FC2ブログ
ちゅら星(32)
25. Lume星からの帰還
「ユニヴァが来たときにはね・・・」
僕らはマチの家のベランダの手すりに戻ってきた。
「ユニヴァがここに来たの?」
「まだ、だいぶ先のことだけれどね。」
マチの話は未来のことでも過去のことでもいっしょくたんなのだ。
「ユニヴァが来たときにはね、Lume星とちゅら星を結ぶポータルを開いていったのよ。」
ということは、未来にはちゅら星からいつでもLume星へ来れるようになるということだ。
「僕もレモン星とのポータルを開きたいな。」
「残念だけど、今はまだその時じゃないのよ。」
僕はちょっとがっかりした。
「でも、ちゅら星のポータルが開いた時には、あなたもまたLume星へ来るのよ。その時にはもっとたくさんの素晴らしいLume星を見せてあげられるんだから。」
そのうちいつでも来れるようになるのだと聞いて安心した反面、Lume星の価値がちょっぴり下がってしまったような気がして残念にも思った。
でも今のところLume星は特別な場所には違いないのだ。
「それにしてもポータルの開設者だなんて、ユニヴァってなんだかすごいんだなぁ。」
ベランダから見える海は緑色の透明で波もなく穏やかに揺れている。
僕はLume星の海で泳いでみたいと思った。
「じゃあ行きましょう。」
そう言ってマチは白い羽をはばたかせて、ベランダから飛び立った。
そして僕も飛び立った。
マチは適当な場所で螺旋を何度か描いてから海中にダイブした。
透明の水の中に白い影がすうっと伸びて、それは水中で白いイルカの姿になっていた。
僕は何度も何度もその場所で螺旋を描きながらマチの白イルカを眺めていた。
そして少しずつ高度を下げていき水面間近まで下りてきてからポチャリと海に入ると、首のあたりをつかまれてグイと水中に引き込まれた。
僕が体をブルブルっと振ってみると、僕もちゃんと白イルカに変身していた。
午後の日差しが海底に差し込んでメロウに揺らめいていた。
マチはどんどんとスピードを上げていくので、僕とマチの間隔はだんだんと広がっていって、すっかりマチの姿が見えないほどになってしまった。
僕は心細さを感じながらも、とにかくマチの見えなくなった方を目指して進んでいった。
しばらくすると、前方にうっすらと白っぽい影が見えてきたので安心した。
そこにはマチがヒューマノイドの姿で、海底に立って僕を待っていた。
マチの方へ近づくと、マチが何かを僕に差し出した。
青白くキラキラ発光する渦巻貝だ。
僕は渦巻貝をくちばしで受け取った。
そしてマチが指をさした方を見ると、金色の渦が大きく渦巻いていた。
僕はもしかしたら、これが帰り道なのかもしれないと思ってしばらく金色の渦を眺めていた。
「イルカと鳥以外はまた今度にね。」
マチはそう言うと、僕のヒレをつかんで金色の渦の方へ僕を促した。
スポンサーサイト



テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2007/10/27 16:11】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
| ホーム |
WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ


れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

プロフィール

れもんちゅら

Author:れもんちゅら
こにちわ~!
Contact whiteuniva@gmail.com

teddybearSHOP:lemonchura

☆ちゅら星ヴィジュアル見に来て。

記事map

*ちゅら星*を途中から読まれるのに便利です。↓↓↓

全ての記事を表示する

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

category

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索

RSSフィード