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ちゅら星(30)
23. 僕は鳥星人
「レモン星ってどんなところ?」砂浜に着地したと同時にすぐそばにいた青いくちばしの白い鳥が話しかけてきた。
「あれ君!」そんな驚きの声とともに、僕の周りにたくさんの鳥が集まってきた。
遠くの木からも飛来してきた。
「この前ちゅら星で見かけたぜ。変なイルカと海水浴してたよな。」隣に寄ってきた一羽が言った。
イルカの着ぐるみのユニヴァ達と一緒の時のことを言っているのだ。
僕の頭の上の木の枝にもたくさんの白い鳥が集まってきている。
「ねぇマチ、なんでピーちゃんがここに帰ってるの?」木の上から声がした。
白い鳥の姿のマチは紫色のくちばしでその質問に答えた。
「ピーちゃんは、ラッキーラブレターを見つけ出したのよ。」
そして大拍手の代わりに大羽ばたきが起こって、白い羽がふわふわとそこらじゅうに舞った。
「だからぼーっとしているのね。のんびり鳥星人を楽しんでいくといいわ。」さっきの鳥が笑った。
「マチ、僕は鳥星人なの?」
「鳥星人ってなによ!ここはLume星よ。」白い鳥のマチがさっきの鳥を見上げて睨んだ。
「そうよ、みんなLume星人よ!レモン星やちゅら星のお友達もみんなね。」
「・・・・。」
「Lume星人の卵はこの多次元宇宙のどこにでも行って孵化できるの。あなたはレモン星で孵化したってことよ。わかった?」
僕はうなずいた。
「Lume星人じゃない人もいるの?」
「みんなLume星人だってさっき言ったでしょ。よその多次元宇宙は知らないけどね。」
「Lume星人ってみんな白い鳥なの?」
「通常はね。でも形は自由だわ。」
そしてマチが遠くの丘をさすようにくちばしを向けた。
「ほらあの丘の木々の間には明るい緑色がちらちら見えるでしょ。」
よく注意しないと気がつかないけれど、深い緑の木々の間に明るい緑色の鳥たちが見えた。
「Lume星人にも多様性はあるわよ。」
そう言ってマチは翼を広げて舞い上がった。
僕はあわてて「それじゃ。」と手短に周りの鳥たちに挨拶をしてマチの後を追いかけた。
エメラルドの海の上をマチについて飛んでいる。
透明度の高い海の中にはイルカみたいな大型の魚がよく見える。
小さな島に先についたマチは砂浜に降り立つと同時にヒューマノイドのLume星人になって、片方の腕をのばしてもう一方の手で伸ばした腕をたたいた。
まだ鳥生活に慣れていない僕としてはへとへとになってきていた。
どうやら僕に腕にとまれと言っているようだ。
僕はゆっくりと何度もマチの頭上を旋回しながらやっとこマチの腕に降り立った。
