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きょうも WhiteUniva∞ホワイトユニヴァ に来てくれてありがとねンっ。
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ちゅら星(154)をUPしました。      ★こにちわ!ユニヴァです。 

まっしろ白な宇宙への入口へようこそ。rainbow
ユニヴァの肖像画を描いたよんっ。見てみる?
リアルユニヴァへのポータル  マスコットユニヴァへのポータル
ちゅら星キャラもいる
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【2019/12/24 15:00】 | blogtop | トラックバック(0) | コメント(25) |
ちゅら星(154)
近くの縞模様に明るい球体が降りてきた。
僕らは巨大真珠ごと明るい球体の中に入ってみる。
表示されたパネルの最上階をタッチする。
一瞬で新しいフロアが目の前に広がった。
巨大真珠は球体からフロアに移動する。
「お席へご案内します。」アナウンスが聞こえて、巨大真珠は自動で誘導されていく。
しばらく明るい通路を進むと、ゆっくりと停止したあと、右側に引き込まれる。
「うわ、キレイ。」
ブルーが際立つ、ロイヤルなテーブルセットが用意された個室だ。
ここで僕らは巨大真珠から出る。
「水玉模様の景色が一望ね。」
大きな丸窓からは、丸みがかった惑星の地平線が一望だ。
「ちょっとこれ見てよ!」ユニヴァの声。
僕と黄色いクチバシが窓の景色を見ている間に、ユニヴァはテーブルに浮かび上がったメニューを見ていた。
「首長竜の煮込みって・・・。」
「あのニョロとかポニョとかの仲間って事?・・・。」
「ええ、食べられそうになったアイツを食べちゃうのぉ?」黄色いクチバシが目を丸くして言う。
ユニヴァがメニューの画像に触れると、詳しい説明が現れた。
『114番目湖は、古くから首長竜の目撃者が多く、辺鄙な場所にもかかわらず、伝説の生物を一目見ようと多くの観光客で賑わいます。
また、大ウナギが採れることでも有名です。
首長竜の煮込みは、114番目湖産の大ウナギを使用し、首長竜をイメージして大胆にカットしたものを、完熟トマトで煮んだおすすめの一品です。』
「なんだ、大ウナギなのか・・・。」ユニヴァがちょっと残念そうに言った。
「114番目湖って、僕らが出てきたところのことかな?」
「さあ・・・。」ユニヴァはそう言ってメニューのページをめくった。
首長竜から興味がそれたようだ。
それからだいぶ長く考えた結果、ユニヴァはマリモラーメンに決めた。
そして、僕はワカサギの天ぷら、黄色いクチバシはザリガニのパスタを注文した。
しばらくすると、白いスーツの女性が現れた。
「お待たせいたしました。」
そう言うと、部屋の奥にあった扉から料理を運び出してきた。
そして配膳を終えると、一礼をして部屋から出て行った。
ユニヴァはマリモラーメンの真緑色のスープを見つめている。
「まるで、ここの湖みたい。」そして、レンゲでスープをすくった。
するとスープは透明で、小さな丸いマリモが数個浮かんだ。
ユニヴァはそれをすすって、満足そうにフフッと笑った。
黄色いクチバシのザリガニのパスタは、だいぶ小ぶりのザリガニがパスタを埋め尽くすように載っている。
「殻がカリカリで食べやすいぃ。」いい音をさせて黄色いクチバシが頬張る。
僕のワカサギの天ぷらには、ご飯とそれにマリモが6個浮いているお吸い物が付いている。
知らない星のワカサギだが、特に違いは感じられなかった。
「ところで、クーさん達どうしてるんだろうか?」僕が言う。
黄色いクチバシがザリガニをカリカリやりながら僕を見た。
「なんか温かそうな湖にいるみたいぃ。」黄色いクチバシが言う。
「赤道付近の湖かな?」僕が言う。
「う~ん?温泉見たいなぁ・・・。」
それから、湖料理を堪能した僕らは、再び巨大真珠に乗り込み、上がってきていた近くの球体に入った。
「すぐ下に展望ラウンジがあるから、行くわね。」ユニヴァは言って、パネルのボタンに触れた。
ラウンジに出ると、ピラミッドの壁面にあたる傾斜が全て窓になっていて、大パノラマが広がっている。
