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ちゅら星(62)
いつまでも巨大真珠から出てこない様子の小さな動物と大きな男にユニヴァが声をかけた。
「ミンタカ星の広い牧草地で試乗するってどう?」
そうだ、ユニヴァは残りの1つの箱をホシマルちゃんに届けるつもりなのだろう。
ポータルの洞窟を抜けるとミンタカ星では朝日がキラキラと輝いていた。
もちろんレモン星から連れてきた男の子は、ここが遠く離れたあの三つ星の一つだとは知らない。
ペリカンのいる海岸に着くと、僕らは各々の巨大真珠を出した。
ユニヴァの巨大真珠と僕らの3台の小ぶりの巨大真珠がズラリと並んだ。
大きな真珠に小さなユニヴァは優雅に独り乗り込んでいる。
小さな動物と大きな男は二人乗りの座席に背中合わせに乗っているのだが、大きな男一人で乗っているようにしか見えない。
僕は運転操作に自信はないが、責任もってレモン星の男の子を乗せている。
独り乗りのクーさんはというと、モニターの取り扱いナビにしきりに目を凝らしている。
「とにかく最後はホシマルちゃんの家に集合よ。」スピーカーのユニヴァが言った。
僕らは広い草原にビューンと四方八方に飛び出して行った。
眼下では毛むくじゃらの羊たちが朝食の時間だ。
徐々に高度を上げながら進んでいくと、遠くに高くそそり立つとがった雪山が見えてきた。
雪山の手前で僕は進路を折り返すと、すぐ近くにクーさんの巨大真珠を発見した。
「クーさん、上手くいってる?」
「やっと慣れてきたよ。」
「これからどっちに行くつもり?」
「君の後をつけるつもり・・・。」
そして僕は、今度は草原を超えて海岸を超えて大海原の上空へと飛び出して行った。
あのペリカンが何処からサンドウィッチを運んでくるのか突き止められるかもしれない。
海岸の西側は半島になっていて、海岸線がどこまでも続いていた。
半島の先端近くに行くとピンク色の屋根の建物がたくさん並んでいるのが見えた。
そのすぐ真下の海岸にはたくさんのビーチパラソルが等間隔に並んでいる。
高度を上げて半島の上空に乗り出すと、ピンク色の屋根にたくさんのペリカンの姿が見えた。
「クーさん、きっとここがサンドウィッチの出所だね。」
「降りてみるかい?」
海岸のパラソルでは、羊風のヒューマノイドのほかペリカン風のヒューマノイドや魚風のヒューマノイドや爬虫類風のヒューマノイドなど僕らには珍しいタイプの人々がサンドウィッチの朝食をとっていた。
クーさんはサンドウィッチを食べる気満々だったのだが、レモン星の彼が妙な面々にやや引いているのを感じ、僕らは早々に半島のサンドウィッチ屋を離れた。
「あのサンドウィッチ美味いんだぜ。」クーさんのつぶやきが聞こえた。
そしてさらにミンタカ星の大海原へと乗り出して行った。
まるであの海王星を思わせるように、大海原はただ青く続いている。
しばらくすると小さな緑の島が見えてきた。
小さな島だったが、その島の先にはいくつものさらなる島が見えてきた。
「無人島だろうね?」クーさんの声が聞こえた。
その瞬間キラリと光るものが見えた。
「大きな水たまりだ。湖か池かな?」
「そろそろ一休みだ、降りてみよう。」
そこは湖ほどではない、大きな池といったところで深緑色の不透明な水の色をしていた。
僕らは池の水面すれすれをゆっくりと観察しながら進んだ。
「すごく藻だらけの池だな。」
水中におい茂る藻のせいで、不透明な深緑色に見えていたのだ。
「あっ!今カニがいたね。」
空中を自由に移動できるこの巨大真珠の快適さを満喫して、僕らはユニヴァのプレゼントに感謝せずにいられなかった。
「うわぁあっっ!」男の子が僕のすぐ後ろで叫んだ。
僕はすぐにモニターで彼の側に目をやった。
クーさんはぐるりと180℃回転した。
「っっかえるっ!!」
「カエル?」
「なんだカエルか。君は両生類ダメ派か?」クーさんは自分の臆病さを棚に上げて笑った。
僕が移動し始めたとたん、今度はクーさんが叫び声をあげた。
「カエルだぁ~~~あ!!」
しかたなく今度は僕も180℃回転して向きを変えてみると、巨大だ。
僕らの背丈以上もある巨大なカエルが、まるで僕らが平泳ぎをするようにして水中をビヨォォ~ンと泳いで行った。
そしてそいつが池のふちまで泳ぎ着くと、その周辺の草むらがゴソゴソと揺れだした。
鮮やかな緑色のヌメヌメとした身体があちこちからにょきにょきと数十体姿を現したのだ。
次の瞬間僕らは一気に急上昇して素早く池を脱出し、上空に飛び出してほっと息をついた。
それにしてもだいぶ時間がたっていることに気がついた。
「もうみんなとっくにホシマルちゃんの家に行ってるよ。」
僕らは青一色の大海原を、あのサンドウィッチ屋の半島が見えてくるのを待ち遠しい気持ちで進んだ。
遠くに半島がかすかに確認できた。
「ああ、帰って来たね。」ホッとしたようなクーさんの声だ。
少しするとまた声が聞こえてきた。
「2時の方向、ピンクの屋根とパラソルが目印よ・・・。」ユニヴァの声だ。
「了解!」
半島に近づくと、パラソルの下でくつろぐみんなの姿が見えた。
ホシマルちゃんもいる。
幸いほかの客の姿はなく、今ならレモン星の男の子にも安心だ。
それから僕らもサンドウィッチを注文した。
クーさんはついでにお土産用のサンドウィッチまで注文した。
その間にホシマルちゃんは少し練習をすると言って、僕らのパラソルの前を嬉しそうに巨大真珠で行ったり来たりして見せていた。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2010/02/03 14:12】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。   エンドレスなちゅら星の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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