それからマチは僕を肩に移動させると歩き出した。
砂浜を抜けて背の高い雑草の中をどんどん奥へと進んで行くマチ。
「ねぇマチ僕たちこれからどこへ行くの?」
「滝。」
この島のどこかに滝があって、マチはそこに向かっているらしい。
それからはしばらく黙っていた。
この雑草の野原はとても広い、先に見えている山の近くに滝があるのかもしれない。
「どうして僕はマチにLume星を案内されているのかな?」
「ラッキーラブレターを見つけたから。」
「ねぇマチ。ここは本当に銀河の中心の近くの物凄く進化した星なの?」
「銀河の中心の近くのレモン星よりはだいぶ進化した星よ。」
「なんだかいまひとつ納得できないんだよなぁ。」
「何が?」
「このラッキーラブレターのシステム。」
それから木漏れ日の揺れる明るい森の中を進んでいった。
まもなくサラサラと水の音が聞こえてきた。
10メートルほどの高台から大量の水が流れ落ちている。
マチは僕を腕に移すと、反動をつけて僕を滝の方へと飛び立たせた。
僕は気持のよい水しぶきの中へと羽ばたいて、滝の隙間を縫って滝の裏側まで行き、濡れた岩肌にしがみついた。
まもなく白い鳥のマチが僕のすぐ隣の岩にしがみついてとまった。
「とっても気持ちがいいねマチ。なんだかどこまでも飛べそうな気分になってきたよ。」
鳥顔のマチはにっこりした。
「さぁそろそろ戻るわよ。」
「僕はもっとここにいたいなぁ。」
「だめよ、このエネルギーはとても高周波エネルギーなんだから。」
「この滝ただの滝じゃないの?」
「ここはLume星よ。」
僕はマチのくちばしにつつかれて滝から出た。
僕らは滝の落ちてくる上まで飛んで行って川沿いに少し進んだ。
小さな白い花がたくさん咲いている川辺の野原に着地した。
一息つくとマチはヒューマノイドになっていた。
気がつくと僕もいつもの僕に戻っていた。
けれどもよく見ると肌が光沢を帯びて白っぽく光っていることに気がついた。
滝を浴びたせいだろうか、ちょっとLume星人みたいになってきた。
僕は腕をマチの腕の近くにのばして皮膚の色を比べてみた。
一瞬、長い耳のマチが、猫のユニヴァに見えた。
「今何か気がついた?」と意地悪そうにマチが言った。
「マチが猫に見えた。」と僕は言った。
「ラッキーラブレターの意味が少しわかってきたのかもね。」とマチは笑って草に寝転んだ。
「マチはユニヴァのこと知っているんだね。」
「あなたもピーちゃんのことよく知っているでしょう?」
僕はマチが何を言っているのかさっぱり分からなかったが、異星人との会話なのだから仕方がないと思って黙っていた。
「ねぇマチ見てよ。僕Lume星人になってきちゃったよ。」
マチはただ笑っていた。