「ホントに水玉な所ね・・・。」
パノラマに沿って進むと、その先はバーラウンジになっていて、窓に沿ってカウンター席が続いている。
「そろそろ日も傾いてきたし、いい時間じゃない?」ユニヴァはそう言って、適当な席に着く。
僕と黄色いクチバシも、ユニヴァを挟んで両側の席に着く。
僕らの前には、オススメのグリーンボールというマリモが一つ浮かんだ飲み物が並んだ。
「何しに来たのか忘れるわね。」ユニヴァは言って、ぐっと呑む。
「そう言えば温泉みたいな所って言ってたよね・・・。」僕が言う。
「簡単に見つかりそうね。」ユニヴァは軽く言って、もう一口飲む。
もう日も暮れてきたから、捜索は明日だ。
僕も、景色を堪能しながらグリーンボールを呑んだ。
「あちらのお客様からです。」低い声が聞こえて、赤いショートカクテルが3つ届いた。
あちらのお客様の方を見ると、見慣れた二人が手を振っている。
GackNtとニャントロだ。
「現れるわねぇ・・・どんなところにでも。」ユニヴァが小さい声で言った。
それから、GackNtとニャントロは僕らの席に移動して来た。
「偶然の出会いに乾杯!」GackNtはそう言って、僕のグラスでGackNtのグラスを鳴らした。
「ごちそうざま。」ユニヴァはそう言って、赤いショートカクテルに口を付けた。
「それはオーロラと言ってね、偶然の出会いを意味するカクテルだよ。」GackNtが言う。
「こ~んなところで合うなんて、本当に偶然なの?」ユニヴァが言う。
「良ければ、運命の出会いって言うのもあるけど・・・。」またGackNtが言う。
「せっかくだから、それも頂こうかしら。」酒豪のユニヴァが言う。
しばらくすると、オレンジ色の飲み物が5つ届いた。
いつの間にか、だいぶ日も暮れて、湖の水玉模様が、星の光を受けて銀色に輝いていた。

【2019/12/24 15:00】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
ちゅら星(153)
「なんか・・・緑色な感じぃ・・・。」突然、黄色いクチバシが言う。
ユニヴァは一瞬黄色いクチバシを見て、またロールケーキを口に入れた。
「何が緑色なの?」僕が訊く。
「なんかそんな感じがしたのぉ?」黄色いクチバシはそう言うと、またロールケーキに戻った。
僕もロールケーキを食べる。
「青いクチバシからの連絡なんじゃない?」ユニヴァが言う。
「まぁ、そんな感じぃ。」
僕はロールケーキの最後の一かけを口に入れて、ふと思った。
その時、ユニヴァが言った。
「緑の水晶柱ね!」
そうだ、緑の水晶柱だ。
僕はユニヴァに頷いた。
それからゆっくりとお茶を楽しんだ後、僕らは早速あの巨大フズリナの洞窟のある島へと向かった。
ここへ来る時は、ブルーの水晶柱を使った。
持っているのは、ピンクとグリーンとブルーの透明な石。
僕らが次に試すのは、グリーンの水晶柱だ。
「クーちゃんも楽しませてくれるわよね!」ユニヴァはフフと笑って、スピードアップした。
島の洞窟の奥で、壁に埋まった巨大なフズリナ達は静かに僕らを待っていてくれた。
ユニヴァはアームにグリーンの水晶柱をセットした。
「セット完了!」
ユニヴァの声に、僕はアームを照明の前へ移動する。
そして高度をマックスにすれば・・・。
フズリナが光を吸収し始めた。
次第にフズリナは緑色の光を帯びて脈動し始める。
「これ、キレイぃ。」黄色いクチバシがうるうるした瞳で言う。
そして光が一気にバーストする。
「わあぁぁぁぁぁぁ・・・。」
光は止み、辺りは元の暗い洞窟となった。
「あら?出口がないけど・・・。」ユニヴァが言う。
入って来た時の穴は、岩で閉ざされたようになっている。
照明を明るくしてみる。
「ユニヴァ、下を見て。」
「流れがある・・・。」
水の流れはさらに洞窟の奥へと続いている。
僕らは巨大真珠を着水させて、流れに乗って細い水路を進んだ。
水路は次第に幅を広げていく。
しばらくして10メーターほどの幅になると、洞窟の天井も高くなり、流れの速度もゆるくなった。
「外に出られるのかしらね?」ユニヴァがちょっと不安そうに言う。
鳥の声でも聞こえないかと耳を澄ましてみる。
「もうすぐ滝かもぉ・・・。」黄色いクチバシが言う。
しかし、流れは緩やかだし、音も聞こえない。
ゴポンッ!
