FC2ブログ
ちゅら星(63)
39.ニャントロちゃん現る
「渦だぁ~!渦が出たよ~うっ!」
ユニヴァがそう叫んでいる間に、応接室の窓に現れた小さな渦の中から金色の光が飛び出して来た。
ダイヤモンドダストを振りまいて、光は回転しながら大きくなっていく。
「ああっ!」
渦の形がゆがんだと思ったとたん、そこには金色の長い毛並みの猫人間が浮いていた。
「あんた誰?」
「ニャントロだ。」金色の猫人間はぶっきらぼうに、しかし静かに言ってユニヴァを見つめた。
「お前・・・ユニヴァか?」
「なんであたしのこと知ってるのよ?」
「忘れ物・・・捜す。我、白い宇宙・・・来た。」
「何を忘れたのよ?しかもちゅら星に?」
「ユニヴァ・・・Lume星・・・ポータルを開いた。お前も・・・持っている。」
「まだポータル開いてないわよ。」
「同じことだ。」
「も・・・もしかして渦巻貝のことじゃない?」小さく僕が会話に割り込んだ。
金色のニャントロはちらりと僕を見てから、ユニヴァを見つめなおしてうなずいた。
「だめよ!あれはマチがあたしに・・・。」あわててユニヴァが言う。
「お前の・・・違う。10億年前・・・我の。我、ちゅら星・・・来た。」
「何言ってんだかわかんないわよ。」かたことのニャントロの言葉にユニヴァがいらだった。
「猫同士ならテレパシーでいけるんじゃない?」クーさんが提案してみる。
するとニャントロの目が金色に輝き始めたのだ。
辺りに甘いいい香りが立ち込めてくるのがわかった。
ニャントロからは気持のよい波動が出ているように感じた。
しばらくして目の輝きがやむと、いい香りと柔らかな波動も消えていった。
「何だって・・・?」クーさんがユニヴァに尋ねた。
「・・・いい匂いがしただけよ。」テレパシーはダメなようだ。
ニャントロがまたかたことで続けた。
「10億年前・・・渦閉まる・・・我帰る・・・フズリナ忘れる。」
「忘れるなんて間抜けね。」ユニヴァが言った。
「確かに・・・。」ユニヴァから少し目をそらして、ニャントロが非を認めた。
どうやらニャントロは10億年前に渦を通ってここへ来たらしい、そしてその時フズリナという渦巻貝を忘れたようなのだ。
「フズリナ?・・・10億年前?」
一息ついてから、僕らは事のトンデモさに気がついた。
「あんた10億年以上も生きてるの?」
ニャントロは恥ずかしそうにうなずいて笑った。
僕らはハテナマークのままニャントロの優雅な笑顔を見つめていた。
「白い宇宙、時流違う。」
と言っても10億年というのは、ちゅら星の時間に換算すると約1億年のことらしい。
「そりゃ古すぎる、化石になってるな。」クーさんが首を振った。
「我、急ぐ、渦閉まる。」
ニャントロにそう言われても、1億年前のフズリナをどうやって捜せばいいのかが問題だった。
「この窓塞いじゃおうかな、厄介事に巻き込まれそうだもの。」迷惑そうにユニヴァが言った。
金色のニャントロは戸惑ったように窓の小さな渦巻を振り返った。
「とにかくみんな乗って!」
ニャントロを含めた僕ら4人は、ユニヴァの巨大真珠に乗り込んだ。
「ユニヴァ、手掛かりでも思いついたの?」
「ああっと、忘れ物。」
ユニヴァはちらりとニャントロを見て笑ってから、巨大真珠をヒョンと降りて行った。
戻ってきたユニヴァは小さな透明の袋をぶら下げていた。
袋の中では、あのマチからもらった渦巻貝の紫色の光が脈打っている。
「忘れるよねぇ、これ。」
ユニヴァはそう言うと一気にワープでちゅら星の上空に移動した。
スポンサーサイト



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2010/03/02 15:19】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(1) |
| ホーム |
WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ


れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

プロフィール

れもんちゅら

Author:れもんちゅら
こにちわ~!
Contact whiteuniva@gmail.com

teddybearSHOP:lemonchura

☆ちゅら星ヴィジュアル見に来て。

記事map

*ちゅら星*を途中から読まれるのに便利です。↓↓↓

全ての記事を表示する

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

category

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード