何に使えるのかは分からないけど、女神は僕らを助けようとしてくれたに違いないよ。」僕が言った。
「とにかく、ただの落とし物だったとしても、女神のものなんだから回収しなくちゃ。」ユニヴァが言った。
そして僕らは、あのネズミの星に渦が出ていた付近が朝になる時間を見計らって、潜水捜索することになった。
「よしっ!ゆっくりピラルクでも食べて、その後の朝を狙おう。」クーさんが言った。
僕らには十分時間があるのだ、4千年も・・・。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2011/09/21 16:04】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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