「何?」ユニヴァが僕を見る。
「ねぇ。」黄色いクチバシが嬉しそうに言う。
僕とユニヴァは顔を見合わせた。
辺りは静まりかえっている。
ゴポ・・・
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
落とし穴にでも入ったように、巨大真珠はどんどん落ちていく。
そして水しぶきにグシャグシャにもまれたかと思うと、やっと静かな流れに出た。
「見てよ、明るい。」
ようやく外へ出られそうだ。
光が差して、僕らを運んでいる水流の透明度が分かる。
緑がかった透明な水だ。
「海かしら?」
洞窟の外は、広大な水が広がっている。
「太陽、緑ね・・・。」ユニヴァが見上げて言う。
エメラルドグリーンの太陽が、まるでカットされた宝石のように輝いている。
「この感じよぉ・・・緑な感じぃ・・・。」黄色いクチバシが言う。
どうやら、緑の水晶柱でドンピシャ大正解だったようだ。
ユニヴァは巨大真珠の高度を上げた。
「海じゃないわ、これ湖ね・・・。」
「いいね、ポニョだか何だかがいそうだもの。」僕が言う。
ユニヴァはさらに高度を上げる。
「ウワッ、湖だらけ・・・。」
まるで雨上がりの水たまりのように、大小の湖が無数に点在している。
「ここは水玉模様な星ねぇ。」黄色いクチバシが嬉しそうに眼下をのぞき込む。
そして、その水玉模様はどこまでも果てしなく続いているように見える。
「どこから探す?」ユニヴァが巨大真珠の速度を落として言う。
僕は黄色いクチバシを見る。
「街ね・・・楽しそうな感じぃ。」黄色いクチバシが言う。
クーさんと青いクチバシが、この水玉模様の惑星で楽しんでいるとでも言うのだろうか。
「街なんかあるの?・・・湖だらけで・・・。」ユニヴァがぶつぶつ言う。
僕らはとにかく、湖だらけを見渡して闇雲に進む。
「あれ、何かしら?」ユニヴァが言う。
ひときわ目立つ、とんがり山のようなものが見えてきた。
「山かな?」
「ピラミッドぽくない?」
そう言われてみれば、ちょっと人工的な感じにも見える。
とにかく巨大真珠で、とんがり山へ向かう。
「やっぱりピラミッドだわ。」
それは白い半透明の幾何学模様を配した、小山ほどもある巨大なピラミッドのような建造物だ。
近づくと街であることが分かる。
ピラミッドを中心にチューブのような通路が四方に張り巡らされているのが見える。
チューブの所々にあるドームが、街の機能をしている拠点かも知れない。
僕らがかなり高い上空から眺めていると、どこからかやって来た宇宙船がピラミッドの後方に近づいていくのが見えた。
そして、ピラミッドの後方でしばらく留まった後、スッと消えてしまった。
「あそこが街への入り口ね。」ユニヴァはそう言うと、巨大真珠の高度を下げながらピラミッドに向かった。
ピラミッドの後方には、図形が描かれた場所があった。
「ここか。」ユニヴァは巨大真珠を図形の場所へ移動した。
「出身地情報を読み取ります。」突然機械的な音声が言った。
光でスキャンされたようだ。
「生体を使って挨拶の言葉を発して下さい。」挨拶を要請された。
「こんにちは。」ユニヴァが言う。
「承認しました、移動します。」
