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ちゅら星(34)
ユニヴァのあいさつは「なんだかいいにおいがしてる。」だった。
間もなくユニヴァの応接間のテーブルには、3人分の1/6のキッシュロレーヌの皿とオニオンスープの皿、それからバスケットに山盛りのパンが並べられた。
そして僕のLume星からの帰還を祝って、シャンパンで乾杯した。
二人ともまるでLume星のことなんてどうでもいいかのように、おいしい料理に集中している。
僕らはほんの数分ですっかりお皿を空にしてしまうと、シャンパンを片手にどっぷりとソファアに持たれた。
「んで?」とユニヴァが生意気そうに僕のほうを見た。
僕はそうそうと言わんばかりに渦巻貝を差し出した。
「うわっ!Lume星の貝ね。」ほとんどクーさんと同じリアクションだった。
「マチの声もするそうだよ。」とクーさんが言うと、ユニヴァが貝に耳をあてた。
しばらく押し当てた後、渦巻貝に口をあてて「もしもし・・・。」と言ってから、また耳に当てたりしていた。
「うっかりして吸い込まれちゃったんだ。」僕が話し始めたので、クーさんはソファアから身体を起こした。
「ちょっと何にも聞こえないけど?」とユニヴァが渦巻貝を見つめて文句を言った。
僕はもう今は聞こえていないことを告げ、そのことは後で話すからと言った。
そして僕はLume星旅行記を語り始めた。
ユニヴァは僕の話を聞いている間も、時々貝を耳に押し当てたりしていた。
途中クーさんはマチの容姿について詳しく聞きたがったのだが、とても鮮明な夢だったのになんとなく輪郭がおぼろげになってしまう時に似た記憶で、とにかく輝くような白さのヒューマノイドでマチに限っては薄い紫色の髪の毛のようなものがフワフワしているとしか説明のしようがなかった。
クーさんのプロデューサーはかき氷のLume星人だと言うくだりでは、クーさんもユニヴァも大爆笑で、あんな神秘的な体験が台無しになりそうになった。
「それからユニヴァってとってもスゴイんだ。いつかちゅら星でLume星へのポータルを開くことに成功するんだから。」と僕が言うと、クーさんが思いついたような顔をした。
そして、「そう言えばこの前会った時、三ツ星のどこかにLume星へのポータルがあるって言ってなかった?」とユニヴァに問いかけた。
「一番左側のにね。」と渦巻貝を受話器風に耳に当てながらユニヴァが言った。
それから、クーさんが三ツ星の左側に行ける方法を探してみようという話をし始めて、Lume星旅行記は中断された。
ただし三ツ星は僕らの宇宙とは若干違う次元で、この辺りでは三ツ星への旅行は一般的でなく難しいらしい。
それからしばらく沈黙が流れて、僕は帰りぎわのあのLume星の海を思い出しながら「Lume星の海って何とも言えなくメロウできれいなんだ。」とポツリと言った。
それからLume星旅行記の最後の部分を話し終えて、僕はユニヴァの持っている渦巻貝を指さして言った。
「マチがその渦巻貝をユニヴァに渡すようにって。貝からマチの声が聞こえてきてそう言ったんだ。」
ユニヴァはしばらく渦巻貝を眺めてから、口を押しつけて「ユニヴァです。ユニヴァです。どうぞっ。」と言ってから、今度は耳に押し当てて僕の方をじっと見ていた。
何か聞こえるのではないかと、僕とクーさんも息を殺してユニヴァをじっと見つめた。
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2008/03/17 16:33】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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