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【2007/09/04 16:44】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
ちゅら星(31)
24. Lume星の秘密
「おいしいかき氷でも食べに行こうか。」
そう言ってマチは一瞬のうちに鳥になって青空に舞い上がった。
僕はかなり慌てたけれど、地面を二三歩駆け出すとすぐに鳥になったので、バタバタと羽ばたいてみたらうまく舞い上がることができたからマチの後を追いかけた。
遠くに小さく雪山が見える。
あんな遠くまで飛んでいけるのだろうか、でも滝でエネルギーを満タンにしたせいで翼は軽やかだった。
雪山はみるみる近づいてきて、思いのほかすぐに到着した。
近づいてみるとかなりの標高で、僕らは白い山肌に沿って頂上へ向かって上昇した。
山の頂上でマチの後について大きく何周も旋回した。
そこには氷の建物が建っていて、きらきらとダイヤモンドのように虹色の光を放っている。
しばらくすると中から真っ白なLume星人が一人出てきて、上空を見上げて僕らに手を振った。
それから僕らは氷の家の2階の窓辺に降り立ち、部屋に入ってからヒューマノイドになった。
「山の中から突き出した超巨大な水晶なのよ。」
「氷でできているんじゃないんだね。」
「地下120階以上の超巨大な水晶の家。すごい?」
あまりの大きさに想像が及ばなかったので「すごい。」とだけ言った。
部屋の中央がきらきらと光って、さっきのLume星人がかき氷を二つ持って現れた。
「ようこそ。Lume星へ。」と言って水晶のテーブルにかき氷を並べた。
マチは僕を目で促してテーブルに着いた。
そしてかき氷に蜜でもかけるように人差し指をくるくるとその上で回転させた。
僕がかき氷の前に座ると「甘さは好きなように調節してね。」とLume星人が人差し指を立ててくるくるとして見せた。
僕はうなずいて、見よう見まねでかき氷の上で人差し指をくるくるとやってみた。
別に指先から蜜が出たわけではなかったけれど、とにかくかき氷を食べてみた。
ちょうどいい甘さになっている。
そのLume星人は男性ぽく見えたが、ちょっとおかまっぽく肩をすくめてンフフと嬉しそうに笑った。
ところでLume星人に明確な性別があるのかどうかはわからない、チャンスがあったら後でマチに聞いてみようと思う。
かき氷を食べていると、さっきの滝の時のようにエネルギーが充満してくるのを感じた。
たぶんLume星の水っていうのが特別なエネルギーを持っているのだろうと思う。
しばらくした後、かき氷のLume星人が僕らを地下の施設に案内してくれた。
その水晶をくり抜いて作られた大きな広間の中央には、どこからともなく空中からきらきらした雲のようなものがわき出ていて、渦を巻きながらその下のフロアの方へと流れ落ちている。
かき氷のLume星人がにっこりほほ笑むと、次の瞬間なぜだか僕らは他の部屋に移動していた。
たぶんすぐ下のフロアへ移動してきたのだろう、きらきらした雲が天井からあふれ出ている。
そして、その雲からは白い大きな雫が床に垂れ落ちては床に吸い込まれていく。
「こうやって卵が惑星へ旅立っていくのよ。」とマチが言った。
「卵?あのきらきらの雲は何なの?」
「銀河の中心の一部よ。」
「じゃあ僕は銀河の中心から生まれたの?」
「あったりまえじゃない。」とマチが意地悪く言った。
かき氷のLume星人がまた微笑んで、今度は静かな部屋に着いた。
大きなリクライニングチェアが一つあるだけの奇妙な部屋だ。
それからマチは説明をしてくれた。
「旅をしたくなったら、ここで新しい旅をプロデュースするのよ。たとえばちゅら星で気ままな猫生活をしたいとかね。そしてピーちゃん達と星散策するとかね・・・。」
マチはちらっと僕の顔を見た。そしてすぐにまた続けた。
「ここでそういうアイデアを紡ぎ出すと、銀河の中心から卵になってさっきの場所に届くってわけよ。」
「じゃあ僕ってマチがプロデュースしたの?」
「あなたはあなたがよ。って言ってもあなたをあなたに会わせるわけにはいかないけど。・・・あたしの相方みたいなLume星人がいて、今はあなたといっしょくたんになっちゃってるわ。」
何か僕の中で理解できた気がしてきた。
「わかった。マチはユニヴァをプロデュースしたんだね。」
「あ・た・り。」マチはニヤッと笑った。
それはマチ=ユニヴァってことを意味する。
ということは、ユニヴァは僕の相方とも言える。
ユニヴァと僕のことなんかを一人で思いめぐらしているとマチが言った。
「こちらのかき氷屋さんは、あなたの親友のアイスキャンディー屋さんです。」
かき氷屋さんはにっこりして「すべての惑星の人たちにおいしい氷を食べさせたいんだ。」と言った。
「僕たちはみんなLume星人の分身みたいなものなんだね。」
「大体そんなとこ。あたしは今ユニヴァとなってちゅら星生活を楽しんでいるし、他にも12個の惑星をエンジョイしているわ。」
「ええっ。ユニヴァだけじゃないの?」
「もちろん。」
次の瞬間僕らは2階の部屋へ戻ってきた。
それから僕とマチはまた鳥になって2階の窓から飛び立った。
飛び立ち際に「クーさんによろしく伝えます。」と言って、かき氷屋さんに別れを告げた。
Lume星、ここは僕らの生まれ故郷の星だということだ。
僕はマチの後を追って白い山の斜面に沿って気持ちよく滑り下りて行った。

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【2007/09/11 12:14】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
★Lume星人
Lume星人
           
地球にLume星人がやってきました。
とってもイイ人よ~。。。


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【2007/09/11 12:14】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ


れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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