そして、巨大真珠はピラミッドの中へ移動されたようで、薄グレーの広い部屋に到着していた。
前方には大きな透明のガラス扉がある。
巨大真珠を進めると、ガラス扉がスライドして開いた。
通路は左右と前方に伸びていて、左右は事務的な通路だが、前方は薄暗い照明のエントランスホールに続いているようだ。
僕らはエントランスホールへ進む。
エントランスホールに出ると、そこは広々とした筒状の形状で、丁度ピラミッドの中心部分を下から上まで貫いたような場所のようだ。
壁面は紺色の縞模様で、金色の小さな光が星のようにちりばめられてある。
シックで高級感を感じる。
縞模様の縞の部分はガラス張りで、上下するエレベーターのようなものが見える。
ユニヴァはこの街の案内図をダウンロードした。
「まずは、美味しいものでも頂きたいわよね。」
ユニヴァなら言いそうなことだ。
「最上階のがいいんじゃないぃ?」黄色いクチバシも乗り気だ。
とにかく僕は、予想外とはいえ、いい場所にたどり着いたことで少し安堵した。
しかし目的は、クーさんと青いクチバシの救助なのだ。

【2019/11/23 16:46】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(2) |
ちゅら星(152)
先ほどの畔に、姫の姿はもう見えなかった。
湖は奥に進むにつれて湖岸が狭まってきて、湖と言うよりは森の中を流れる川の様相だ。
ニョロとポニョは時々こちらを振り返っては、音も立てずに進んで行く。
日も落ちて、森はすっかり闇に包まれてきた。
葉の間から微かに見える空が、濃いオレンジ色に輝いている。
気がつくとニョロとポニョの姿が見えない。
そう思ったとたん、水面がモコンモコンと揺れ始めた。
「奴ら潜ったんじゃないか?」青いクチバシが言う。
どうやら水面下でグルグルと猛スピードで泳いでいるらしく、水面が渦を巻き始めた。
「何なのかしらね?」ユニヴァが言う。
「わああっ!!」
大きなひれが飛び出してきて、波ががザブンとかかる。
2羽の乗った雲が波に呑まれて、水面の渦に引き込まれた。
「まずいぞ!」クーさんが言う。
「どうする?」僕が言う。
ユニヴァが巨大真珠を着水した。
僕らはものすごい勢いで渦に呑まれていく。
水中ではニョロとポニョがグルグルと円を描いて回っている。
僕らと2羽の白い鳥は、その円の中に捕らわれている状態だ。
2羽は雲から飛び出し散り散りで水流に流されている。
「ココに引き込めるかしら?」ユニヴァが言う。
「やってみよう!」クーさんが僕に頷いて言う。
僕とクーさんは、それぞれに巨大真珠から腕だけを出して鳥たちの救助を試みる。
グルグルの水流で思うようには行かない。
黄色いクチバシの羽を一瞬つかんだ。
しかし滑るように離れてしまう。
「網みたいなのあったんじゃ・・・。」クーさんがそう言いかけた時。
今まで旋回していたニョロだかポニョだかが、ギザギザの歯をむき出しにした大きな口で黄色いクチバシに食らいついてきた。
危機一髪上手く逃れた黄色いクチバシだが、執拗にまたもヤツが食らいついてくる。
青いクチバシが、ヤツの脇腹にツツキを食らわす。
怯んだすきに逃げ出した黄色いクチバシを、僕が両手でしっかりとつかむ。
