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ちゅら星(48)
僕が水面に顔を出した時には、黒猫なユニヴァと小さな動物は毛繕いをしていた。
クーさんはシャツを絞っているところだった。
それから僕も泉から上がって着ていたTシャツを脱いで雑巾のようにしぼった。
ここは相変わらずの熱帯雨林で、真夏の日差しが注いでいた。
僕らは泉を抜けて海王星にやって来たのだ。
一息ついたところで大きな男の姿を探していると、遠くにあのウミガメらしき小さな黒いものが見える。
僕らは体を乾かしながらウミガメの方へとのんびり歩いて行った。
近づいて行くとウミガメのそばに小さな光が浮いているのが見えた。
ウミガメにお礼でも言っているのだろう。
「あの人、いつまで光のままなのかしら?」とユニヴァが言った。
すると小さな光は虹色に輝きだしたかと思ったら、急激に膨張して大きな男が姿を現した。
そして僕らはウミガメと別れた後、ユニヴァの巨大真珠を出して乗り込んだ。
海王星は小さな島がところどころに点在するだけで、ほとんどが真っ青な海一面だ。
僕らの眼下には青一色しか見えないので、前進していることさえ感じないほどだ。
時々、岩の塊や小さな白い砂場が通り過ぎて行く。
「ユニヴァ、大丈夫?」僕は不安になって言った。
「灯台は目立つから、適当に飛べば見つかるわ。」
それからクーさんが目印とかはないのかと、くどくどとユニヴァを問いただした。
結局ユニヴァは今まではタクシーまかせで海王星に来ていたので、灯台の正確な位置は全く知らないと言うことがわかった。
クーさんはテレパシーで探ってみると言って、目をつぶり始めたがあてになりそうもない。
ユニヴァは特に動揺した様子もなく、真っ青な海王星のドライブを楽しんでいるようだった。
ところが突然ユニヴァが水中向かって下降し始めたのだ。
「どうしたっ!」瞑想に入っていたクーさんが驚いて目を開けた。
「海の中には手掛かりいっぱいよんっ。」
いつでもユニヴァは余裕なのだ。
海中に入った巨大真珠はゆっくりと海の深みへと落ちて行った。
だいぶ青が濃くなって来たころ、ちょうど僕の目の前に真っ黒な海溝の入口が口を開けているのが見えた。
「ユニヴァ、このまま落ちて行くのはまずいよ。」
ユニヴァが操縦舵に手を掛ける間もなく、僕らはものすごい勢いの海流に飲み込まれたのだ。
ユニヴァは舵を引いて浮上させようとしているようだが、海流にもまれて舵をロックすることができないでいる。
巨大真珠は回転が止まらない。
ユニヴァの両脇の大きな男とクーさんがあわてて手伝った。
回転が少しだけ遅くなったが、とても海流から抜け出せそうもない。
それより僕は少し気持ち悪くなってきていた。
「ピーちゃん、今のうちにワープしちゃって!」ユニヴァが叫んだ。
「座標は?」
「そんなの適当に!」
僕は気持悪さとめまいを感じながら、海王星内の全く適当な座標を設定してワープボタンを押した。
僕らは巨大真珠の上半分を海上に出して、真っ青な海に浮かんでいた。
まだ、少し気持悪さは残っている。
僕らは長い間、ただ青い海を眺めてそのまま波に流されるままに浮かんでいた。
「あれ、レトロなUFOが来る。」ユニヴァがつぶやいた。
ユニヴァ方向にモニターを切り替えてみると、葉巻型UFOに似たものが波間に浮いているのが見えた。
「あれ、UFOじゃなくて潜水艦じゃない?」
僕らはまたぼうっとしたままその銀色の物体を眺めていた。
それは波に揺られるうようにゆっくりはこちらに近づいてくる。
銀色の物体には窓らしき物も見えない。
「ユニヴァ、逃げた方がいいかも。」と僕が言うと同時に、潜水艦のてっぺんから人が顔を出した。
うるさそうに髪をかきあげてから、こちらに向かって手を振って見せた。
僕らはじっと見ていた。
するともう一人似たような人が、やはりうるさそうに髪をかきあげながら現れた。
「ソラとウミだ・・・ソラとウミだよ!」ユニヴァが大きい声で言った。
あの灯台守のソラとウミだ。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2008/12/02 17:01】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(1) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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