勇敢な青いクチバシを、今度はもう一匹のポニョだかニョロが追いかけ回す。
「ちょっと、クーちゃん!」ユニヴァが叫ぶ。
腕だけ出していたクーさんだが、半身を水中に出して青いクチバシに手を伸ばした。
「あああっっ・・・。」
ポニョの大きな口が青いクチバシをくわえると、青いクチバシをつかんだクーさんもその勢いで巨大真珠から引きずり出されてしまった。
辺りが突然静まりかえる。
気がつくと、巨大真珠を残して全てが消えたしまった。
「・・・。」
僕とユニヴァと、黄色いクチバシ、それと雲も捕獲した。
「見てよ!下。」ユニヴァが言う。
湖底に黒い渦が見える。
「あのポータルに入ったんだわ。」ユニヴァが言う。
巨大真珠はすぐに湖底のポータルに急いだ。
「ウソでしょ?」
ポータルは見る見るうちに薄れていき、僕らが到着するとそこはただの砂の湖底となってしまった。
「アイツ食われちゃったかしらね?」ユニヴァは無情にも言う。
「大丈夫みたい・・・。」黄色いクチバシには分かるらしい。
「クーさんの方は?」僕が訊く。
「手をけがしたけどぉ、大丈夫みたい。」黄色いクチバシが言う。
「つーか、どこ行っちゃたかわかるの?」ユニヴァが訊く。
「・・・、・・・、ココとは違う宇宙域みたい・・・。」
「違う宇宙域?」僕とユニヴァが同時に言って、黄色いクチバシを見た。
黄色いクチバシはつぶらな目をパチクリさせた。
ユニヴァが少し考え込む。
すでにこの宇宙域でさえ、ちゅら星とは別のところだというのに、クーさんはいったい何処へ行ってしまったというのだろう。
「ねぇピーちゃん・・・、あの洞窟のポータル使えるような気がしない?」
「え?・・・うん、使い用かもね!」
僕らは、とにかくこの森を出ることに決めた。
水中から出た巨大真珠は真っ暗な森をライトを小さく付けて進む。
「あの姫には見つかりたくないわよね。」ユニヴァが言う。
「姫って言うより魔女でしょ、魔物の餌にされたんだからぁ。」黄色いクチバシが言う。
「とにかく城には近づかないようにして行こう。」そう言って、僕はユニヴァから操縦を代わった。
僕は真っ暗な森を夕焼けの名残を探して西に進んだ。
やや開けた場所に出たので、少しだけ高度を上げると微かなオレンジ色が遠くに見えた。
「オッと!」
黒い鉄柵だ。
ここはまだ城の敷地内だったのだ。
鉄柵の背は高く、生い茂る木々にまで達している。
「縮小すれば?」ユニヴァが言う。
無理矢理木々を押しのけて出るより、その方がいい。
縮小した巨大真珠は鉄柵の隙間を抜け出した。
そしてもうオレンジ色の名残もすっかり消えて、夜の森が僕らを包んだ。
「ところでピーちゃん、どこに向かってるの?」ユニヴァが言った。
考えてみれば、森を抜け出すことだけを目標にしていた。
「あ~・・・帰りのポータルの場所はね、雲が覚えてるんだぁ。」黄色いクチバシはそう言って、傍らの雲に触れる。
「ハイテクな雲ね。」ユニヴァが言う。
「そうだユニヴァ、雲に乗ろう!」
それから、黄色いクチバシは巨大真珠を出て雲に飛び乗った。
そして縮小化した巨大真珠も雲に便乗した。
真っ暗な森の鬱蒼とした木々をすり抜け、雲はスルスルとスムーズに進む。
快適だ。
突然、雲の高度が少し上がった。
ザザザザッ!
大きな動物が下を通り過ぎて行ったようだ。
「気が利いてるじゃない。」ユニヴァが言う。
今度はせせらぎの音が聞こえてきた。
前方にうっすらと光るものがある。
「あれは白い川じゃないかな?」
行きにも見た真っ白な川のようだ。
「じゃあ、あの先のは青緑色のかもね。」先にもまた微かに光るものが見える。
しかし森は、ほとんど月明かりも星明かりも届かない。
しばらく行くと、木々の間に星空が覗くほど開けてきた。
「あの白いの池かしらね?」ユニヴァが言う。
月明かりに反射してか、大きな円形の光が見える。
「ああ・・・たぶんあそこだと思うぅ。」黄色いクチバシが言う。
近づくと確かに池だ。
色の判別は難しい。
巨大真珠を元のサイズに戻してから、ライトを照らしてみる。
「真っ黒みたいね。」ユニヴァが言う。
「ここは透明だったはずぅ。」黄色いクチバシが言う。
「渦も見えないけど・・・ポータルなの?」僕が言う。
「ああ・・・あっち側。」そう言って雲に乗った黄色いクチバシが池の向こうへと移動する。
池の端に小さな渦が巻いている。
「ちっちゃ・・・。」ユニヴァが言う。
「これでも、ちゃんとしたポータルだからぁ。」そう言うと黄色いクチバシは渦に飛び込んでしまった。
「行こっ!」ユニヴァの声で、僕らの巨大真珠も飛び込んだ。
到着したのは室内だった。
「この前、小屋を建てたんだぁ・・・雨でも大丈夫でしょぉ。」黄色いクチバシは自慢げに言った。
小屋の外は日が傾きかけているものの、まだ明るい時間だ。
黄色いクチバシ達のキラキラの木まではすぐだったので、僕らはそこで一休みした。
「美味しいケーキがあるんだぁ。」黄色いクチバシがお茶の用意をする。
「あの人達大丈夫かしらね?」ユニヴァ心配する。
「大丈夫よぉ!」黄色いクチバシは余裕な感じだ。
「そうね、そのうち見つかるでしょうね。」結局ユニヴァも余裕だ。
そして僕らは3等分にした5等分でも良さそうなロールケーキを頬張った。

【2019/10/13 16:16】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
ちゅら星(151)
ビニール細工のような植物の草原がどこまでもキラキラと広がっている。
そして真っ黒な森は、僕らに向かって迫ってくるようにさえ感じる。
その木の幹は真っ黒で、葉は黒に近い濃い緑色をしている。
足下に覗く土も真っ黒で、草原のキラキラの植物とは一転してマットな灰緑の植物が目立つ。
「なんにもいないな・・・。」クーさんが不満げに言う。
僕らの巨大真珠は、ただ先を行く二羽の雲を追う。
「ねぇ、湖って面白いの?」ユニヴァが先を行く2羽に声をかける。
「さぁ?・・・始めて行くんだからぁ。」黄色いクチバシが答える。
「え?」クーさんの声が微かに聞こえた。
「噂はいろいろ聞いてるけどね・・・。」青いクチバシが言う。
「噂があるの?・・・じゃっ、面白そうって事じゃない?」ユニヴァが嬉しそうに言った。
噂とは何か気になりながらも、とにかく僕らは湖を目指して雲を追った。
「あ、きれいな黄色!」
小さな真っ黄色の池が見えた。
これが、真っ黒な森に映えるのだ。
「あの小さいの、出て来ないかな・・・。」またクーさんがぼやく。
「あの、赤いとんがり帽子だよね・・・。」僕が言う。
「とんがり帽子だけで、それがコビトとは断定できないと思うけど?」ユニヴァが言う。
「うわっ蛇?大蛇?」クーさんが叫ぶ。
「スゴい!真っ白な川よ。」
僕らが超えて行くのは、ミルクを流したような不透明の真っ白な川だ。
「また川!」
今度のは鮮やかな青緑色だ。
「向こうにも、また白い川!」
それを超えるとまた向こうに青緑色の川が見えた。
「これ、上から見たらきれいなストライプに見えるんじゃないかな?」僕は思った。
でも真っ黒な木々に覆われていて、この森を彼方上空から俯瞰することは叶わないようだ。
「湖、まだかしらね?」ユニヴァが冷めたつぶやき言う。
「お腹空いちゃったのぉ?」黄色いクチバシが振り向いて言う。
「湖に美味しいものでも浮かんでるって言うの?」ユニヴァが訊く。
「・・・たぶんね。」青いクチバシが笑って答えた。
しかしまだ湖の気配はない。
ところが、先を行く雲が急に停止した。
「おや?・・・門がある。」クーさんが言う。
真っ黒な木々の合間に、真っ黒な鉄柵の豪華な門がある。
所々には金の細工も施されている。
「こ、これは・・・。」クーさんがつぶやく。
確かに、お姫様の宮殿を連想させる門だ。
立派な門を眺めてしばらくたった。
「この門、どうやって開けるのよ?」ユニヴァが言う。
バサッっ!
その時突然、門の上に大きな一羽のカラスが舞い降りてきた。
カラスは僕らを値踏みするかのように見回すと、クチバシで門の上にある鉄の取っ手を引き上げた。
ゴロンと重い音がして、門がわずかに開いた。
「どうも。」青いクチバシはカラスにそう言うと、門を押し開けて奥に進んだ。
僕らもそれに続く。
「ガァアーっ!」鋭いカラスの声とともに、ガシャンと音を立てて門はまた閉まってしまった。
門の中の木々はどす黒いには違いないのだが、手入れが行き届いているのがわかる。
門を入ると、カーブした散策路が右にも左にも続いている。
僕らは右に行ってみる。
カーブの先には広々とした広場が見えた。
そして、その先にはクーさんを満足させるには十分な真っ黒な宮殿が見える。
広場には、つやつやの真っ黒な大理石が引き詰められていて宝石のように煌めいている。
僕らは広場の中央を宮殿に向かって進む。
宮殿に上がる広い階段の上方には巨大な扉があり、見たことのない動物の石像が左右配置されていて、その右の一頭の頭の上で先ほどのカラスらしい一羽が僕らを見据えている。
僕らが巨大な扉の前に来ると、カラスがまた一声叫んだ。
「ガァアーっ!」
扉がゆっくりと開いていく。
中から溢れる目映いばかりの光。
真っ黒な世界にいたせいで、目がくらみそうだ。
真っ白な壁に、真っ白な床、柱に金の装飾が美しい。
天井はライトなのか宝石なのか分からないほどキラキラと輝いている。
「キレイだけど何にも無い部屋ね。」ユニヴァが言う。
そう言われてみれば、窓も扉の一つも見当たらない。
部屋がうっすらと暗くなってきたかと思うと、周囲の色が淡いブルーに変化してきた。
天井の中央からキラキラとした光のシャワーが降り注ぎ始めた。
光のシャワーが床まで落ちる頃、その中に人影が現れてきた。
そして光のシャワーが止み、美しいブルーのドレスの女性がそこにいた。
その人は僕らを見ると、軽く微笑んだ。
それからおもむろに両手を大きく左右に広げた。
豪華なテーブルセットが現れて、同時に部屋の四隅には給仕も4人配置されている。
僕らはブルーのドレスの姫に促されて、テーブルに着く。
「やっぱ、いたな。」クーさんが僕の耳元にささやく。
クーさん待望のお姫様が現れたのだ。
「まずは、乾杯!」姫はそう言って笑った。
その時キラリと光ったのは、姫の口元からチラリと見えた歯だった。
僕とユニヴァの目が合った。
それから、手の込んだガラス細工のグラスからシャンパンのようなシュワシュワの飲み物を頂いた。
「ポータルマスターがいらっしゃるとは!」姫がユニヴァを見て言う。
「何だかスゴくきれいな歯ね。」ユニヴァが言う。
姫は歯を見せびらかすようにニィっと笑って見せた。
「宝石?」
「私の歯は全てダイヤです。骨もね・・・。」姫はスマして飲み物を飲んだ。
「へぇ、変わってるのね。」ユニヴァはさりげなく答えた。
姫がまた、両手を大きく左右に挙げた。
キラキラとスターダストが舞ったかと思うと、ガラッと変わって外に開けた大きな窓の部屋になった。
僕らの座る豪華なテーブルセットも、グリーンのふかふかなソファアになっている。
そして、大きな窓の外には、真っ黒なガラス板のように湖がたたずんでいた。
窓の外はバルコニーになっていて、その先には階段が下に降りている。
姫がバルコニーに出たので、僕らもそれに続く。
真っ黒な木々を揺らす風が気持ちいい。
給仕がワゴンで飲み物を運んできた。
赤いつぶつぶのフルーツに満たされたサッパリとした飲み物だ。
「下に降りて、ニョロとポニョを紹介しましょう。」
「ニョロとポニョ?」ユニヴァが言う。
ガラス板のような水面に小さなさざ波が立った。
さらに向こうにも、さざ波が見えた。
僕は目をこらす。
しかし水面はまた元のガラス板のように静まりかえった。
姫は飲み物のグラスを置くと、階段を降り始めた。
僕らもグラスをワゴンに戻して、姫を追った。
姫は軽くドレスの脇をつかみ、慣れた足取りで湖の畔へと進んで行く。
「今日は大勢で入らして下さったのに、鳥さんは2羽ですのね・・・。」姫は湖を遠く眺めてそう言った。
「悪かったな。」青いクチバシが言った。
その時、すぐ近くの水面がドロンと揺らめいた。
「わぁあああ!」
クーさんはその場に尻餅をつき、ユニヴァは僕にしがみついてきた。
「ネッシーだぁああ!!」尻餅をついたままクーさんが叫んだ。
「これはニョロです。」姫が静かに言った。
ニョロは水面から首をもたげて、静かに姫を見つめている。
僕らは体制を整えてニョロを見上げた。
するとまた水面がドロンと揺れた。
「わぁああ!」
クーさんだけが尻餅をついた。
同じような首長竜っぽい生き物が現れた。
「ポニョです。」姫が言った。
ポニョは僕らに興味を示したようで、落ち着き無く首を振った。
「今日はお会いできてとても楽しかった!お帰りのポータルへはこの子達がご案内いたします。」
「来たように帰るから大丈夫よ。」ユニヴァが言う。
「日が暮れたら、森は危険です。」姫がキッパリとした声で言った。
オレンジ色の最後の夕日が、湖面をキラキラと這って森の奥まで明るく差し込んでいる。
この後あっという間に日が暮れてしまうのは確かだ。
「ポォ~ニョポォニョポニョ~♪・・・ニョォ~ロニョロニョロォ~♪・・・」突然、姫が歌い始めた。
唖然として見ていると、ニョロとポニョがゆっくりと動き出した。
姫は歌を続けながら、僕らを湖へと促す。
僕らは巨大真珠に乗り、2羽は雲に飛び乗った。
そして、半ば追い出されるかのように姫に別れを告げ、湖の奥へと進んでいくニョロとポニョを追った。
「何だったのよ、あの人?」ユニヴァがぼやいて言う。
「だから、森のお姫様なんじゃないのぉ?」クーさんが言った。

【2019/08/27 16:35】 | ちゅら星物語 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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れもんちゅらな宇宙で星散策。     エンドレスな「ちゅら星」の物語・・・  手作り黒猫や熊も紹介します。

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れもんちゅら

Author:れもんちゅら
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